第五十二話 レイちゃんの、意外な一面。
レイちゃんはいつも冷静だった。
感情をあまり表に出さなかった。
でも、ある日気づいた。
レイちゃんが、パフェを食べるお客様をじっと見ていることに。
「レイちゃん、パフェ好き?」
「……別に、特別に好きというわけでは」
「でも、ずっと見てたよ」
レイちゃんが少し、顔をそらした。
「……綺麗だと思っただけです」
「食べたことある?」
「……ここに来るまでは、なかったです」
「食べてみる?」
「仕事中ですから」
「閉店後に」
レイちゃんが少し間を置いてから、言った。
「……いただきます」
閉店後、四人でパフェを食べた。
レイちゃんが一口食べた。
しばらく黙っていた。
「……おいしいです」
「でしょ?」
「甘さと酸味のバランスが計算されていますね」
「アゼルが考えたんだよ」
レイちゃんがアゼルを見た。
「……素晴らしいです」
アゼルが静かに答えた。
「……ありがとう」
レイちゃんが二口目を食べた。
少し、表情が柔らかくなった。
ミクちゃんが小声であたしに言った。
「レイちゃん、笑ってますよぅ」
「うん」
「珍しいですっ」
「うん」
今夜のオスティウムに、レイちゃんの笑顔が生まれた夜だった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
レイちゃんの意外な一面、よかったでしょうか。
「甘さと酸味のバランスが計算されています」という感想もレイちゃんらしいですよね。
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