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No.12リーグ戦の最中

冬休みが明け、1stリーグも開催し学園も慌ただしくなるある日の事、ある人に出会ってしまった。


パパと一緒にいる。怖いが仕方がない。例のあの人だ。


「カンナ、久しぶりね。試合観戦?」


「う、うん...」


久しぶりの母との再会にどう話せばいいのか分からないのもあるが、パパはどうしてこの姿に違和感を覚えないのだろうか?


守護者から継ぎ接ぎで作り上げた身体を私は母だとは思えなかった。

皮肉な事に中身は母のようだが、イブちゃんのままの方が私は良かった。


私の反応が素直過ぎたのか、パパとママは暗い表情をする。

仲が悪い訳では無い筈だ。

でも、家族だからと言って全てを理解出来る訳ではない。

血が繋がっていても所詮は他人なのだから。

どれだけ似ていても自分ではないのだ。


私がコロシアムに来たのは試合観戦以外にも理由がある。

目を散りばめる為だ、本当は標的(ターゲット)に会いたくてなかったが仕方ない。


「カンナ、大丈夫?もしかして体調が悪いの?パパに診てもらったら?」


「ううん、違うの。大丈夫だから、心配しないで。パパだって分かってるでしょ?」


「...そうだな。ペルケレが呼んでいる、行くぞ。レイカ」


「は、はい。じゃあね、カンナ」


背を向ける両親を見送り、数メートル開いた後、小声でこう呟いた。


「《奥義・烏合の衆》八咫烏さん、ママが悪さをしないように監視して」


「おいおい、良いのかよ?バカンナ。《奥義》はリーグ戦以外使用禁止だろ?」


「ペルケレ先生から許可は貰ってるから大丈夫。じゃあ、観客席に戻ろうか?」



観客席に戻り、タマミちゃんとシュン君に再会する。


「お待たせ。どう?試合の方は?」


「カンナちゃん、おかえり。それにしても驚いたよー、急に大会ルールが変わったよねー。一年生でも《奥義》を覚えているかいないかで、結構勝率も違うよねー。私も早く、習得しないとー」


「ペルケレ先生は凄いな。「人工的な繰り上がり」が元々出来る時点で異常ではあるけどな」


「確かに。ペルケレ先生ってやっぱり守護霊学の権威なんだなって改めて思うよ。あの人が敵だと思ったら背筋が凍る」


今大会で《奥義》に対するルールが追加された。

かなり急ピッチで増えたルールでもあり、使える生徒は限られているが、ペルケレ先生曰く使える能力というのは決まっているそうだ。


私達はチャンピオンリーグに参加予定なので猶予はある。

大会ルールを考慮すると、《奥義》が使えるのと使えないのでは雲泥の差があるようだ。

しかし、回数制限があり試合中に一度だけとなる。

どこで使用するのかタイミングを考えなければいけない。



試合場


「《奥義・泡沫(うたかた)の結末》さぁ、私から逃げられるか?厳しいぞ?」


「...っ」



一年生の中でいち早く習得したアウネーテさんは、武器であるシャボン玉を駆使した《奥義》を使用する。


「今年の1stリーグはニンフスピアリがいただきかなー」


「そうはさせないよ。マリアちゃんもヨハンナさんと特訓して勝ち上がってるし《奥義》の練習もしてる。準決勝には間に合うと思うよ?」


「準決勝と決勝は奥義を習得した者同士の戦いになりそうだな。楽しみだ。そういえば、ムハンマドもノリと勢いで覚えたらしいな。上がってくるかもしれない」



「ムハンマド君って、庭園で猫と良く遊んでる子だっけ?そういえば、彼の守護霊っていつも何処にいるの?アウネーテさんも小さい蟹が守護霊だし、踏んじゃいそうで怖いんだけど...」



「飛べるから問題ないと思う。だから、シルヴェスタアースにいるんだろう?小さいが俺はカッコいいと思う。...隼、拗ねないでくれ」


「別にゃあぶてとらん」


「(飛んで、小さくて、カッコいい?もしかして、あれかな?)」



「それって、カブトムシとかクワガタ?シルヴェスタアースって虫が守護霊の子いるしね。ワットさんもそうだけど」


「ムハンマドはインドネシア出身だからな。珍しいクワガタと縁があるそうなんだ。直ぐに2人にもお披露目出来ると思う」


「わぁー、凄い楽しみだねー」



今日の試合が終わり、夕暮れ時を見計らい“私の仲間達が帰ってきた”。


「どうだった?コロシアムの周りの監視を頼んだけど“ママの協力者”はいなかった?」


『結論から言うといなかった。だけどよ、連続して護衛するとかえって警戒されるぞ?いいのか?“あいつ”も気づいてるぞ?』


「分かってる、でも悪さをしない抑止力は必要でしょ?リーグ戦が開催されたらOBも観戦にくるし、簡単に侵入出来る。人も集まる中で何かをされたら二の舞だしね。報告ありがとう、八咫烏さん」


「カンナさんばかりに頼るのはダメだな。俺にも協力させてくれ。監視役は交代制にした方が良いだろうな。警戒されるリスクも分散出来る」


「そういえば、アンリエッタさんから何か連絡来てないー?外はどうなってるのかなー?こっちに来てる人っていない?お兄ちゃん達とは連絡取り合ってるみたいだけどねー」


「アンリエッタさん、私達と会って直ぐに南北アメリカ支部の会長さんと連絡を取りあってくれたんだって。キョウさんと同じニンフスピアリの初代寮長だし、元々ライアンさんにも協力してくれた人だから、すんなり話を受け入れてくれたみたいだよ。「女はやっぱり厄介だ」って言ってたみたいだけどね」


「確かにそうだから困るな。カンナさん、“あの兄弟”が来るのはいつだ?マリアさんがヨハンナさんの試合を見に来るんだろう?」


「1月下旬、一昨年と一緒なら準決勝だね。...警戒しないと」


No.12を読んでいただきありがとうございます。

次はNo.13「ファーストリーグ・準決勝①」をお送りします。

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