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第92話 結婚

拓人が変な女を家に連れて帰って、玲が刺されて死にかけたと聞いた時は

そんな男すぐに捨ててやれと思った

私の唯一の親友であり、私が幸せになるまで見守ってくれた大事な人を

危険に晒して殺されかけて守れなかったなんて

本当にありえない

2度と玲の前に顔を出すなと思ったけれど

拓人が強引に迫ってまた付き合うことになったらしい

拓人は玲が大好きで執着系ヤンデレだから

玲がいないと生きていけないほど依存しまくってるから

玲に捨てられたら今度こそ自殺して死ぬだろうし

そんな拓人をほっとけないからまた玲は付き合ってあげたのだろう

玲は意外とお人好しで優しい人だ

拓人が地に堕ちていくのをほっとけないのだろう

拓人は本当に卑怯だ

玲は何故こんな男が好きなのか…

私は玲に結婚相手を選んで貰って幸せになれたけど

玲はこんな男に引っかかって不幸になるのではないかと

今でも不安だ

玲は事件後、拓人と再び同棲を始めた要塞のような家で

以前よりも引き篭もり家から出なくなっていった

家には執事と家政婦が駐在しており

家に入るには厳重な手荷物検査をしなければいけない

家では執事と家政婦が玲の世話をしているので

ニート生活に拍車がかかってしまったようだ

私と同居していた時は、食事は全て玲の手作りだったし、洗濯や掃除等の家事全般は全て玲がやっていた

でも今は全ての家事を執事と家政婦がやってくれるようになってしまった為

家ではほとんど本を読んで過ごしているらしい

食事やお風呂も忘れて本に没頭しているらしい

小説を書く時にしか没頭癖は出なかったのに、今では本を読んでも、ゲームをしても、風呂に入っている時でさえ過集中で自分の世界から抜け出せなくなっているようだ

ダメ人間に拍車がかかっているようだから、私は心配して様子を見に行ったら

“たくさん本が読めて、たくさん小説を書くことが出来て、他には何もしなくてよくて、今人生で1番楽しいよ!!”

と幸せそうに熱弁されたので、放置することにした

本人が幸せだと言っているのに

私が邪魔するわけにはいかないから

玲が大好きな本で家を溢れさせて

玲を囲って外に出さないようにするなんて

拓人は独占欲剥き出しで笑えるわ

甘やかして甘やかしてダメ人間にしていくなんて

玲は本当に幸せになれるのだろうか


今日は玲と拓人の結婚式だ

私は式が始まる前に新婦控室に行く

「結婚式なんてやりたくないのに…」

控室には美しい女神のようなウエディングドレスを着た玲がいた

「人生一度きりの晴れ舞台なのに…」

「拓人さんは2回目だよ。必要なかったでしょう?」

「玲のウエディングドレス姿が見たかったんでしょう。」

「家で着てあげるわよ。なんでこんな見せ物にされないといけないんだか…」

「主役が何言ってんのよ。」

「一生脇役でいたい…」

「玲が絶対やりたくな言って騒いで、結局身内だけの小さい式ならと結婚式をすることになったのでしょう?」

「やりたくないわよ!だって私達の結婚を誰がめでたいと褒めてくれるのよ!真中さんと結婚することが世間に報道されたら私は寝取り成功した泥棒猫だと言われるし!!ただの見せ物にされるだけじゃない!!」

「身内しかこないから大丈夫よ。」

「ミナも祝ってくれてないくせに。」

「祝ってないわけじゃない。私は玲が大事だから拓人に預けるのは不安だけ。」

「祝ってないじゃんかよぉ…」

「玲。ウェディングドレスとても似合ってるわよ。こんなに美人なのにいつまでも拗ねてたら式も楽しくないでしょう?」

「今からミナが花嫁攫って伝説の式にしない?」

「バカなこと言わないの。」

「本気でもいいのに。」

「私はさ。玲に結婚相手を選んで貰って幸せになれたけど。玲はもしかしたら私と同居している時が1番幸せだったんじゃないかと思ってるのよ。」

「バレた?」

「フフッ。私は玲と一生一緒でも幸せだったと思うわよ。」

「ミナより小説を大事にする自分が信じられなかったの。いつか嫌われるんじゃないかってね。」

「私が玲を嫌うわけないのに。」

「ずっと一緒ならわからないわよ。私は我儘だし。嫌な思いさせることが多いからね。」

「玲を我儘なんて言うやつは浅はか。玲は我儘なんて言ってないわ。嫌な思いなんてしたことないわよ。」

「そんなこと言ってくれるのミナだけだよ。」

「みんな玲のことわかってないのね。」

そう言うとくすくすと玲が笑う

「ほら。本日の主役さん。堂々と美しい姿を見せつけてきなさい。」

「堂々とねぇ…」

「胸を張って生きなさい。玲は何も悪いことなんてしてない。悪いことしてないのにこそこそしてるなんて変でしょう?」

「うん。そうね。私は自分で選んで結婚することにしたんだ。誰にも祝って貰えなくても胸を張って結婚式をしなくちゃね。」

「誰よりも美人なんだから。その美貌で全員黙らせなさい。」

「あまり外見で人を惑わせたくないんだけど…今日だけは全開で人を虜にしていこうかな。」

と玲は不敵に笑った

私は時間になり、控室から出る

教会のチャペルで式が始まる

玲と拓人は絶賛の美男美女の新郎新婦だった

絵画のような現実離れした美しさに

目を奪われた

誓いのキスをして式は終了し、フラワーシャワーで新郎新婦を迎える

おめでとうーとみんなが祝福していて

幸せそうに玲が微笑むから

少し安心した

私は拓人の胸ぐらを掴み言う

「玲を幸せにしないとぶっ飛ばすから。」

私は睨みつけて拓人に言った

「この世で1番幸せな生活をさせると誓うよ。」

披露宴は玲がやりたくないとどうしても首を縦に振らなかったので式のみで解散した

私は自宅に帰った

「おかえり。美奈子。いい式だったかい?」

隆臣さんは玄関まで迎えに来て微笑んだ

「絶賛の美男美女だったわ。」

「どちらも美形だからね。芸能人やモデルにも負けないビジュアルだからね。2人とも。写真は映えるだろうなぁ。」

「本当に拓人に任せて大丈夫かな…」

「2人なら乗り越えられるよ。」

「玲は私と一緒なら幸せにしてあげれたのにな。」

「後悔してる?俺と結婚したこと。」

「してない。私は幸せになったから。でも玲は違う。拓人と一緒にいて幸せなんかなれないのに。」

「それでも愛しているから一緒にいることにしたんだよ。愛し合っているならそれでいいじゃないか。」

「だって玲は私の大事な友人だもの。幸せになってくれないと困る。」

「フフッ。2人は本当に仲がいいね。嫉妬しちゃうなぁ。」

「私の幸せの為に尽くしてくれた大事な友人だもの。私達だって玲がいなければ結婚出来てなかったでしょう?玲に恩返ししたいのに。あんなクズ男と結婚するなんて不安しかないわよ!」

「大丈夫だよ。何があっても小説が迫田さんを強く支えてくれるさ。」

「それはそうだけど…愛しあう幸せを玲にも知って欲しいのよ。」

「無理じゃないかな。迫田さんは何があっても小説が1番大事で優先順位は変わらない。だから美奈子さんを手放したんだ。大事な友人だからね。拓人さんは2番手でも辛くても側に居させて欲しいと願っているから結婚したんだよ。拓人さんは不幸にしても構わないと思ってるんじゃないかな。」

「私は玲が幸せになって欲しいだけなのに…」

「小説がある限り迫田さんは幸せだよ。心配することはないさ。」

私はぽろぽろの涙が溢れた

「私だって…2番手でも構わないから…玲を幸せにしたかったよ…」

私の幸せなんてどうでもよかったよ

玲と一緒にいられるだけで

それだけでよかったのに

拓人じゃなくて私を選んで欲しかった

そんなことに結婚式で気づくなんて

私は大馬鹿者だ

だからこそ玲がくれたこの幸せを

目の前にいる隆臣さんを

私は一生大事にして生きていく

それが玲への恩返しだから








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