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第85話 侵入

夜中の23時、迫田さんから不穏な電話があった

“変な女が部屋に来た”

“凶器を持っている”

“拓人さんを助けて…”

迫田さんはそう言って電話を切った

私はすぐに警察に連絡をした

そして拓人さんの親である純也さんにも電話をして連絡する

「純也さん!大変です!拓人さんの部屋に凶器を持った女が侵入して…拓人さんが危ないと迫田さんから電話があって…」

「何だと…迫田さんは逃げたのか?拓人だけが部屋に残っていると?」

「おそらくそうです…。警察には連絡済みです。私は拓人さんの部屋の合鍵を持っています。これから様子を見に行きます。」

「待て!1人で乗り込むのはさすがに危険すぎる!相手は凶器を持っているんだ!最悪殺されるぞ!警察が到着するまで待て!」

「いや…警察が到着するまで5分はかかります。そんなに待っていたら拓人さんが刺された場合助からないかもしれません。護身用のスタンガンは持っていきます。危険だと判断したらすぐに逃げます。だから…行きます。」

「私も今すぐに向かう!15分程かかってしまうが、急いで向かうから!危険だと判断したら必ず逃げるんだぞ!!」

「はい。」

私は純也さんとの電話を切り、スタンガンを持って拓人さんの部屋へと向かう

部屋の前の扉に着くと

「…!!」

血が…落ちている

誰かが刺されたんだ

おそらく…迫田さんだ

刺されたから迫田さんは逃げたんだ

迫田さんは無事なの!?

…いや、迫田さんは逃げ出したんだ

自分で救急車を呼んでいる可能性が高い

問題は中に残っている拓人さんの方だ

それに…迫田さんは私に拓人さんを助けて欲しいとお願いした

だから…迫田さんは心配だけど…私が今できることをやる!!

私は合鍵を使ってゆっくりと侵入した

玄関には見知らぬ女物の靴がある

まだ部屋の中にいるんだ

!?

玄関にはさっさと比べ物にならないほど大量に血が落ちていた

こんなに血が出るほど迫田さんは刺されたの?

本当に無事なの?

力尽きてどこかで死んでる可能性だって…

それに私も…刺されて死ぬかもしれない

恐怖で震える

やっぱり警察が着いてからの方がいいかもしれないと弱気になる

でも…そんな考えはすぐに打ち消す

今すぐに拓人さんを見つけたら助かるかもしれない

様子を見るだけでも…成し遂げないければ

私は足音を立てずにゆっくりとリビングまで歩く

リビングには誰もいない

私は拓人さんの寝室へと向かう

寝室の扉の前で大きく深呼吸をする

少し…覗くだけ

私は扉をバレないようにゆっくりと空けて中の様子を伺う

…!!

いた!!女の人が拓人さんの服を脱がしている…

殺そうとしている気配は今のところない

強盗目的?

金目の物を盗むのに邪魔な迫田さんを刺したのか?

拓人さんは抵抗する様子もなく寝ている

拓人さんの様子がおかしい。薬を盛られて眠らされているかもしれない

女の人は拓人さんを全裸にさせていく

これは…もしかして強姦目的?

このまま見過ごしていたら拓人さんが襲われてしまう

女の人の手には凶器が見当たらない

今は手にしていないようだ

私は勇気を振り絞って部屋に侵入した

一目散に女の人を目掛けてスタンガンを持って走る

女の人は驚いていたが、凶器はすぐに手にすることが出来ずに

ビビビビビ!!!

「ぐわあああああああああああああああ!!」

女の人はスタンガンの電撃で動けなくなった

「くそッ…こんなに早く…助けが来るとは…!」

私を恐ろしい目で睨みつけながら女の人は言う

「警察にも通報している!もう逃げられないぞ!!」

「あの女…トドメさして殺しておくべきだったな…」

「迫田さんを刺したのか!!迫田さんは無事なのか!?」

「…さぁ…命は無事でも…小説はもう書けないかもね…」

「まさか…」

「そう。右腕を刺したの!!あいつにとっては死ぬよりも地獄かもね!!アハハハハハ!!」

そう言った後に、女は急に立ち上がり枕元にあった包丁を持つ

そのまま私に向かってきたので、私は急いで部屋の扉を閉めて逃げた

扉をガチャガチャと女が開けようとするのを必死に塞ぐ

「開けろ!開けなければ拓人さんを殺す!」

「絶対開けません!」

「じゃあ拓人さんは死ぬわよ!いいのね!この人殺し!!」

「…。」

扉をガチャガチャと開けようとする気配はなくなった

私はおそるおそる扉を開けると

ガッ!!

「ひっ!!」

女の人の手が扉の隙間に入り扉を無理矢理開けようとしている

私は必死に抵抗をして扉を閉めようとする

「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる!!」

恐怖で頭が真っ白になる

扉が開いたら死ぬ!!


ピンポーン

とインターホンが鳴った

警察か純也さんだ!!

私は大声で叫ぶ

「助けてください!!早く!!殺される!!」

私の声を聞いて警察が中に入ってきた

私はすぐに警察に保護されて、寝室にいた女の人はあっという間に捕まった

女の人はすぐにパトカーに乗せられて連れて行かれた

そうしているうちに純也さんも拓人さんの部屋に到着した

私は事情聴取の為に事件の内容を話す

「この血は?誰が刺されたのですか?」

「迫田さんです。」

「何だと!?迫田さんが刺されたのか!?」

と純也さんは驚愕している

「迫田さんは?今どこに?」

「わからないです…迫田さんから電話があって助けを求められました。だから急いで部屋に向かいました。部屋にいたのは女の人と拓人さんだけでした。迫田さんは刺された後、逃げたんだと思います。」

「どこに逃げたかは知らないと…」

「はい…」

「電話!迫田さんに電話してみよう!」

と純也さんは言って迫田さんに電話をした

「…ダメだ。繋がらない。」

「おそらく治療中ですよ。今は電話に出られないだけだと…」

「そうだといいが…」

私はその後も警察に今日の事件の出来事を話した

拓人さんは昏睡状態で、薬を盛られた可能性があるので救急車に運ばれて病院へと連れて行かれた

付き添いで純也さんが一緒に救急車に乗ることになった

「鈴木さん。今日は本当にありがとう。拓人が無事なのは鈴木さんのおかげだ。」

「まだ目を覚さないから無事かはわからないですが…」

「呼吸は安定している。おそらく大丈夫だと思う。本当にありがとう。」

「でも…迫田さんが心配です。右腕を刺したと女は言っていました。小説を書けなくしたと…」

「今も見つかっていないからな…右腕を刺されたんだ。すぐに病院に行っているはずだ。」

「無事だといいのですが…」

「今日は鈴木さんも疲れただろう。ゆっくり休んでくれ。」

「はい…」

私は救急車に乗る拓人さんと純也さんを見送り、警察の現場検証を見守ってから、ようやく自宅へ帰ることが出来た

自宅へ帰っても眠ることができなかった

迫田さん…

私は迫田さんに電話をしてみるが、繋がらない

血だらけの玄関が脳裏から離れない

警察はこれだけ出血していれば最悪死んでいると言っていた

無事でいて…お願いだから

電話に出て、明るい声でまた話して欲しい

“心配かけてごめんね!右腕も平気だよ!”って言って欲しい

どこにいるの?

本当に無事なの?

どこかで死んでたりしないよね?

不安で眠りになんてつけなかった




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