二十八日。
デート、はなんだ。恋人同士外でわいわいと楽しむのがデートなのだろうか。
たまには友達の間でもデートって名付けて、一人では行けそうにないところを巡るとかも、デートって呼ぶのを見た記憶がある。
「待ってた?」
私服姿で、化粧もして、いつもの私とはかなり違う私で、待ち合わせ場所につく。約束時間にぴったり合わせてきたんだから当然相手もいた。
「今日はセーフかな。覚えてる?最初の時二人とも遅刻してたんだよね。」
初めて呼び出された時、お互い約束時間を破って遅くに着いたことを思い出す。
「懐かしー。また遅刻してみる?」
でもそれは、かなりトラウマに近いようで、遅刻したことを口にすると顔がかなり悪くなる。罪悪感に塗れた顔に。
「私、待つのも好きだよ。待たせるのも好きだけど。だからどっちもいーの。」
落ち込むのを慰めながら、ぎゅっと腕を絡む。
「なに食べるぅ?私、味が濃いもの食べたい。」
夕飯頃だからかなりお腹が空いていた。だから出会って早々腕を引っ張って歩き出す。
「んー、すき焼き食べるー?あ、でもなんか違う。もっと濃いめで……ラーメンみたいな?でもラーメン食べたくないな。お米食べたいし。」
歩幅を合わせて、肩を並べて、とんとん。ちょっとだけ激しめに足を踏み出す。
「ねー、なんかない?カレーもやだっ。」
いつもより少しだけ早い足取りに頑張って着いてくるところが、健気なのだろう。
「はぁー?お好み焼きはお米じゃないでしょ。米入ってもやだもん。もうちょっと健康なの食べようよ。」
同じ時に、同じ足音が、互いから響く。
「考えてよー。私が好きそうなやつ。」
心地よいリズムを刻む足取りに、なんだか気持ちが高ぶってしまう。
「むむ……」
だからなのか、食べたいものがあまり頭から思い浮かばなくて、色々と聞かされても、ぴんとくるやつも特にはなくて。
ただただ、二人して夜街を歩くだけだった。
「あ、ねね、ピザ食べる?」
そこでふと、見えたのがピザで。
「米なくてもいいの。急に食べたくなったんだもん。とろとろのピザ食べようよ。」
無理矢理、腕を引っ張ってお店の方へ歩いた。
「エビ食べたいなぁ。じゃがいもも好きー。ねね、ベーコンとか美味しそうじゃない?」
お店の前で広がる美味しそうな匂いに、ついお腹がぐーってなりそうになった。
「たまご!目玉焼きみたいなのも乗るの?ピザにそんなことしても許されるの?!」
ついつい、腕を離して走りそうになる。
「ぁっ。」
一人で走りそうになった私を止めるように、手をぎゅっと握る感覚が伝わった。




