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第三十四話 他国にも、メイド喫茶が広まり始めました。

レオンさんが、また来た。


今回は仲間を三人連れてきた。


「約束通り連れてきた」


「ありがとうございます。お待ちしておりました」


四人を案内しながら、あたしは嬉しくなった。


他国の方が、仲間を連れてきてくれた。


これが続けば、オスティウムの名前はどんどん広まっていく。


レオンさんの仲間たちは、みんな初めてメイド喫茶に来た人たちだった。


「おかえりなさいませ、ご主人様」という言葉に、全員驚いた顔をした。


「……おかえりなさいませ?」


「はい。お帰りになった方をお迎えする言葉です。ここは、みなさんが帰ってこられる場所ですので」


一人の女性が、少し目を細めた。


「……面白い考え方ね」


「ありがとうございます」


「あなたの国の言葉?」


「前の世界から持ってきました」


「前の世界?」


「あたし、この世界の人間じゃないんです」


女性が驚いた顔をした。


「……猫耳と尻尾、本物なの?」


「本物です」


「触っていい?」


「どうぞ」


女性がそっと猫耳を触った。


「……ふわふわ」


「もふもふしてるでしょ」


「かわいい」


「ありがとうございます」


女性が笑った。


温かい笑顔だった。


「このお店、好きになりそう」


「ありがとうございます。ゆっくりしていってください」


魔炎のバイソンステーキを四食注文してもらった。


アゼルが目の前で仕上げるたびに、四人が歓声を上げた。


食べ終わった後、レオンさんが言った。


「俺の国にも、こういうお店があればいいな」


「いつか、できるかもしれません」


「どういう意味だ?」


あたしは少し考えてから、言った。


「このお店のやり方を、広めたいと思っています。いつか」


「広める?」


「メイド喫茶という文化を。誰でも帰ってこられる場所を、もっと増やしたい」


レオンさんが静かに笑った。


「……大きな夢だな」


「そうかもしれません。でも、まずはここから」


「このお店から、か」


「はい」


閉店後、アゼルに話した。


「アゼル、いつかこのお店のやり方を広めたい」


「……広めるとは?」


「メイド喫茶を、他の街にも。他の国にも」


アゼルがしばらく考えてから、言った。


「……それは、マミにしかできないことだな」


「アゼルと一緒にできることだよ」


「俺は料理しかできない」


「料理があれば十分。あとはあたしが考える」


アゼルが静かに笑った。


「……いつかな」


「うん、いつか。まずはここを守ってから」


「ああ」


「ずっと、一緒に」


「ずっと」


夢が、少し大きくなった夜だった。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

他国にもメイド喫茶を広めたい、というマミの夢。

アゼルとの「いつか」という言葉が温かかったですね。

次回、第3章の締めくくりへ。そして第4章の予感が近づいてきます。

面白いと思っていただけたら、ぜひ★評価とブックマークをよろしくお願いします!

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