二日。
「こんにちはー。20時間と…3時間ぶり。」
友達からと言ったけど、一日中、接点はなく。
元々あまり親しくない相手と急に仲良くなるわけもないので、今日も呼び出されたのだ。
今日は二人とも遅刻はせず、校舎の裏でぴたりと合う。いや、私が遅刻したのかも。
「友達になったから、なにするー?名前でも教え合う?君、私の名前知ってるかな。」
今日も相変わらず天気はよくて、でも昨日より日は涼しくなっていた。
「ま、立ち話もあれだし、まずは座ろー。ほら、座って?ここの土、柔らかいよー。」
土は相変わらず暖かく、乾いていて、中は湿っていて、柔らかい。
スカートに土がついちゃうかも知れないけど、まぁいいか。洗濯すればいいし。
「まずはー……私から。私、神崎陽鞠って言うの。陽だまりの陽に手鞠花の鞠。」
少しだけ遠い距離を、ちょっと縮めて、話す。
「陽をその手で織り成せとか、そんな思いを込めたんだって。どういう理由なのかはわからないけど、好きだよ。私の名前。」
近づくとちょっとびくっとするのが、少し楽しい。
「個人的にはおばあちゃんの名前が好きなんだよね私。鞠絵なんだって。絵に書いたように育ってあげるって。子供に自分たちの願いを込めた名前をつけるのって、ロマンチックじゃない?名前呼ぶ度に思い出せるし。」
退屈そうでは無いみたいだった。
「君はどうなのー?自分の名前の由来、知ってる?」
話に耳を傾いてくれるのが感じられて、いい。
「ほぇー。いいなぁ。私も、もっと真面目な名前がよかったなー。今も好きだけど、もっとしっくりくる名前がよかった。」
ふんわりと香る嗅ぎなれた香水の香りも、ふと髪を撫でる秋の風も。
「名前って不思議なんだよね。人って、意外と名前通りに生きていくんだ。私もそうだし、君だってきっとそのはず。太陽を降り成せているかどうかはわからないけど。」
そっと、降りかかる言葉も。
優しさと愛しさが混ざった声は、心地よかった。
「むふふ。ほぼ初めましてなのに、私達意外と似合うかも?まだ君の事はあまり知らないけど、君の雰囲気、好き。」
好きって言葉に、わかりやすいほどびくっとするのがとても、面白かった。
「あはは、好きー。」
わかりやすい人は嫌いではない。




