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みゆきが自分の彼女になったら、どんなに素晴らしいだろう。そんな想像をしてみたこともあったが、最初から叶うはずのない願いだった。みゆきを思えば思うほど、自分の気持ちが空回りし、自己嫌悪との果てしない戦いになった。
それにもかかわらず、みゆきは時折、ドン・キホーテや東急ハンズで売られているボイスチェンジャーを使って声を変え、いたずらに僕へ電話をかけてきては、突然、電話を切ったりした。
酔っ払って、どこかの店から電話をかけてきたこともあった。こちらから電話をかけても、みゆきは出てくれなかった。
どうしているのだろう。何をしているのだろう。そんなふうに彼女のことばかり考えるようになり、どうしても会いたくなって、みゆきが勤めていたデリヘルの店に電話をかけた。
電話に出た女性は、こう話した。
「みゆきさんには辞めてもらったんです。スタイルもいいし、可愛くて綺麗なんだけど、毎回毎回、お客さんと喧嘩して揉めごとを起こされたら、こちらも手に負えなくて……」
みゆきに会うにはどうしたらいいのか。僕はそんなことばかり考えていた。また会えたらいいな、と思っていた。
一方で、もうどうでもいいと思おうとしている自分もいた。相手はデリヘル嬢で、僕はただの客にすぎない。みゆきを愛していたわけでもないし、いつか二人の関係が何かに発展するとも思えなかった。そう考えると、何も期待することはないのだと思い、しみじみとした気持ちになることもあった。
みゆきにしてみれば、僕は所詮、ただの客だったのだろう。僕のことなど、たいして気にも留めていなかったに違いない。
それでも、そのあとも僕の携帯電話には、みゆきの二つの携帯番号が消去されずに残っていた。




