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第47話 栗毛武道家、神社で遭遇する。

「おっ、ミコたちじゃねーか」

「ガイか。一人でどうしたのじゃ?」


 海龍神社から出ようとするとアレスさんのパーティで盾をしているガイさんに私たちは声をかけられました。


「いや、なんでもここで"加護"スキルが取れるって噂が最近あってな? けれど噂だけで誰も取得できたヤツを知らないときた。それでオレも隠しクエストを探しにきたってわけよ」

「なんじゃ、他のプレイヤーが探してもあのクエストは見つけられんかったか」

「やっぱり〜!」


 恐らく、私たちの会話を聞いていて探したのでしょう。"加護"スキルは取得するだけでステータスが上昇しますし、追加で何かしらの補正が加わるものですから例え噂話でも無視できないのです。


「その反応⋯⋯、まさか噂の出所ってのは」

「うむ。わっちらの会話から誰かが広めたのじゃろう」

「マジかよ⋯⋯。賽銭に全財産ぶち込んだヤツもいたが何も起きなかったと聞いたが、どうやったんだ?」

「知りたいかや? じゃが、ここからは有料じゃな〜」


 チラッと私に目配せしますが、私はお金を取る気はないのでネタバラシをしました。


「なるほどな。賽銭投げた後に巫女に話しかけてたら次に舞の奉納だった可能性もあるのか。まあ、そんな話を聞いたら俺は御守りに行くけどな」


 意気揚々と舞に挑戦したガイさんは当然の如くそこでクエストは終わりました。


「想像で舞を踊るとか無理だろ! こうなったらヒップホップでも踊ればいいのか!?」

「ガイさんってヒップホップ踊れるんだ! カッコいいかも!」

「おうよ。そういえば嬢ちゃんは初めましてだな。盾使いのガイだ。よろしく」

「私はプリアです! 薬草娘ですので回復だけは任せて下さい!」


 初対面で何故か打ち解けているガイさんとプリアちゃんですが、フィーリングが合う人はそういうこともあるのでそうなのでしょう。


「良いことを思い付いたのじゃが、アレスたちは今何をしておるのかのぅ」

「アイツらはトロピバードってモンスターを狩りにいってるぜ? ハナのヤツが水着装備が欲しいとかいいだしてな」

「ハナさんも女の子だもん。気持ちはわかるよ〜」

「そういうもんか。でだ、アイツらは飛び回ってるから盾役のオレはあまり役に立てなそうだから噂調査に来たってわけよ」


 ガイさんはアレスさんたちがそろそろ帰ってくるだろうと言うので海龍神社で待つ事にしました。


「あ、アレスさん。お久しぶりです」

「やあ。ラピスちゃんも元気そうで何よりだよ」

「ガイから連絡をもらっていますが、ミコさんから加護の事で私たちに話があるとか」


 風魔法使いのヒューイさんが食い気味にミコさんの方を見て話します。加護とか隠しスキルに関しての魔法使いの方の反応はどこでも同じだなと少し笑ってしまいます。探究心や好奇心が強いからでしょうか。


「うむ。ちと、わっちらと取引をせぬか?」

「いいですよ。条件次第ですけどミコさんたちなら悪い話じゃないんですよね」


 ミコさんとアレスさんが話し合って、ミコさんがアレスさんのパーティに入って舞を奉納する代わりに、クエスト発生条件の授与所で授かる御守りや破魔矢を譲り受ける約束をしました。


「お互いに悪くない話じゃろ?」

「ええ、ありがたいです。クエストの話を教えて下さった分の色を付けてお渡ししますよ」


 ちなみに私たちはその間にメンバー同士の親睦を深めていました。ハナさんはカニッパーみたいな小さいモンスター好きだそうで、ペットシステムがもしきたら連れ歩きたいそうです。


「ラピスちゃんが好きなモンスター見つけたら教えてね? モンスターを倒すだけがゲームじゃないんだからっ!」


 ハナさんはアユちゃんと意気投合しています。アユちゃんもフワマル好きですから可愛いの方向性がにているのでしょうか。


「あの、ヒューイさんは何かこのゲームでやりたい事とかあるんですか?」

「私は⋯⋯、みんなと旅して新しい魔法とか使って遊べたらそれだけで充分です」


 この人もVRMMORPG(ここ)が自分の現実で終わらない旅をしたいんだなと思いました。だって昔と私と同じ理由ですから。だからこの人と、この人たちともっと関わりたいと思ってしまいました。


「じゃあ私と同じですね。アユちゃんもミコさんも、プリアちゃんも他にも知り合ったみんなが大好きなので。もちろんヒューイさんたちのことも。だから、今度一緒に狩りにいきましょう。危ないところでもガイさんとプリアちゃんがいればへっちゃらです。息がぴったりなので」

「面白い話してるね〜! お姉さんも混ぜて欲しいな〜。⋯⋯それだとヒーラーの私の仕事がなくなるんだけど?」

「プリアちゃんは単体回復魔法(ヒール)しか使えないのでハナさんは補助魔法(バフ)に専念して、ガイさんを抜けた攻撃に対して回復して欲しいかなと」

「なるほどね〜! そういう理由なら頑張っちゃうよ!」


 それからさっきのトロピバードの話になり、全然倒せなくて羽が 2枚しか手に入らなかったと聞きました。


「ミコさん見てていいこと思い付いた! ねえ、ガイ?」

「なんだ? また留守番のお願いか?」

「あはは⋯⋯、ごめんって。今度はちゃんとした盾役の相談だよ」

「定点狩りなら私たち全員を守れる?」

「⋯⋯たぶんな。だが、ヒーラー二人いれば最悪抜けられても何とかなるだろ」


 そんなこんなで打ち合わせ的なことをしているとミコさんと話がついてクエストが進んだアレスさんがやってきました。


「まったりしてるところ悪いんだが、俺たちの加護スキルを先に取らせてもらおうか。次は海龍神と謁見、それで加護スキルが貰えるらしい」


 アレスさんたち四人も加護を無事に取得でき、私たちはアイテムが大量に手に入りました。ミコさんの"次元の巾着袋"はとても便利ですね。

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