八日。
みんなと別れる時は、寂しい気持ちがする。
やっと一人になれるって気持ちも、する。
「ばいばい。」
「また明日ねー。」
ほかのみんなもこうして、人と別れると寂しさを感じるのだろうか。安堵をするのだろうか。
「ふぅ。」
少しだけ溜まっていた疲れをため息と共に流す。もう遅い時間だし、帰った方がいいだろう。
「帰ろっか。」
今日も帰りが一緒になったあの子と肩を並べて、こんこん。靴を鳴らした。
地面にノックするように、こんこん。
私達の音は混ざり会うことなく、ぎくしゃくしながら、体が前のめりになってしまうようなリズムを刻む。慌ただしい音。
それがなんだか楽しくて。
「ねぇ、走ってみる?早い方が…アイス奢るの。」
一つ、提案してみた。
早い方が奢る事に疑問を持ったようだけど、取り敢えず受けいられ、途端に走り出す。
「次の曲がり角まで!私にアイス食べさせたいなら、いっぱい走るんだよー!」
てくてくてく。
なんだか、子供みたいだな。幼稚園くらいの時に、何気なく友達と走ってた記憶が蘇る。
懐かしい。
「え、はやくない?!」
記憶に浸っていたらいつの間にか追い抜かれそうになってて、もっと足に力を込める。
負けてたまるか。ずるしたのに負けたら、かっこ悪いから。
「ぬぅぅぅっ。」
でも、追い抜かれた。それからすぐに曲がり角に着いてて、負けた。
ずるして負けた。
「むぅ。なんで勝ったの?せっかく私が勝ちたくてずるまでしたのに。」
滑稽、とは思わなかった。
楽しかった。
「もういいっ。いっぱい食べるから私。お財布、半分にしてあげる。」
こうしたあほみたいな遊びが一番好きなのかも知れない。人は単純なんだから。
私も単純だし。
「どこ行くー?私パフェ食べたいなー。ちょうどさ、あっちに季節限定って売ってるのあるよー?私、あれ食べたいなぁ。」
ほんのり息が上がった状態で、抱き着いて、ちょっとだけ甘ったるい声で、おねだりする。
こんなことしなくても多分聞いてくれるはずだけど、ご褒美だ。
私より早かったご褒美。
勝ったのにお金取られると不公平だから、それなりのご褒美なのだ。
「えー、だめなのー?絶対美味しいよ?季節限定、高いけど、今じゃなきゃ味わえないやつ。絶対、美味しいに決まってるよ?」
擦り寄って、擦り付けて。
「勝っちゃったんでしょ?君が。」
ぎゅーっと抱えて、ぱっと離れる。
「だからぁ、おごって?私に美味しいもの食べさせてよ。そういうルールでしょー?」




