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第90話 仲直り

拓人さんからより戻そうと必死に口説かれると

私も拓人のことを好きな気持ちがあるので強く否定することが出来ずに押し切られてしまった

同じ過ちを繰り返すとわかっているのに

ホテルの一室から出て北条さんと純也さんにお礼を言ってから私と拓人さんで家に帰ることになった

「以前の家はもう引き払ったんだ。玲がトラウマになっているだろうからもうあの家には帰りたくないと思って。」

「そうなんだ。じゃあ今から行くのは新しい家なの?」

「そうだよ!玲も安心して暮らせる家を購入したんだ!」

「家を購入したの…?」

「そうだよ!防犯が優れている都内の家を購入したんだ。玲が安心して暮らせるようにね。」

そう言って拓人さんは私を車に乗せて新しく購入した家へと向かう

「着いたよ。」

「…え。」

門が自動で上がり、車で入ると

小学校のグラウンドほど広い庭があり、奥にはお城のような豪邸が建っていた

門から家まで歩いて10分ぐらいかかりそうな広さだった

都内にこんな家があるなんて…

「大きすぎない?」

「お父様が玲の為に購入したんだ。もう2度と野蛮な犯罪者が侵入出来ないようにね。ここはすぐに住めるように購入した中古の仮の住まいだけど、俺達が結婚したら注文住宅にして新しく購入する予定だよ。」

「へー…そうなんだぁ…」

今更だけど金銭感覚が違いすぎて別世界みたいだ

私の感覚ではこんな豪邸は御伽話にしか出てこないけれど

真中家ではごく当たり前のことなのだろうな

ガレージに車を停めて家へと入る

「ここが俺達の新しい家だよ!俺達の寝室は2階にあるから案内するね!」

「…ありがとう。」

玄関ホールだけで生活出来そうなぐらい広かった

謎に螺旋階段がある

ここで目が覚めたら異世界転生したと勘違いしそうだ

全ての扉にロックがかかっていて、拓人さんの指紋認証でロックが解除される仕組みのようだった

「こんなに広い家だと迷子になっちゃいそう。」

「玲は自室で引き篭もるから迷子にならないよ。」

「そうかもしれないけど…」

こんなに広くても私が使う部屋はおそらく限られている

掃除とかどうするんだろう

さすがに鈴木さん1人では無理そうだけど…

私は拓人さんにクイーンサイズのベッドの寝室を案内されてから、リビングや私の小説の作業部屋、お風呂場等を案内された

「見て!ここは玲が喜ぶと思って作ったんだよ!」

そう言って案内されたところは本がずらりと並んだ部屋だった

学校の図書室と同じぐらいの広さで大量の本が収納されていた

「すごい…!!本がたくさん!!」

「玲がまだ読んだことのないレアな本も取り寄せたよ!」

「すごい!ありがとう!拓人さん!!」

「えへへ…見てよ!ここは玲の写真集コーナーだよ!ここに1000冊収納しているんだ!!」

「そんなにいらないでしょ…」

「玲の小説コーナーも作ったよ!」

「本当だ…マイナーなやつも全部ある。少し恥ずかしいけど嬉しいなぁ。」

「気に入ってくれてよかったよ。」

「外に出かけなくてもここにずっと居れば満たされちゃうかも。」

「それがいいよ!外は玲を狙う危険人物がたくさんいるからね。ここの家は安全だ。玲がこの家から出なくても快適に過ごせるようにするから!」

「元々引き篭もりだからほとんど家から出ないけどね。」

規格外だけど、私を喜ばせようと用意してくれたことが嬉しかった

幸せそうに浮かれて拓人さんが家を案内している姿を微笑ましく見つめていた

本当は狭い部屋の方が心地良くて好きなんだけど

拓人さんが機嫌良く話しているから

なんだかこちらも絆されてしまう

人を愛する心なんて私にはないと思っていたけれど

拓人さんと一緒にいると恋という気持ちが

不思議と湧いてくるのだから

また2人で暮らすことに不安を感じていたけれど

そんな不安が吹き飛ぶほど自分の心が安定して満たされていた

私達ならきっと2人で暮らしていけるだろう

「ねぇ。私のヒナ君グッズはどこに置いてあるの?」

「あぁ。ヒナ君とやらのグッズは捨てたよ。もう俺がいるから玲の寂しさを埋める役割のヒナ君はもう必要ないだろう?」

前言撤回

百年の恋も一時に冷める

拓人さんと共に過ごすことなんて絶対無理

「信じられない。私の宝物のヒナ君グッズを捨てた?」

「ど…どうしたんだい?玲…。そんな恐い顔して…」

「当たり前でしょう!?私のヒナ君返してよ!!勝手に捨てるなんてサイテー!!2度と顔を見たくない!!別れる!!」

「ちょ…ちょっと待ってくれ!!玲には俺がいるからもう必要ないと思って…」

「あぁ?必要ないのは拓人さんの方ね。もう必要ないから。さようなら。ヒナ君は私の辛い時期をずっと支えてくれた大切な私の恋人だから。」

「なっ…あんな2次元の絵を恋人にするなんておかしいだろう!?」

「うるせぇーー!!私のヒナ君を勝手に捨てるような男は大嫌い!!」

「玲がヒナ君ヒナ君ってヒナ君に夢中になっているのが嫌だったんだよ!俺という恋人が目の前にいるからもういいだろう!?」

「全然良くねぇーーー!!もういい!こんな家に住めるか!!」

私はそう言って家から出て行こうとする

「待って!!」

追いかけてきたので私は全速力で走った

玄関まで走り抜けて靴を履く暇もなく靴下で庭へと飛び出す

拓人さんは靴を履いていたので、その間に私は広い庭に隠れた

拓人が出てきて私を探している

ここからどうしよう…

門も塀も2メートルあってよじ登って外へ逃げることは難しい

私はポケットからスマホを取り出して北条さんに電話をした

「もしもし!北条さん!助けて!!」

「迫田さんどうしたんですか?」

「拓人と別れて家から逃げようとしてるけど、要塞みたいな家だから逃げられないの!助けて!」

「なんでそんな喧嘩したんですか…」

「拓人さんが私の宝物を勝手に捨てたの!もう大嫌い!!」

「悪気はなかったと思いますよ…」

「悪気はなくても許せない!とにかく迎えにきて!助けて!!」

「もう俺は2人の痴話喧嘩に巻き込まれたくないですよ…」

「やっぱり私は北条さんと暮らす!北条さんがいい!!」

「俺は嫌です。拓人が謝ったら許してあげてください。早く仲直りしてくださいね。」

そう言ってぶつ切りされてしまった

「なんて薄情な人なの…」

3ヶ月間一緒に過ごして友情を深めたと思っていたけれど

拓人さんと北条さんは10年以上の友人関係を続けているのだから

北条さんはいつも拓人さんの味方だ

むかつく

あんなに仲良くなったのに私の味方をしてくれない!!

ミナに電話をして助けを呼びたかったが、新婚家庭の幸せなムードに水を差すようなことはさすがに出来ない思いやめた

仕方なく私は純也さんに電話をする

「もしもし。純也さん?今電話出来ますか?」

「大丈夫だよ。何かあったのかい?」

「拓人さんとはやっぱりやっていけません。家から出られないので助けてください。」

「…わかった。すぐ行く。」

そう言って純也さんは電話を切ってからすぐに来てくれた

「玲!どこだ!玲!!!」

と必死に拓人さんが探している姿を見てバレないように隠れ続けた

30分後に門が開き、純也さんが家へと入ってきた

「純也さん!」

私は純也さんの車の方に走り出す

純也さんは車から降りて

「迫田さん大丈夫ですか?」

と私に問いかけた

「全然大丈夫じゃない!私の宝物を拓人さんは捨てたのよ!絶対許さないんだから…!!」

「玲!ごめん!また2度としないから!!戻ってきてくれ!」

私の姿に気づいた拓人さんが叫んでいた

「絶対に嫌!!」

「拓人は何を捨てたんだ?」

「ときめきダイアリーのヒナ君グッズ!!限定品やレアのやつとかクッションなんてもう手に入らないのに!!最低!!」

「あぁ…あれか…」

「もうしないから!玲!!」

「はぁ…そうじゃないだろう拓人。捨てたヒナ君のグッズは全て買い揃えて用意しなさい。全部揃ってから迫田さんに会って謝って許して貰わないと。」

「う…」

「迫田さんは拓人がヒナ君のグッズを揃えるまで私が預かる。」

「そんな!玲!!」

「全部返してくれないと絶対許さないから!!」

そう言い残して私は純也さんと去った

私は純也さんの家へ暫く居候させて貰うことになった


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