二十五日。
「同性愛っていいよね。」
「ぁん?」
私と綾と美羽とかなの四人で、カフェで紅茶を飲ん出る時だった。
「男の子同士で付き合うのってどう思う?かっこいい人がかっこいい人にお姫様みたいによちよちしてくれるのって、なんかよくない?」
美羽がぽつりと出した言葉がとても衝撃的だったのか、それともみんな無視してるのか。
誰も答えてくれない。
「ねね陽鞠。最近どう?恋は進んでる?」
「無視された!」
「いいちょうしー。」
「あらぁ、気になる。どこまでやったの?」
「え、陽鞠恋人出来た?」
「恋人ではないよ。」
わちゃわちゃ、騒がしい四人組だな。カフェが一気に騒がしくなるのを見て改めて思った。
迷惑だろうこれ。
「しーっ。」
「なになに?」
「来たの?」
「うるさかったから、ちょっと静めた。」
「そんなにうるさかったぁ?普通じゃない?」
「普通じゃないよ私達。」
周りからの視線がほんのり感じられる。
「陽鞠がいるからねぇ。こんな可愛い子、普通じゃないに決まってるっしょ。」
「まぁ可愛いもんね。アイドルだし。」
「数え切れないほどの男の子達の初恋相手なんだもんね。最近仲良しの子もそうでしょう?」
「なんで私アイドルになったの?」
「顔はそこそこだけど、振る舞いが可愛いんだよねー。考え方とか健気だし。」
みんなはいつものように、揃ってべた褒めして来た。褒められたのが気持ちよくなって、ちょっとへらへらしてしまう。
「あー、その顔ー。」
「赤ちゃんみたいなんだよね。」
なんでこうなった?
「可愛いから人気者なんだろう。みんなも可愛いから好きなんでしょ?」
「綾と同じ扱いはしないで。わたしは陽鞠の小悪魔なところが好きなんだよ!」
「こんな顔で小悪魔なのが可愛いんだって。」
「ぼけーっとしてるのに、いつも相手をメロつかせる言葉使うからさぁ。」
だんだん居心地が悪くなる。褒めるのを超えて、崇められる感じになって、期待に応えなきゃいけない気持ちになってしまう。
「そろそろ付き合っちゃおうかな。」
「は?」
だから、私を崇める空気を壊した。
「一緒にいても嫌じゃないし、相手は全力でこっちを愛してくれるし。」
場が静まる。
「私もそろそろ、向こうが好きになったんじゃないかなって思ったり。」
「そんな意気込みじゃだめ!陽鞠はもっと傲慢に『隣で私を愛せる事を許す』とか言わなきゃ。」
「流石にそれは違うかも……」
「でも言いたいのはわかるかも。陽鞠はもっと付き合ってあげなくもないみたいなツンデレが似合うんだよね。たまに顔赤らめてさ、袖ぎゅっとしたり。」
「あ〜、萌えるぅ。」
わいわいと騒がしい友達だった。
全然静まる気配がない。




