七日。
時間が流れるのは早いようで、遅いようで、人それぞれなのは確かだった。
「もう七日目かなぁ。」
告白されて、もう七日。まだ七日。
心的にはまだ七日かぁって感じで、体的にはもう七日?!って感じがする。
ここ一週間はとても、あっという間だったのだ。
「もう付き合ってる?仲良さそうだけど。デートも何回かしたんでしょー?」
「まだ付き合ってない。デートはしたけど。」
「もー、そんなに焦らしていいの?陽鞠のこと、嫌いになったらどうするの。」
「たった七日で変わる心なら最初からいらない。」
「あらぁー、ロマンティック。」
途方もなく生きるお陰で、こんなにあっという間なのかも知れない。
緊張してないから、気づいたらぱっと流れちゃう。
「陽鞠。」
急に真剣になった声色に突然、体に力が入る。
「…なに?」
よくわからないけど、私はこの人に弱い。
なるべく平然を装って語ってみても、あまりの不自然さにちょっと呆れてしまう。
なんで?って。
「陽鞠は付き合う気あるの?その健気な子と。」
「ない。」
「即答じゃない?かわいそーに。」
年上はやっぱり難しいのかも知れない。
ひょっとしたら、怖いのかも。
「他に気になってる人とかいるの?あんたの事が好きって言う人がいるのに付き合わない理由があるなら、それくらいでしょう。あ、もしかしてもう付き合ってる人がいるとか?」
「ない。」
「じゃあなんでー?届きそうで届かない愛が世界一辛い経験だよ。」
「わかってるの。」
「分かってるんだったら――」
いつもこうだった。何か特別な事が出来たら、この人はいつもあれこれ指図をしてきて、自分は何もかも知ってる風に語るのが癪だった。
それに口答え出来ない自分も、ちょっと哀れだなって思ってしまう。
こういう時に逃げ出す方法とかあったらなぁ。
「あ。」
不意に、見知った人が見えた。
七日前からずっと見ていた人の姿。
「ばいばい。」
「――なぁ?え?ばいばい?」
呆然としている姿を後ろに、たったったっ走ってあの子のところに駆け寄る。
「えいっ。」
そのままちょっとだけ勢いを保って、こてんとぶつかってみる。
がっくんっと揺れる体と、慌てたような声が響いて、強すぎたのかなって少し反省する。
「こんばんは。さっきぶり。」
困惑したような顔が浮かんだ。同時に、ちょっとだけ嬉しそうにも見える。
好きというのはこういうことなのだろうか。急にタックルされても少しは嬉しくなれること。
「帰り道なの?」
なんて難しいことなのだろう。
「じゃあ、寄り道しない?私と、君で。」




