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三十八日。

「最近さぁ、妄想が激しくなっちゃったんだよねー。」

 いつも通り、二人で歩く。

「急に車が襲ってきたらどうしよーとか。思っちゃうようになったってわけ。」

 まだ友達になって間もない関係なのに、もう二人が当たり前の関係になってしまう。

「なによ。誰だってやるじゃん、こういう想像くらい。君はやらないの?急に踏み違えて階段からころころ落ちてしまったらどうしようとか。」

 もう半年くらいは一緒にいたような感じ。綾と同じくらい親しみがある。

「心配症じゃないし。普通なの。激しくなったって言ったのが何秒前だけど、普通。」

 他愛のない話しで気まずくならない関係。

「むしろ君が変なの。心配しなさすぎなんだよ。急に私が倒れたらどうしようとか、思わないの?急に走り出して転けたらとかさぁ。」

 些細な言い合いも楽しく感じられる程度。

「転けるよ私だって。」

 ようやく、友達になったな。

「まだ転けたことないけど。」

 って思った。

「あ、ねねー。前にコロッケの話したの覚えてる?ほら、冷めたコロッケを水と一緒に飲めば極楽とか。」

 そう思ったせいなのか、私も最近は色々と話すのが楽になっていた。

「やってみるぅ?冷めたやつじゃないし、水も持ってないけど……あつあつのコロッケをスポドリと一緒に飲み込むのも美味しいんじゃないかなぁ。」

 触れ合いも気安く出来るようになってて。

「一口パクッとしたらお肉の香りがじーんわり口の中に広がってて、汁も出てて、あつあつの汁に火傷しそうになってはぁはぁとしちゃうところにぬるくなったスポドリ!よくない?」

 赴くままに相手を引っ張って、肉屋に歩いていた。

 嫌がる気配はなし。むしろ、喜ぶ感じがして、一緒にコロッケを食べる気になってうきうき。

「わぁぁ…」

 揚げたてのコロッケの匂いと、かりっとした触り心地に、黄色く美味しそうな見た目。

 そんなコロッケを、おててくらいの大きさのやつで、衝動的に五つ買ってしまう。

「………ちょっと多いか?」

 全部食べたらご飯が食べれないのかも知れない。いや、食べられない。

 でも、食べないのも無理だった。

「…食べてみようよ。美味しそうだし、持って帰ったら怒られそうだし……」

 二人で十個。流石に買いすぎではある。

「ん〜っ!美味しっ。」

 でも、美味しかった。

 ほのかに肉の香りがして、人によっては嫌うかも知れないけれど、私は好き。

「コンビニチキンも食べたいなーぁ…」

 流石に食い過ぎなのだろう。

 コロッケも食べ切れるかわからないけど。

「いやいや。いーの、買わなくて。コロッケあるし。」

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