No.31 チャンピオンリーグ・準決勝
試合時間 00:00
シュン 22ー14 カンナ
「ま、負けた...」
「カンナさん、良い勝負だった。ありがとう。前回のリベンジが出来たな」
嫌味のない笑顔で言われてしまうと何も言えなくなる。
事は丁度3分前に遡る。
〜実況〜
「それでは注目の準決勝となりました♪ここまで勝ち上がっているのは4人、シュンお兄さん、ラトゥーシュカお兄さん、カンナお姉さん、タマミお姉さんです」
「守護者や番人が着実に勝ち上がっているわね。ここまで来ると、問題なのは対戦の組み合わせよね。この4人は全員隙がないし、強力な武器と守護霊を持っている。誰が勝ち上がってもおかしくないわ」
審判「それでは始め!!」
試合時間 3:00
シュン 0ー0 カンナ
「《奥義・烏合の衆》」
開幕奥義を発動し、夕暮れ時に相応しい烏の群れを形成する。
「(シュン君は油断して良い相手じゃない!最初から全力で挑まないと!)」
詰将棋をするように試合場半分を煙幕で覆い万全の体制を整える。
しかしそれが仇となってしまった。
攻撃を避ける為、試合場内を移動するがどこが境界線なのか分からない。
気づいた時には相手の発砲音が近くにあるという有り様だった。
弾丸を使えるのは私だけではない、シュン君もなのだ。
慎重すぎるが故の失策、相手が出来る事をしても仕方がないのだ。
試合場内全体が煙幕で包まれお互いの場所が分からない状況だ。
「八咫烏さん、偵察をお願い」
指示を出した後、1人でいる隙を足元狙われ先制点を奪われた。
「カンナさん、そこにいたのか。探すのに苦労したぞ」
穏やかな声とは裏腹に高速で再装填しこちら目掛けて打ってくる。
試合場の分厚い壁に穴が空きそうなぐらいにだ。
私がこの試合で出来る事は一つしか無かった。
「に、逃げなきゃ!」
この試合、完全に武器相性が悪すぎるのだ。
奥義でしか長距離攻撃が出来ず、接近戦が出来ない。
得点が稼げない。
あらゆる手段を講じた上でのこの結果。
完敗だった。しかもシュン君は奥義を使っていない。
私の天下もここまでだと神様が教えてくれたのかもしれない。
今日の試合も終わり同じく準決勝に出ていたタマミちゃんも一緒に3人で帰路についている途中の事だった。
「明日はいよいよ決勝と3位決定戦だな。タマミさん、手加減抜きで頼むぞ」
「勿論だよー、手加減して勝てる相手じゃないっていうのはカンナちゃんとの試合で分かってるからねー。負けないよー」
2人が火花を散らす中、真ん中にいた私は気まずかったが、ふと顔を上げる。
そう、私にだって試合が残っているのだ。
しかも、絶対に負けられない試合。
対戦相手の事を考えていると私の思いが通じたのか近くで足音が聞こえる。
「お前たち、ここにいたのか」
「ラトゥーシュカさん、試合お疲れ様でした。明日の3位決定戦よろしくお願いします」
一年生の時からお世話になっている彼との戦いに胸を躍らせる気持ちもあったが事は単純では無かった。
何故自分は気づけなかったのだろうか?
シャンランさん、ヴァニラさんそしてラトゥーシュカさんの正体を。
この3人は在学中から繋がりがあった。
それを隠す素振りもなかった。
「あぁ、よろしく。良い試合にしよう」
うちに抱える彼への恐怖を隠すように愛想笑いをしながら握手を交わした。
No.31を読んでいただきありがとうございました。
次はNo.32「チャンピオンリーグ・3位決定戦」をお送りします。




