No.23 敵の陣地
ペキン首都国際空港
「はーい、皆んなアンリエッタお姉ちゃんがお前らの為に情報を仕入れて来たよ。褒め称えろ」
「(拍手)」
「ありがとう、アウベック。じゃあ、案内するからついて来て」
空港から出て、アジア支部に向かう途中同行者のアウベックさんについて聞く事にした。
「私は非戦闘要員だからね。同じ初代ニンフスピアリの寮長に手伝って貰おうってわけ」
傍らにアザラシさんがいる所を見るに彼も武器を持っているのだろう。
頼りにしても良いのかもしれない。
路地裏を進み、薄暗い場所にアジア支部は存在する。
「悪の組織のアジトって感じがするね。ワクワクするよ!」
「ワット、遊びに来たんじゃないんだぞ。全く」
「…この中に人がいるの?考えられないわ」
「確かにヨーロッパ支部とは雰囲気が違いますね。アンリエッタさん、中に入っても大丈夫なんですか?」
「一応、グイフェイに話は通してある。でも、気をつけて。信用出来るかどうかは別だから。じゃあ行くよ」
小型の武器を扱うシュウマ君は手裏剣に変え、懐に仕舞い込んでいる臨戦態勢だ。
歩を進めると薄暗がりながらも華やかな中華風の家具や絵画がある部屋に到着する。
椅子には鉄扇を仰ぎながら椅子に腰掛けるグイフェイさんがいた。
私達を見るなり溜息を吐いているがその姿ですら絵になる。
そのくらい美しい容姿をしているのだ。
「何の用じゃアンリエッタ、妾が貴様らに話す事など何もない。ゾロゾロと人を連れてくるな。鬱陶しい」
「あれぇ、可笑しいな。連絡を取った時はここまで不機嫌じゃなかったのに。…誰かに何か吹き込まれた?グイフェイ」
「…!?」
鉄扇で表情を隠しているものの歪んだ眉毛を隠す事は出来なかったようだ。
「あの、以前ドヴァイパーナヤさんというか方がシャトランスに来たんです。それについて貴方が関わっているという事はありませんか?例えば貴方の指示でヤンさんや私達を襲撃したとか?」
「襲撃?何故、妾がそんな事をする必要がある?何の利益もないだろうに」
その言葉に両者共、首を傾げている。
「あー成る程ね。コレってボスを無視して部下が勝手に行動を起こしちゃってるパターンじゃない?ねぇ、グイフェイさんってちゃんと組織内の状況を把握してる?案外、ポンコツボスなのかもしれないよ?」
「ちょっとワットさん!グイフェイさんに失礼ですよ!」
「しかし、支部の頭領にも関わらず部下がいないのは可笑しくはござらねか?他の者は一体何処に?」
「アイツらなら外に出ている。目付け役にシャンランもおるのだ何か問題でも?」
…この状況は非常に不味い。
私達がグイフェイさんに話を聞いている最中、危険行為をしているとしたら…。
「皆さん!早くここを切り上げて外に向かいましょう!この状況非常に不味いと思います。グイフェイさん、シャンランさん達は何処に!?」
「おい、何の話をしている。…アイツらなら市内の競技場に向かうと言っていた。しかしな…」
「何ですか?」
「あそこはもう20年以上使われていない廃墟だ。アイツら妾に隠れて何をしようとしているのだ」
「それを確かめる為に行くんです。さぁ、行きましょう!
No.23を読んでいただきありがとうございました。
次はNo.24「廃れた戦場」をお送りします。




