↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

134/184

第134話 栗毛聖女、【厄災】大火精霊と戦う②

「よし。次は―――占術! 〝スプレッド・大三角の秘宝〟ッ! 過去は『月』の正位置!」

「ふんっ! リョウ殿の準備が終わるまではワシの方を向くでござるよ」

「───放水(アクアディスチャージ)ッ! ───放水(アクアディスチャージ)ッ!」


 リョウさんが動きながら大火精霊(フレイフリヤー)の正面、お腹の辺りに触れると『月』のカードが出現し張り付きました。接近したリョウさんにターゲットが切り替わったのを見逃さずにヤスナガさんが大剣で頭から叩き斬るような攻撃して大火精霊のターゲットを自分に戻します。その間も放水でアユちゃんがダメージを稼いでいました。


「アルカナって聞いてもしかしてと思ったんですけど、それってタロット占いかな?」

「―――はい、そうです。大三角の秘宝は時間の流れから物事の全体像、解決策を占えるんです。占術(せんじゅつ)ってようは占いですけど、弱点や行動の隙を知るのに凄く役立つんですよ」


 その隙に一度離脱したリョウさんへ気になっていたことを尋ねると知りたかったこと以上の答えが返ってきました。それに、占いについて凄く詳しそうなので今度、スキルとか抜きにいろいろ教えてもらいたいなとも思いました。


「そうなんだ! 占術って凄いんだね! はい、―――移動速度増加(スピードインクリーズ)ッ!」

「そこまでのスキルじゃありませんよ。あくまで〝知る〟ことしかできませんから。けど……、ありがとうございます。ラピスさん。―――次、いってきますね!」


 リョウさんの〝知る〟というその言葉には何か深い悲しみが込められていました。けれど、戦闘において〝知る〟ことは凄く大事だと私は《《知っています》》。


「―――ヤスナガさん! 忍者スキルはまだ温存しててくださーい!!!」

「うむ。―――心得たでござる!」


 HPを消費する忍者スキルは私のヒールによるHP回復量の都合でむやみに使用しないようにしてもらっていますが、チャンスがあれば使っていくことは決めていました。私がリョウさんを見送って大声で叫んだのをちらりと見てヤスナガさんは返事と共に頷いてくれました。


「ねね、ラピスちゃん。―――リョウのことちゃんとわかってくれてありがと」

「―――えっと、何がかな? アユちゃんほどリョウさんのこと知らないし、私は私の思ったことを口にしただけだよ?」


 たぶんアユちゃんはリョウさんの過去も知っているんでしょうね。私は察しただけですけど、占術という特に強敵と戦う場面でなければ役に立ちづらいスキルで色々とパーティーメンバーに言われてきたんだと思いました。


「そういえばアユちゃんって、リョウさんと青春アカデミーで知り合ったんだよね」

「……ラピスちゃん、絶対わかってて言ってるよね~!」

「あははっ! なんのことかな~? ―――ただ、リョウさんは凄い人だなって思っただけだよー」


 青春アカデミーは学校です。学び舎です。―――きっとリョウさんは知りたいのでしょう。知らないことを、過去も、未来も、今も、知っている事すらも。―――だから、人からどう言われようと占術スキルのレベルを上げてきた。


「そこっ! ―――占術! 現在は『隠者』の逆位置! ―――そうだよなっ!」

「リョウさんのおかげできっと勝てるから。だから、楽しみにしてるよ。―――見せてくれる未来を」


 だんだんとテンションが上がっていくリョウさんが凄く楽しそうで、やっぱり好きなことをして遊ぶのは楽しいんだと、温泉に浸かりながら自分の中で見つけた〝楽しい〟と重ねながら背中を見つめます。


「よしっ! クールタイム終わりっ! ラピスちゃん、もっかいアレいくね」

「りょーかい! 詠唱省略《スペルアブリビエーション》ッ!」


 アユちゃんの〝|バブルプラネット・シューティングスター《泡惑星流星群》+ホーリーアドオン(聖属性追加)が再び炸裂し、HPが半分を切ったところでリョウさんの占術〝大三角の秘宝〟が発動するのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。