十三日。
体の不調は不機嫌さに関わるのだろう。
昨日から機嫌が悪くて、今朝起きたらちょっと熱があった。まぁまぁ我慢できる程度の熱。
ほんのり体が熱くなるくらいの不調。
それだけで、機嫌は悪くなる。
近づいてくる人が嫌いで、吹いてくる風が鬱陶しくて、擦れ合う木の葉の音が耳障り。
暖かい日差しは無駄なお節介だと思えるくらい。
ただただ人生が不幸に感じられる一日だった。
無理して学校は来たものの、とても勉強とか出来る調子ではない。今やってもいらいらするだけだ。
「はぅぅ…」
何もかもやりたくない日は、何もかもすっぽかして、涼しいところで眠ったりしちゃえばいいって言ってたおばあちゃんを思い出す。
これまでの人生、そうやって体が悪い時はなりふり構わず一番好きなところで眠ってた。
「……暑ぃ…」
だから、寝ようとしたものの、体が火照っていて、空気はやたらと暖かいせいで、上手く眠れない。暑くてあっちに転んだりこっちに転んだりと忙しなく動いてしまう。
保健室とかの方がよかったのかもしれない。でも、今更保健室で痛いですとか言う体力は残っていなくて。我慢することにした。
我慢して、床に身を沈める。
空き教室の床に毛布をかけて、その上に寝転んで。
学校では中々味わえない経験だから少しだけ興奮したりした。一度はこういう経験、よくないかって思う気持ちがあって、保健室を行かなかった。
我ながら馬鹿みたいな考え方ではある。
でも、ロマンあるな。
みんなは授業中なのに教室で毛布かけて寝そべって、昼寝しようとするなんて。
世の中のどんな問題児もこんな事はしないだろう。
おそらく、私が世界初めて?
世の中は広いから1人くらいはあるかも知れない。じゃあ、今年最初。
「むぅ……」
なんだか、眠れそうな気分がした。
「ぉん…?えぇー……?なんで来たの?」
が、その時ガタッと教室が開かれて、よく見知った顔が現れた。ちょっと荒い息を立てながら、顔はほんのり赤くなってて、多分、走ってたであろう。
「入るなら入って、出るなら出てよ。見られたら危ないしこれ。」
私に急かされてなんとなく中に入ってきた。
「心配して来た?でも、その割にはなにもないじゃん。心配ならお土産一つくらい持って来たらよかったのに。冷たいのとか。」
昨日ちょっと八つ当たりした事が思い浮かんで、ちょっと申し訳ない。
だからもっと強気に出た。弱ってる時は謝っちゃいけないって、おばあちゃんが言ってたし。
「…行くなら最初から行ってきなさい。今更もう遅いから。」
絶好調の時の謝りが、一番間違いを認めたように感じられるから、弱い時はつんつんした方がいいって。弱った時の言葉はその場に流れてぽろって出てくるので、反省ではないって。
ちょっと厳しい考え方なのかも知れない。
「寝る人は見物じゃない。わかったなら一緒に寝るか、帰っていい子になるか一つにしなさい。」




