No.29 チャンピオンリーグ・3回戦
いよいよ来た、この時が。
~実況~
「前回王者のカンナお姉さんは無事に2回戦を突破しましたね。今回のチャンピオンリーグは前回の1stリーグや2ndリーグで活躍した生徒が優勝候補として上がっていますね」
「前回の1stリーグからはシュン君やタマミちゃん、2edリーグからはワット君やラトゥーシュカ君も出場しているから混戦状態になりそうね。今後が楽しみね」
3回戦の試合は前回も戦ったヴァニラさんだ。
以前勝った相手に対して警戒する必要はないが、一つだけ気になる事がある。
…いい機会だし、ここで聞き出しておきたいのだが大丈夫だろうか?
後日 コロシアム 試合場内
審判「それでは、始め!!」
試合時間 3:00
カンナ 0ー0 ヴァニラ
試合開始直後、接近戦攻撃の際ヴァニラさんに一言だけ囁いた。
「ヴァニラさん、貴方弱いですよね?ビックリする位に」
「…カンナ。貴方、何が言いたいの?」
眉を寄せ、首を傾げる彼女に剣を振り下ろしながら言葉を重ねる。
「仲間の実力を考えれば、貴方は下の方でしょう?違いますか?でも、それで良いと思いますよ?“正体がバレなくて良いですもんね?”」
「何を言ってるの?私は生徒会メンバーで貴方の味方で…」
一瞬、盾を握る手が緩んだ事を見逃さなかった。
手元を狙い攻撃を仕掛ける。先制点はこちらが貰った。
試合時間 2:40
カンナ 2ー0 ヴァニラ
「別に隠さなくてもいいじゃありませんか?いい機会ですし、此処で話ませんか?時間もありますし」
「...舐められてる」
普段より低い声でヴァニラさんはその言葉を口にした。
狙い通りだ。ここで彼女の“真の実力”を見せてもらおう。
「《奥義・絶対零度》凍りつけ!!」
彼女の地面を中心に氷が張り付き広がっていく。
その光景に本能的に危ない事を察知したが、それ以上に彼女の本気を知れた事に思わず笑みが溢れる。
「《奥義・烏合の衆》八咫烏さん、上空に逃げて!!」
その言葉の後、私の身体は足元から次第に凍りついた。
試合時間 2:20
カンナ 2ー11 ヴァニラ
「(ま、不味いな。このまま奥義を解除してもらわないと最後まで動けなくなる)」
仲間を呼び寄せ、氷を突き束縛を解放するよう指示する。
反撃を行い、得点を稼ごうとするが上手くいかない。
試合時間 1:30
カンナ 6ー11 ヴァニラ
「ヴァニラさん、貴方、BIG7の一人ですよね?貴方が卒業する前に気づけて良かったです。シャンランさんみたいに暴走されても困りますから」
ヴァニラさんの《奥義》は広範囲で相手の動きを停止してくる技だ。
試合場ならまだいい。
一番不味いのはこれを野外でやられた時だ。
未来を見越して、ここを攻略しなければ勝ち目はない。
氷上を剣で砕きながら、接近する私を見て素早く盾に切り替えている。
「拡張して!」 「縮小せよ!」
素早く後ろに回り込み、足元を狙った。
試合時間 1:00
カンナ 8ー11 ヴァニラ
「(残り1分で3点差、ヴァニラさん相手に胴体を狙うのはほぼ不可能。2点狙い、前回と一緒だ!)」
もう奥義は使えない。
接近戦による実力勝負、絶対に負けられない!
咄嗟の判断で弾丸を砕き、煙幕を作る。
「拡張せよ!!」
「!?」
試合場の壁を破壊する程武器を拡張させる。
一瞬でも動きを止められればいいのだ。
「カンナはどこ!?」
「此処ですよ、ヴァニラさん!!」
試合時間 00:00
カンナ 12ー11 ヴァニラ
どれだけ対戦しようと結果は変わらない。
いや、変えさせない。
「...カンナの言った通りね。私は弱いわ。前と同じように体術にやられるんだもの」
試合終了後、拘束した手を解いた。
「ヴァニラさん、私は勝ちますよ。誰が相手でも。貴方の仲間にもね」
「...それは無理な話ね。だって私より強いもの」
No.29を読んでいただきありがとうございました。
次はNo.30「チャンピオンリーグ・4回戦」をお送りします。




