十二日。
なんでこんなに疲れる日があるのだろう。
別に運動をしたり、テストを見たり、喧嘩をしたり、そんな特別なイベントがあったわけでもないのに、こんなにも疲れて倒れたくなる日が来るのはなぜだ。
別にそんな日でもないのに。
「ぁん?あ、こんにちは…」
今日は誰を見てもあんまり、嬉しくはない。楽しくもない。
いつも親しくしてた人でも今日はなんがた見たくなくて、嫌ってた人なら尚更。
普段から、隣でちょこちょこ歩いていた人もまた、あまり見たくはなかった。
誰とも関わりたくない日なのだ。
「元気そうだね…私、今日は調子悪いから。先に帰るね。今日は遊ばない。」
きっぱりとお別れを告げると途端に悲しそうな顔になる。とてもわかりやすい子だな。
「ばいばい。」
その顔を見るといい気分にはなれなくて、素っ気なく横を通り抜ける。
でも、少しでも一緒にいたいみたいで。
「…帰り道、一緒じゃないでしょ?」
わざわざ家まで送ってくれると言い出した。優しいのか、しつこいのか。
ぶっちゃけ迷惑ではあった。一人にないたい時もいるのに、そんなのもわかってないのかって。
ここで嫌だって言ったら、ついてこないのかも知れない。言う事は聞く子なんだから。
「ふーん……いいよ。一緒に歩こっか。」
でも、まぁ。
断れると悲しいだろう。好きな人に拒まれることは、とても悲しいことのはずだ。
私も友達についてくるなって言われるときっと傷つくだろうし。
「私、今日はわがままなんだから。」
それはそれで、これはこれで。
誰かと一緒にいたくはない。その気持ちは変わらないままだった。
「歩幅は君が合わせて。一緒に歩きたいなら。」
歩き出した私はいつもより速めで、ちょっと足が疲れるんじゃないかなって思うほどだった。
てくてくてく。なんだか、赤ちゃんが無理矢理足を速めたような歩き方で進む。そっと横を見ると同じようにてくてくと歩く姿が見えた。
不思議な景色だな。いい歳の高校生二人がてくてく、足早に歩く姿。
可愛げもあって、ちょっと怪しげで、周りの人達は興味が湧くんじゃないか。
あの二人はなんだろう、塾に遅刻でもしたのか、それとも誰かに追われてるのか、喧嘩でもして険悪な雰囲気になったのかなどなど。想像を膨らむことの出来る雰囲気が、今の二人に広がっていた。
「もういい。歩くの疲れたし、バス乗る。」
それをたちきって、振り向いた。ちょっと息が上がったのか、呼吸がほんのり荒くなったように見える。
「えー…まだ来るの?ぶっちゃけ迷惑だけど…」
まだ別れたくないって決意が込められた瞳が、私の呆れた顔を写す。
「私が好きなら、少しは我慢してよ。私はまだ、いつでも君と一緒にいたいとか思ってないから。もうちょっと空気を読んだら?」
その瞳を強く睨みつけて、振り返った。




