帰り道と光
――何かにつけられている。
夕方に学校を出たときから、ずっとそんな感覚におそわれていた。
右を見て、左を見て、背後を見る。
そうやって近くにダレもいないことを何度も確認した。
つけてきている人間はいなかった。
それでもやはりまとわりつくようなダレかの存在を感じる。
見知らぬ人間に密着されているような不快感に似ている。
我慢して家への道を歩きつづけたが、どれほどたっても不快感は消えなかった。
考えすぎと思いたいが、明らかに近くにいる何かの存在を感じられるのだ。
こらえきれなくなり、ふたたび周りを確認する。
日が落ち、暗くなり始めていたが周囲が見えないというほどではない。
目を凝らし、必死で探してみるがダレもなにもいなかった。
不快感は恐怖へと変わり始めていた。
背筋にゾクゾクとした冷たいものが伝う。
――自意識過剰なだけであって欲しい。
いつのまにか、思い切り走り出していた。
走り出さずにはいられなかった。
それでも見られている感覚から逃れることができない。
それでも構わず走りつづけるしかなかった。
住宅地を走りぬけ自宅まではあとすこし――一瞬であたりが真っ白になった。
足の空回りと強い浮遊感につつまれ、と理解する前に、パンッとはじけるように視界も意識ももどる。
突然目の前に現われたカベに体勢の崩れた全力疾走のまま突っ込んだ。
ヒタイからぶつかり、ゴツンッという生々しい音と首にまで響く強烈な痛みに襲われる。
はじかれるようにカラダをそらして後ろへと倒れこんだ。
衝撃のせいで、頭全体の重い痛みと、目の奥にチカチカするものを感じた。
壁だと思ったものは自宅の玄関のトビラだった。
あたりはすでに真っ暗だ。
倒れて仰ぎ見た星がとてもきれいだ。
星とともに、おかしなかたちの発光体がある。
痛みでマヒした頭ではまともに考えることができず、そうしているあいだに発光体は消えてしまった。
そして、取り巻いていたおかしな気配もいつのまにか消えていた。




