第四十二話 ルネ様が、オスティウムに来ました。
一週間後。
ルネ様が来た。
四銃士の紋章はついていなかった。
普通の服装だった。
「ようこそメイド喫茶オスティウムへ。ご主人様、おかえりなさいませ」
ルネ様が少し、目を細めた。
「……おかえりなさいませ、か」
「はい。何度来ていただいても、毎回新鮮にお迎えします」
「……初めて来た」
「それでも、おかえりなさいませです。ここはみなさんが帰ってこられる場所ですので」
ルネ様がしばらく黙っていた。
「……一人で来た」
「はい。お席に案内します」
席に案内して、お品書きを渡した。
「何になさいますか」
ルネ様がお品書きをゆっくり読んだ。
「……オムライスを」
「かしこまりました。ケチャップの絵は何にしますか」
ルネ様が少し考えてから、言った。
「……花」
「花ですね。どんな花がいいですか」
「……何でも」
あたしは少し考えてから、薔薇を描いた。
マリー様がいつも頼む薔薇。
お皿を置くと、ルネ様が少し目を細めた。
「……薔薇か」
「マリー様がよく頼まれるので」
「……そうか」
ルネ様が食べ終わった後、静かに言った。
「マミ」
「はい」
「俺は、どうすればいいと思う?」
あたしは少し考えてから、答えた。
「ルネ様が決めることだと思います」
「……そうか」
「でも、一つだけ言っていいですか」
「何だ」
「このお店に来てくれたことは、よかったと思います」
ルネ様が少し、目を揺らした。
「なぜ」
「帰ってこようと思ってくれたから。どこかに、帰れる場所を探してくれたから」
ルネ様はしばらく黙っていた。
「……また来てもいいか」
「もちろんです。いつでも」
ルネ様が立ち上がった。
出口に向かいながら、振り返った。
「……おかえりなさいませ、か。変なお店だな」
「ありがとうございます」
「……悪くない」
扉が閉まった。
カウンターからアゼルが出てきた。
「……来たんだな」
「うん」
「よかった」
「うん、よかった」
今夜のオスティウムに、また新しいお客様が来てくれた。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
ルネ様が来てくれました!
「また来てもいいか」という言葉、嬉しかったです。
「悪くない」は、この物語の中で最高の褒め言葉ですね(笑)
次回も温かい話が続きます!
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