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第43話 栗毛武道家、必中スキルを覚える。

 私は聖職者スキルを使えるようになりましたので効果の確認をしてみました。


「うぅっ⋯⋯、やっぱり覚悟はしてたけど、私のヒールは回復量が低いね」

「今は武道家じゃしな。それに加えて初期ポイントくらいしかINTに振っておらんからかのぅ」


 気になって取得した"加護"スキルですけど、聖職者にならないと回復量や効果時間などが 8割減のため正直言って緊急時や特定のタイミング以外での使用は難しそうです。


「もうSTRにかなりステータスポイントを振った後だから今更の転職はないかな〜⋯⋯」

「大丈夫! ラピスちゃんなら今のままでも使いこなせるよ!」

「ありがとう〜。うん、頑張ってみるね」

「そうなるとラピスちゃんは基本的には今まで通りだね! 頼りにしてるね、薬草娘ちゃん!」


 アユちゃんの言うように基本的な動きはそのままで、聖職者スキルは私の自己判断に委ねることとなりました。神父さん(運営)の人がどんな願いでも叶う短冊で私にくれたスキルですから全く使えないはずはないと思います。


「で、話は戻るんだけどね。トロピバード対策に私は弓術系統のスキルを取ろうと思うんだけど」


 そう話を切り出すとミコさんが複雑な表情をしました。


「わっちは弓術は薦めん。あれは筋力(STR)よりも器用さ(DEX)がダメージに大きく影響しておるし、なによりリアルに弓を扱う技術が必要じゃ」

「それはわかってます。私は弓術の必中スキルだけを取得してミコさんの呪術に頼ろうかなと」


 私は連携スキルの話をします。それを聞いて面白そうじゃとミコさんはニヤリと笑いました。


「問題点は矢のお金が少しかかることかな」

「それは誤差じゃろ。プリアが来てからは回復アイテムも使わなくなったしのぅ」

「ふふん! 薬草娘だからね!」

「あっ! この巾着袋、ヒーラーが見つかるまでって約束でお借りしてましたよね」


 そこで私は借りていた"次元の巾着袋"をミコさんに返却しました。


「ふっ、借りパクせんで良かったか?」

「そんなことしませんよ。私は聖女ですから」


 ミコさんの弄りに信頼が大切だと言うことと、自身で回復スキルが使えるようになったからという意味を込めて私は言い返します。


「弓はたしか転職時に貰ってるよね? もしなかったら私も見習い転職時に貰えたしあげるよ?」

「あ、凄く助かるよ。コンバート組には転職時の装備もくれなかったから」


 アユちゃんから"見習いの弓"を貰います。そして私は弓術の必中スキル"天穹・始導(てんきゅう・しどう)"を覚えました。


 弓術系統の"天穹"派生は全て矢を大空へ打ち上げるスキルで、"始導"は自身が通常攻撃やスキルによる攻撃を 30秒間行っていない場合にのみ使えるほぼ開幕限定の必中スキルになります。ダメージ倍率はそこそこあるようですが倍率はそれなりの攻撃力があってこそですので私ではダメージを期待できません。


「とりあえず今日はここで解散かな」

「トロピバードへの対応策が出てきただけ上出来じゃな」

「あ、時間やばっ! 私は先に落ちるね。明日は海龍神社でいつもの時間に待ち合わせでいいんだよね?」

「うん。おやすみ、アユちゃん」

「おっけー。おやすみ、ラピスちゃん、それにみんな」


 そう言ってアユちゃんがログアウトしたのでその流れで私たちも解散しました。

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