No.30 チャンピオンリーグ・4回戦
「カンナ君とこうして戦う日が来るなんて思わなかったよ。君と出会った頃が懐かしいな。今思うと運命的な出会いを果たしているよね。僕達」
「...まぁ、たしかに。初対面でいきなりバツーカを浴びせられるとは思いませんでしたけどね。今となってはいい思い出です」
今回の対戦相手は今まで戦った事のないワットさんとの試合だ。
しかし、これまで観戦した試合や《奥義》から拘束系の攻撃が得意な厄介な相手なのは分かっている。
これを上手く攻略しなければ勝ち目がない。
審判「それでは、始め!!」
試合時間 3:00
ワット 0ー0 カンナ
開始音のブザーと共に彼の攻撃範囲の届かない端の方へと移動を始める。
弾丸を武器で破壊し、目眩しをする。
「やっぱり、カンナ君は慎重だよね。流石、前回チャンピオンだよね。でもそれは前回までの話だよ!僕だって、良いところ見せたいからね!負けないよ!」
お互いニヤリと笑いながら、次の行動を開始する。
「メアリー、金網に顕現して。カンナ君相手に油断したらダメだよ」
その言葉と共に彼の周囲に有刺鉄線が貼られる。
私の攻撃対策のつもりなのか天井にも金網が貼られ万全の体制で待ち構えている。
「さぁ、カンナ君ここからキチンレースの始まりだよ!僕が武器を解除するか?カンナ君が無理矢理攻撃を仕掛けるか?どうする?」
この状況でワットさんに近づくのは非常に危険だ。
彼の奥義の関係上、広範囲に攻撃が飛んでくる。
私の奥義と相性はいいが、逆に言うと私は奥義がないと攻撃出来ない事になる。
ここは慎重に作戦を考えよう。
試合時間 2:00
ワット 0ー0 カンナ
金網を括るように縮小した剣を投擲するがまぐれでも当たらない。
回数を重ねる事に相手に警戒され、中央から動こうとしない。
相手の奥義の関係性、確定で4点は取られる。
だったら...
「《奥義・烏合の衆》」
「やっと来たね。メアリー、バツーカに変更して。烏を捕獲するよ!」
奥義を使うのはダメ元だ。これが有力な手段だとは思っていない。
以前、シュン君が言った通りだ。
奥義は思った以上に協力だが重い足枷にもなる。
使わないと言うのも一つの有力な手段になるだろう。
これ以上仲間達を捕獲されない為にも得意の体術で彼を拘束する。
試合時間 1:30
ワット 0ー5 カンナ
「《奥義・円網の罠》うふふ、これで形成逆転かな。カンナ君、これから君が女郎蜘蛛だよ」
「...くっ」
試合時間 1:00
ワット 4ー5 カンナ
案の定、足元を拘束され自由を失った私は身動きが取れず相手の手を離してしまった。
ワットさんは蜘蛛の巣の中を自由に動く事が出来る。
残り1分の状態でどれだけ持ち堪えられるかが勝負だ。
奥義を展開している以上、これ以上ワットさんは攻撃出来ない。
奥義を解除し、剣で巣を切り裂く。
「あっちゃー、カンナ君も運が良いよね。刃物系の武器じゃなかったらこのまま動けないはずなのにさ」
ワットさんは奥義を解除し、攻撃体制に移行する。
試合時間も後僅か、最後の追い込みにかかるつもりだろう。
ここで私が出来る安全策は一つ攻撃範囲に入らず逃げ切る事だ。
しかし、ワットさんはそれを許してくれない。
攻撃範囲を詰められるたびにバツーカを発射させられる。
奥義が使えない以上、広範囲の攻撃を望めない。
剣を投擲し近寄らないように仕向けた。
試合時間 00:00
ワット 4ー5 カンナ
「はぁ、はぁ。な、何とか逃げ切った?」
「カンナ君、こんな事でへばってたら決勝までもたないよ?...いや、準決勝も問題だけどさ。カンナ君、蜂の巣にされないようにね」
「蜂の巣?蜘蛛の巣じゃなくて?」
「うん、だって準決勝の相手はシュン君だよ?カンナ君は前回勝ってるけど武器が変わってるからどうなるかな?僕も楽しみにしてるよ」
「...あ」
No.30を読んでいただきありがとうございました。
次はNo.31「チャンピオンリーグ・準決勝」をお送りします。




