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第六十三話 レイちゃんが、夢を話してくれました。
ある夜の閉店後。
レイちゃんが珍しく、帳簿を閉じてから言った。
「マミさん、少し聞いていいですか」
「うん」
「マミさんは、このお店をどこまで大きくしたいですか」
あたしは少し考えてから答えた。
「他国にも広めたいな。メイド喫茶という文化を」
「他国にも、ですか」
「うん。どこにいても帰ってこられる場所を、もっと増やしたい」
レイちゃんがしばらく黙っていた。
「……私も、夢があります」
「教えて」
「いつか、オスティウムの経営を体系化して、他のお店が参考にできる形にしたいです」
「すごいね」
「マミさんのやり方は、感覚に頼っている部分が多い。それを整理して、誰でも再現できるようにしたい」
「確かに、あたし感覚でやってること多いかも」
「はい。でも、その感覚は正しい。だから、言語化する価値があります」
あたしはレイちゃんを見た。
「一緒にやろう」
「……いいんですか」
「もちろん。レイちゃんの夢、あたしの夢と一緒だよ」
レイちゃんが、少し笑った。
「……ありがとうございます」
今夜のオスティウムに、二つの夢が重なった夜だった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
レイちゃんの夢が聞けましたね。
「感覚を言語化する」という発想、レイちゃんらしいですよね。
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