No.26 水辺のリベンジマッチ
捕らえたシャンランさんを見張る為、役割分担をし私達4人でプールのある建物へと向かった。
とは言え、何十年も使われていなければ水も抜かれている物だと思っていた。
しかし、泥水がプールを浸していた。
この奇妙な光景に皆、恐怖しているが。
平然と立ち尽くす男性がいた。
彼、ドヴァイパーナヤさんだ。
「どうして貴方達が此方に?懐かしい顔も見えますね」
「ここに来たら行けませんでしたか?」
その言葉に彼は微笑む。
周囲の状況を把握すれば、先程いた屈強な男性達がプールの皆底に沈んでいるではないか。
それを見た時点で嫌な予感がした。
彼らだけではない、皆底を埋め尽くすように人、人、人がギッチリと沈められていた。
誤魔化された悪臭を避けるように手で鼻と口を覆った。
その行為に皆察したのか「うわっ」と言いながら目を見開いていた。
「酷い、酷すぎるよ。これ、全部君がやったの?異常過ぎて状況を受け止められないんだけど!?」
「使命を達成する為に犠牲は必要不可欠です。それは貴方達も一緒ですよ。ガネーシャ、攻撃準備を開始してください」
一瞬にして消防車に搭載されているような大型ホースが顕現され、此方側に向けられる。
殺傷能力が無いから危なく無い?それはお門違いだ。
この足場の少ない立地で戦闘する事を考えると分散しなければいけないし、隙を見せればプールに真っ逆さまだ。
「シュウマ君は私について来て」
「承った。拙者達で武器破壊すれば良いでござるな。任されよう!」
「じゃあ、僕達は彼の捕獲だね。行くよ、アウベックさん!」
「(コクリ)」
作戦も決まり各自行動を開始する。
私とシュウマ君で回り込むように近づく。
もう反対側からワットさん達も仕掛けてくる。
さぁ、彼はどちらに攻撃してくる?
左右を見渡し、取捨選択をしているようだ。
「来た!」
激しい水圧による攻撃を回避し、耐えるが私達に対する集中攻撃が止まらない。
この場合、私が一番弱そうに見えるからだろう。
集中力が切れ、次第に体が倒れそうになる。
しかも、倒れる位置が悪過ぎた。
真正面にプールが見える。
「ヤバい」と思った時にはもう遅かった。
「カンナ殿!自来也殿、拡大せよ!」
次の瞬間、プールスレスレを浮いている感覚に襲われた。
というか、浮いている。
「ありがとう、自来也さん助かったよ」
『全く、こんな所に儂を泳がせるな』
苦笑いしながらも感謝し、戦闘体制を整える。
武器破壊を重視し、剣の投擲を開始する。
シュウマ君も手裏剣を拡大し、威力向上を狙う。
一部分、攻撃が貫通し開いた所から水が吹き荒れる。
これで一時的にだが武器の使用を出来なくした。
あとは彼を捕えるだけだ。
「こういう時、僕の武器が便利だよね。はい、確保ー!!」
4人で拘束し、引きずるように連行する。
「無様だな。貴様もシャンランも私に隠れて何をしていた」
「世界平和を願い、悪を退けていました。これは私の自己満足ですので気にしないでください」
「そうヨ、私達で勝手にやった事ね」
その言葉にグイフェイさんは睨み、舌打ちを返す。
「後で説教だな。お前たちには感謝する。言われなければ妾も気がつかなかった。何故、お前たちは気づいたんだ?誰かの差し金か?」
「まぁ、そんな感じですね」
彼らが母の狂信者と言うのは避け、後はOBの皆さんが説教&監視をしてくれるという事で私達は自分達の母国に帰国する事にした。
No.26を読んでいただきありがとうございました。
次はNo.27「兄妹対決」をお送りします。




