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『十二星天の裏支配者 〜追放された雑用係、実は星座を喰らう最後の蛇でした〜』  作者: パーカー
第三章『女王を喰らえ』

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第19話 『太陽の領域』

蠍王国を後にし、四つ目を得たアルク。

次の標的は――獅子。

そこは“中立”も“取引”も通じない国。

圧倒的武力が支配する、太陽の領域。

森を抜けた瞬間、空気が変わった。

熱い。

まだ王都は遠いはずなのに、地面がわずかに温かい。

リゼが目を細める。

「……境界を越えたわ」

見上げると、空に巨大な光輪が浮かんでいる。

太陽を模した結界。

獅子王国。

武によって均衡を保つ国。

「ここは交渉が通じない」

リゼの声は低い。

「強い者が正義」

分かりやすい。

嫌いじゃない。

胸の四つが脈打つ。

蛇・牡羊・蠍・王毒。

今の俺の出力は第一章の比ではない。

だが。

空から、圧が降りてきた。

息が止まる。

反射的に膝が折れかける。

「……は?」

見えないのに、存在感だけで押し潰される。

熱。

いや、“光”。

遠くの丘の上。

一人の影が立っている。

逆光で輪郭しか見えない。

だが分かる。

強い。

格が違う。

リゼが呟く。

「嘘……」

影が一歩踏み出す。

その瞬間。

空の光輪が、さらに強く輝いた。

「来い」

声が届く。

距離はかなりあるはずなのに、耳元で囁かれたように近い。

低く、澄んだ女性の声。

「十三番目」

胸の蛇が反応する。

あれが――。

「獅子女王……」

リゼが言う。

名はまだ聞いていない。

だが直感が告げる。

王級の中でも、最上位。

俺は前に出る。

圧に逆らいながら。

一歩。

重い。

二歩。

炎で足場を作る。

光が押し返してくる。

「ここは太陽の領域だ」

丘の上の影が言う。

「弱者は焼ける」

挑発ではない。

事実の宣告。

俺は笑う。

「なら耐える」

光が強まる。

皮膚が焼ける感覚。

四つの星が暴れる。

蠍は毒で守ろうとする。

牡羊は炎で対抗する。

だが光は別格。

「四つか」

女王の声がわずかに揺れる。

「早いな」

丘の上から、彼女が跳んだ。

落ちる。

いや、降りる。

太陽の光を纏ったまま。

地面に着地した瞬間、衝撃波が走る。

視界が白く染まる。

光が収まったとき。

目の前に立っていた。

長い金の髪。

燃えるような瞳。

胸に輝く獅子座の紋章。

圧倒的。

カルディアとは違う。

蠍は侵す。

だが獅子は、蹂躙する。

「我が名はレオーネ」

静かな声。

だが一言一言が重い。

「獅子王国女王」

俺をまっすぐに見る。

「貴様が、十三番目か」

明確な殺意。

だがそこに、恐怖はない。

純粋な強者の視線。

蛇が歓喜する。

完璧。

奪取条件は整っている。

だが。

直感する。

今、触れれば死ぬ。

力の差が、まだある。

レオーネが一歩近づく。

それだけで空気が焦げる。

「蠍の核を持つな」

目が鋭い。

「カルディアは甘い」

「余は甘くない」

拳が、ゆっくりと上がる。

太陽が凝縮される。

「試してやろう」

逃げ場はない。

リゼが叫ぶ。

「アルク、下がって!」

下がれない。

ここで退けば、五つ目は遠のく。

俺は炎を纏う。

蠍の毒を巡らせる。

王毒の核を解放。

四つを重ねる。

光と炎が衝突する。

拳が、振り下ろされる。

次の瞬間。

世界が、白に染まった。

轟音。

地面が抉れる。

俺は吹き飛ばされる。

森を何本もなぎ倒し、ようやく止まる。

肺の空気が全部抜ける。

動けない。

「……重い」

上空に、レオーネが立っている。

地面を踏んでいない。

光の足場。

「四つで余に届くと思ったか」

悔しい。

だが事実。

格が違う。

カルディアに届いたのは、毒の相性。

だが獅子は正面から圧殺する。

俺は立ち上がる。

血が流れる。

だが笑う。

「五つ目は、簡単じゃないな」

レオーネが目を細める。

「ほう」

興味。

ほんのわずかに。

「それでも来るか」

答えは決まっている。

「来る」

蛇が強く脈打つ。

空のどこかで、亀裂がわずかに震えた。

レオーネが告げる。

「ならば日没までだ」

太陽が傾き始める。

「日が沈む前に、余に届いてみせよ」

「できなければ――」

光が強まる。

「焼く」

短い宣告。

制限時間付き。

五つ目への挑戦。

獅子女王編、開幕。

第19話でした。

・獅子女王レオーネ登場

・王級でもさらに格上の存在

・圧倒的物理出力型

・日没までの時間制限バトル開始

ここからは“真正面の殴り合い”。

心理戦ではなく、純粋な強さ勝負。

五つ目、取れるか。

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