第15話 栗毛修道女、転職を決める。
セピアさんからのメールを見て、辺りを見渡してもセピアさんを見つけることが出来ませんでした。
「ラピスちゃん、どうしたの?」
「なんかセピアさんが武道家にならないか?って。どこか近くにいると思うんだけど⋯⋯、"セピア"さんは背の低い剣士だったはずだけど見当たらない」
アユちゃんも一緒に周りを見渡して、それでもそれっぽい人を見つける事は出来ませんでした。
「ラピスちゃん、もしかして"セピア"さんじゃないのかも。ほら、ここって街の中だしラピスちゃんの様子をこそっと見に来て前に話してくれた幻影魔法、アレが解けなかったんじゃない?」
私たちのいるホルア帝国はモンスター一体の強さが強く、数より質という特徴があるので玄人好みの国になりますので他国よりは人が少ないです。ここは始まりの街の一つですが、なるほど。所謂ゴールデンタイムなのでそれでもそこそこのプレイヤーで賑わっていますね。
「そうかも」
「とりあえずメールでやり取りしてみたら?」
「うん。アユちゃん、ちょっと待っててね」
私はメール機能を使ってセピアさんに武道家を勧めた真意を問います。元ギルドメンバーのみんなの事は信頼していますし、勢いで言っているだけではないはずなのでそのまま転職してしまってもいいのが、転職後のステータス振りや系統スキルに関しても聞いておきたいのです。
[セピアさん、武道家にならないか?ってどういうこと?]
[俺のギルドに武道家の奴がいるんだがな、身体強化の系統スキルは基本的に常時発動型スキルによるステータス強化なんだが、スキルを強化していくと更にステータスを上げる任意発動型スキルが出るらしい]
武道家への転職後の育成過程をイメージします。
[つまり、こういう事ですか?序盤はパッシブスキルでINTに振った分のステータスを補い、アクティブ強化スキルを取得後は振り過ぎたINTが役に立つから武道家がおススメだと]
[相変わらず頭の回転が速いな。そういう事だ]
[なるほど。今の私には無理ですけど剣士で魔法剣とかはないのですか?]
[聖騎士系統のスキルにINT依存の魔法剣もあるが、聖職者スキルが使えないラピスじゃ使えない可能性の方が高いんじゃないか?]
一応、剣士としての選択肢も聞いてみますが、ここでも信仰神ですか。まあ、引き摺るのはよくないので聖騎士も諦める事にします。
[情報ありがとうございます。勧められた武道家に転職します]
[おう、頑張れよ。それとアユの推測は正解だ。ギルメンの付き合いで来ててちょっと話が聞こえただけだから気にするな]
後に、魔法剣はレアなスキルの使える宝剣があればいける事がわかりましたが、剣士をこの時に選択しなくて良かったと思います。
VRゲーム、その意味は後衛や支援職をしているだけでは半分も理解出来ていなかったとすぐに私は知ることになるのでした。




