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Guardian・Spirit 〜ガーディアン・スピリット〜サード!!!  作者: きつねうどん
File.5 隠れた敵
32/34

No.32 チャンピオンリーグ・3位決定戦

「よし!準備OK!行くよ、八咫烏さん!」


『お前、3位決定戦の癖に気合入ってるな。連覇ももう出来ねぇんだぞ?』


「それは...そうだけど。私はこの大会で1位でも2位でもなく、3位にならないといけないの」


その言葉に八咫烏さんは首を傾げているが、この試合の重要性は始まったから気づく事になるだろう。


試合場に入場した時には既に対戦相手であるラトゥーシュカさんがいた。

お互い接近戦が得意な短剣と剣での対決。

《奥義》にもよるが勝敗は五分五分だろう。

決して油断出来る相手ではない。


そもそも、彼の正体からして本気を出してない可能性もある。

この学園にいる以上、BIG7として未熟な可能性、以前ダイズさんが言っていた様に“個人か団体”かもわからない。


ヴァニラさんとラトゥーシュカさんは“オプリチニキ”という組織の一員に過ぎないのだろう。

彼らが卒業した後、その組織はどうなる?


今の世界情勢からして国同士の対立が深まっている。

その対立する為の人間兵器として使われるのではないか?

なら、私がこれからしなければいけない事はただ一つ。


「“全てを無かった事にする事”」


「おい、何か言ったか?」


彼が首を傾げるのを見ながら話を始める。


「ラトゥーシュカさん、もう戦うのは辞めましょう。貴方にとって、これが最後の試合です。私もこれ以上の戦いを望みません。どうか、受け入れてはくれませんか?私の我が儘を」


「?...それは無理な話だな。人は武器と欲望を持つ以上戦いを辞めない。平和が訪れるのは世界が一国となるか地球が滅亡する時だけだな」


そう乾いた笑いをする彼に“あぁ、この人は自ら戦いを望んでいる訳ではないんだな”と彼の本心を知る事が出来た。

しかしそれが一番危険なのだ、理由のない行動は後悔に繋がる。


酷く残念だった。

ラトゥーシュカさんは自分の為ではない。

国の為に戦おうとしているのだ。

そこに自分の考えは反映されない。させようともしない。


悟りにも似た諦め。それが私の印象だった。


審判「それでは始め!!」


    試合時間 3:00

 ラトゥーシュカ 0−0 カンナ


開幕、鉄同士がギリギリと音を立てる。接近戦だ。

脊髄反射で刀身を発射され手元を狙われるが軌道を剣で逸らしていく。

隙を狙い、そのまま剣を相手の胴体に押し込めば先制点は頂きだ。


   試合時間 2:55

 ラトゥーシュカ 0ー3 カンナ


無駄な動きは許さない。

3分間接近戦を交わすのだ、大袈裟な動きをすれば体力と集中力がもたない。


「(でも、これはきついな。ラトゥーシュカさんがノンストップで刀身を投げてくる。攻撃を全部逸らすのは無理だ)」


それならば、こう戦うしかない。

ノーガード戦法、短剣で全体攻撃は不可能だ。

奥義が分からない以上危険な賭けになるが、やってみる価値はある。

最終的に点数が多い方が勝つのだ、相手に何点取られていようがそれ以上に自分が点を取れば問題はない。


刀身、(つか)と言った剣全体を使い攻撃を畳み掛ける。

その上で体術を使い拘束すればまとめて点を稼げる。

準決勝は遠距離戦で惨敗したが、接近戦は私の十八番だ。


ラトゥーシュカさんも私の無茶な戦い方に気づいたのか、地面にうつ伏せにされているにもかかわらず、拘束されていない片手を使い武器を飛ばして来る。


    試合時間 2:00

  ラトゥーシュカ 11ー11 カンナ


「(やっぱり点差を開かせてくれないか。ならここでアレを使うしかない)」


「《奥義・烏合の衆》八咫烏さん達、足留めをお願いね」


自分が奥義を出したと言う事は相手も奥義を出してくる確率が高いと言う事だ。

それを警戒し、出来るだけ彼から離れようとする。


彼が自分の視野から離れた時、事件が起きた。


「《奥義・無音奇襲》」


「来た!...あれ?」


辺りを見渡すものの彼の姿が見えない。

しかし、得点版を見ればラトゥーシュカさんの方に得点が入っている。

この一瞬の攻撃で背筋が凍った。


  試合時間 1:30

 ラトゥーシュカ 14ー11 カンナ


彼に勝てるよう試合映像を見て、色々対策を整えてきたはずだったが肝心の奥義の正体が分からなかった。

しかし、これで合点がいった。


「分からないじゃない。見えないだ。これは不味い」


仲間達を集め、防御体制をとる。

見えなくとも必ず攻撃した痕跡や移動した足跡は残るはずだ。


彼の姿が現状見えないのでそれを頼りにするしかない。

手に弾丸を握り、高速移動する彼の跡を追う。

無数の弾丸をなげつけるとその一つが人型を映し出す。


「見えた!八咫烏さん、あそこに攻撃して!」


『俺様に任せろ!行くぞお前ら!』


ラトゥーシュカさんを覆う様に辺りが暗闇を包んでいく。

厄介な奥義だったがこの試合で攻略出来た事は明るい未来に繋がるだろう。


   試合時間 00:00

 ラトゥーシュカ 18ー23 カンナ


「完敗だ。伊達に守護者の名を名乗ってはないな」


「いいえ、戦いはこれからですよ。ラトゥーシュカさん、貴方だったらその奥義を使って何人も殺せますよね?ヴァニラさんと協力すれば足留め+見えない奇襲を仕掛ける事が出来る。貴方達は二人で一人そうでしょう?」


「シャンランが加われば3人だな。それだけ分かってたらもういいだろう。期待しているぞ、カンナ」


そう言い残してラトゥーシュカさんは試合場を後にした。




No.32を読んでいただきありがとうございました。

次はNo.33「チャンピオンリーグ・決勝戦」をお送りします。

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