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十七日。

「ぁー……」

 夜のちょっと遅い時間、9時頃の宵。空は闇雲に覆われて真っ黒い。

「そろそろ帰るー?」

 だんだん眠気が襲ってくる時間だ。寝る時間まではまだかなり残っているのに、外にいるからやけに眠気が強いなのかも知れない。

「もうこんな時間なのー。眠いんだから私。」

 どうしてこんな時間まで外でうろうろするようになったのだろう。

「もうちょっとだけいようよ。二人で出かけることあんまないからさぁ。」

 お父さん達が遅くなって、二人で外食しよ!ってなったはずなのに、気づけばご飯も食べてカフェも行ってカラオケも行ってゲーセンも行って。

 忙しなく、遊んでしまった。

「疲れたしー。」

「わかったわかった。映画だけ見て帰ろ?」

「映画見たらもう夜中じゃん。嫌だけど。」

「ぅむむ…短いのでいいから。」

「やーぁだー。」

 お姉ちゃんはいつも私と遊びたがってた。今日も、すごくまだ遊ぼうよ!って、疲れるくらい付きまとっている。

 年上なのに昔とあまり変わってないのだ。

「今日はおしまい。」

「えぇー…」

 私がそんなに好きなのだろうか。ひょっとしたら、あの子より私と一緒にいたがるのかも知れない。

「じゃあじゃあ、最後に写真撮ろー?家に飾ろうよー、二人で撮った写真。」

「えー……」

 これではどっちが妹なのか。

「ねぇ、ちょっとでいいから。五秒くらいでいいからぁー。撮ろうよ。思い出残そうよー。」

 ずるずる引っ張られる。お姉ちゃんはまだ私を離すつもりはなかった。

 嫌でも、付き合うしかない。

「写真だけだよー…?」

「やったぁ!」

 がっつりお姉ちゃんに腕組みをされて、引っ張られる。こんな夜にまで外にいるのは嫌だけど、こうしてお姉ちゃんといるのはそこそこ悪くはない。

「猫耳とか付けてよー。陽鞠ならきっと似合うんだから、お母さんも喜ぶはずよ?」

 悪くなくても、帰りたい気持ちは多くて。

「やだ。」

 少しだけ、素っ気ない態度をとってしまう。

「んー…猫耳より犬がいいかな?うさぎとかもあるなぁ……角もあるし。」

 それでもお構い無しなお姉ちゃんはにこにこと私にいろんなものを付けたり外したりと忙しない。

「やっぱり陽鞠はそのままがいちばん!もとが可愛いから手はそれを活かすのがいい。」

「へー。」

 愛が激しいとはこういうことだろう。

 嬉しいけど、息苦しい。冷たく突き放したら離れてくれるあの子の方がもっといい。

 息苦しいんだ、こういう愛は。

「んふふ。いい写真。部屋に飾っとく?」

「いらない。」

「お姉ちゃんの部屋に全部集めてるから、別に陽鞠の部屋にはいらないか。見たくなったらお姉ちゃんの部屋来たらいいし。」

「そうねぇ。」

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