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変わり者錬金術士アレイシアの研究日誌  作者: 大蛇山たんと


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修理 アルモニアのロッド その1

「さて、こっちも大丈夫……次は……。」

「アレイシア~、おーい、アレイシア~。」


ノックの音の後に普通に家に入ってきた声に対して、アレイシアは怒りもせず当たり前のようにそっちを振り向く。


「やっと来たわね……ちょっと待ってて、今から向かうわ。」

「は~い。」


丁度次の依頼の品を作ろうとしていた時だったのでタイミング的には良い頃合いだった。

アレイシアは素材や杖を置いて、錬金室から出てアトリエの広間に向かう。


「待ってたわよ。授業お疲れ様。」

「お互いお疲れ様~、お客さんは来た?」

「カインドさんから依頼が来たくらいよ。」

「相変わらずだね~……カインドさんも良い人だな~。」

「で?今日のお客様2号は何の依頼かしら?」

「わかってるのに聞くのはなんかいじわるだなー。」

「私はお客様だからって変に下手には出ないわよ。」

「仕方ないな~、じゃあ店主さん、マジックアイテムの調整お願いしま~す。」

「はいはい、せっかく作ったマジックアイテム、アフターサービスくらいなら承るわよ。じゃあ、ちょっと見せてみなさいな。」

「はいはい、これ。」


そう言いながらアルモニアが渡したのは、小さい杖……に見える、アクセサリーだった。

これは、ただのアクセサリーではない。

アレイシアが作ったお手製のマジックアイテムなのだが、アルモニアの魔力を最適に扱う事と、持ち運びのしやすさを両立させた物である。

アルモニアの魔法は独特だ。

魔法式などと言った、結果を発現させる為の過程を省略して発動する。

例えば呪文の詠唱、例えば儀式の供物、例えば触媒による変換。

そういった過程を無視して結果が発生する為、魔法に対しての再現性が無く、どうやって発動したのかがわからない為、もう一度同じ結果を出す事が困難になる。

学院に入学してアルモニアも魔法の知識の研鑽を重ねて、ある程度のコントロールは出来るようにはなってきたが、それでも当時のアルモニアの魔法は不安定だった。

そこで、アルモニアは教師に相談する。

教師は基本的にアヨティスの研究員も兼ねている人間がほとんどだ。

なので、最初は研究でどうにかしようとしたが、そうも行かなかった。

そこで、外部からの制御を行う方法を考えた。

なので、マジックアイテムを作るという事で、最初はエクセが紹介された。

錬金術の店を経営している成績優秀者、という事でエクセが紹介された。

だが、エクセはアレイシアの方が、そういった一品物を作るのは得意だ、というのを知っていた。

なのでエクセがアレイシアを紹介した。

そしてアレイシアが作ったのは……。


「ふむふむ……アルモニア、ロッドを詳しく見るから、展開するわよ?」

「もちろん、しっかり診てもらうためだもん。」

「なら……。」


アレイシアは魔力をそのアクセサリーに魔力を込める。

すると、その杖の形のアクセサリーは、大きくなり、本当に杖になった。

その杖は、先端に翼の意匠が施された飾りがつけてあり、その中心には大小様々な透明な宝石と白い宝石が埋め込まれている。

一見すると、武器として扱うには不向きに見える。

そして実際、アルモニアも武器としてはあまり扱わない。

この杖は、結果や現象を過程を省く、というアルモニアの特性の補助をする物だ。

アレイシアは、そもそものこの魔法の原因を、魔力にある、と判断した。

魔力は、この世界にありふれている。

そして、魔力には属性がある。

国ごとにその属性や特性は異なるのだが、そこに関しては一旦ここでは省いておく。

ともかく、そういう特性や属性といった物が存在し、個人個人によってその扱いに差が存在するのだが……。

ここで問題になるのは、魔力の属性と特性が必ずしも絶対ではない、という事である。

そして、その問題の原因は、アルモニアの体質は、魔力の属性と特性を関係なく吸収、発動してしまうという点であった。

例えば水の魔力を使っているのに発火したり、風の魔力を使っているのに地面が隆起したり。

普通の、「特性の応用」の範疇を越えた現象を起こすのだ。

アルモニアが魔力を扱える量が多いのも理由の一つだ。

それだけの現象を起こせるだけの魔力を溜め込んだり放出出来る、という事なのだから。


「……なるほど、宝石が少し欠けているわね。魔力の溜め込みすぎで耐えられなかったのかしら。何か使い心地や魔法に変化があったかしら?」

「う~ん、なんか思った結果は出るんだけど、魔力が変な感覚だったり、逆に狙った属性の結果は出るけど出力や現象が変だったり……かな?」

「魔法衣の方はどう?耐久性とかに問題は?」

「そっちは大丈夫~、魔法を出力する時がやっぱり問題かな~。」

「なるほどね……なら、とりあえず今回は応急処置で直しておくから、明日にはカインドさんの依頼が終わるから、明後日に本格的に直す方向で行こうかしら。予定は大丈夫?」

「大丈夫だよー、ちゃんと修理の為に予定空けておいたからっ。」

「よし、なら待ってなさい……。」


そう言って、アレイシアは杖を錬金室に持っていく。

錬金室の棚から、宝石を無造作に取り出し、更に工具や魔力検査用の器具も取り出す。

まずは、欠けていない部分の検査。

……やはり、欠けていない部分はまだ耐久性は大丈夫なようである。

だが、宝石の中でも特に大きな白い宝石の方はまだまだ大丈夫だが、小さな透明の宝石の方はそろそろ同じように許容限界を超えて同じように欠けてしまう可能性が高い。

なので、アレイシアは一旦全て取り外す事にした。

これは廃棄はせず、使い道があるのでまだ置いておく。

次に、持っている宝石でサイズや魔力許容量が大丈夫な物を選定していく。

もちろん、適当に選んだ宝石をそのまま填めるという事はしないが、サイズが合うほうが加工がしやすいからだ。

そうして選定作業が終わった後に、中心の大きな白い宝石以外を取り除いた杖を錬金釜に入れる。

まずは、溜まった魔力を水に慣らしていく。

こうする事で、作りたい物の方向性が定められるのだ。


「……よし、次の作業は……。」


こうして、アルモニアのロッドの修理作業が始まった。

普段あまりパロディとかはあまり入れない(というかあまり入れるのが得意ではない)のですが、今回はパロディを入れてみました、気づいた方が居たらくすりと笑ってもらえたら嬉しいです。

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