第83話 まずい
非常にまずい
私は頭を抱えてここ1週間の行いを反省する
まず…結婚式の後に家に招き入れたことがまずかった
まさか私が寝ている間にまさか引越し作業をしていて拓人さんと同棲することになるなんて…
ここですぐに出ていくべきだったんだ
前回ミナが私を無理矢理引越しした時は意外と居心地が良くなって楽しい同居になったから危機感があまりなかったのがいけなかったんだ
ミナと拓人さんと3人で同居した生活とあまり変わらないんじゃないかと思って前回と同じように無防備に過ごしすぎたのがダメなんだ
引越しした次の日におはようのキスとおかえりのキスを許してしまったことがいけなかったんだ
軽いキスだし…まぁいっかと思ってしまったのがダメだったんだ
強く拒絶しなくちゃいけなかったんだ
3日目には濃厚なキスをするようになってしまった
さすがに頭突きして抵抗したけど…
4日目にはもうセックスしてしまった
…自分がバカだとは思っていたけれどここまでバカだったなんて
でもさ…ダメって言った後に“本当にダメ?”っておねだりされたら拒否出来ないよ!!
拓人さんの顔がいいのがいけない
声がいいのもいけない
あんなの全人類拒絶なんて出来ないよ!!
私は悪くない!!
決して私はチョロくもないし、流されてるわけではない!!
それからずるずると毎日セックスしていても!!
私は悪くない!!
てゆうか善悪の問題じゃなくない?
私達の今の関係って何?
恋人になることは断ったから…
え、まさかのセフレ?
流されるまま体の関係だけあるなんて
世間的にはセフレだよね
まさか自分がセフレと呼ばれる存在になるなんて
世の中何があるかわからないな
とにかく!!このセフレ関係をやめなければいけない!!
こんな爛れた関係は終わらせないといけない!!
「ただいま。」
と声がしたので、私は上を向くと軽くキスをされる
「フフッ…百面相してたけど…どうしたの?」
「私は気づいたの。私達は一回話し合わないといけないって。」
「そう…でも帰ってきてからまだご飯食べてないからご飯食べてからでもいい?」
「どうぞ。今日はビーフシチューだよ。温めて食べてね。」
「えぇ?玲が温めてくれないの?仕事で疲れちゃったからやってくれると嬉しいな。」
「…。」
私はキッチンに入り、ビーフシチューを温め直す
拓人さんはスーツから部屋着に着替えてキッチンに入ってきた
そして私を後ろから抱きしめる
「ちょっと…キッチンにいる時は触らないでって言ってるじゃん。」
「ごめん。エプロン姿が可愛くて…抱きしめるだけだから…」
「今日は私が作ったんだよ。」
「嬉しい。楽しみだな。」
「ねぇ。サラダ盛り付けるのに邪魔だからリビングで待っててよ。」
「んー…お皿に乗ってたら何でもいいから気にしないで。」
私はビーフシチューとサラダを準備してリビングのテーブルに置く
「いただきます。」
と手を合わせてから拓人さんは食べた
「凄く美味しいよ。いつも美味しい料理ありがとう。」
「家政婦の鈴木さんがいつも作ってるじゃん。私は時々だよ。」
「週に3回ぐらいは玲が作ってるんじゃないか。」
「自分で好きな食べ物を作りたいだけだよ。」
「嬉しいよ。いつもありがとう。」
「私そろそろ出て行こうと思うんだけど。」
「…出ていくってどこに?」
「え?それはまだ決めてないけど…」
「セキュリティが高い場所とか治安がいい場所とか近所トラブルがない所とか調べないといけないよ。玲は有名人だからね。」
「それは…不動産屋に相談して…」
「どこの不動産屋に行くの?」
「え?近所のかな…?」
「あのね…玲が不動産屋をうろうろしてるなんて知られたらあっという間に引越し先なんてリークされて全世界に玲の住所がバレることなるよ?」
「そんな大袈裟な…」
「大袈裟じゃない。今まで後をつけられて家を特定されたことなんて何度もあっただろう?」
「今はタクシーで移動してるから大丈夫だもん。」
「とにかく引越しする必要がないのに引越ししなくていいだろう?」
「あるよ!ズルズルと流されて体の関係までなっちゃって…こんな爛れたセフレ関係よくないよ!!」
「セフレ?誰と誰が?」
「私と拓人さんしかいないでしょう?」
「俺達は恋人同士だよ?」
「いやいや!私は断ったよね!?」
「でも…俺達は愛し合っていてセックスまでしている。立派な恋人同士だと思わないか?」
「うぐ…」
「玲も俺も幸せに暮らせている。玲が出ていく必要なんてないだろう?」
「でも…」
「ご馳走様でした。」
手を合わせて拓人さんは食事を終えた
ビーフシチューもサラダも完食している
「続きの話し合いはお皿を洗ってからでいい?」
「…いいよ。」
そう言って拓人さんはお皿を洗う
1人分のお皿洗いはすぐに終わった
「おまたせ。続きは俺の部屋で話そうか。」
「…いや。リビングで。」
「リビングでするの?玲は明るい場所でセックスすると恥ずかしがって嫌がるのに…そんな姿が可愛いから俺はリビングでもいいけど。」
「セックスはしない!話し合いをするって言ってる!!」
「話し合いならもう終わったじゃないか。俺達は晴れて恋人同士になって幸せな同棲生活をするって。」
「そんな結論じゃない!私は出て行く話を…」
「ダメだよ。そんなことしても無駄だから。玲が引越しをしたら俺は住所を特定して押しかけるから。」
「バレないように引っ越すもん。」
「無理だよ。絶対に逃がさないから。」
「こんな関係よくないよ!誰も幸せにならない!」
「俺は幸せだよ。玲が近くにいる生活がとても幸せだ…玲も幸せにする必ず。俺達は上手くいくよ。」
拓人さんはそう言って私に何度もキスをする
「好きだよ玲…好き…」
私は恥ずかしくて目を逸らす
そしたら顎クイをされて無理矢理視線を拓人さんに戻される
「ダメだよ。玲。こっちみて。」
私はおそるおそる目を見つめる
まずい…めちゃくちゃかっこいい…
「ねぇ…玲…俺の部屋行こう…?」
「で…でも…」
「お願い。」
「…今日だけだから。」
私は拓人さんの部屋に入ってベッドに押し倒される
自分の意思が薄弱すぎて逆に笑える
このまま流された方が気持ちいいし
揉めるのめんどくさいし
自分が本能に忠実すぎる性格だからダメなのかな
このまま恋に溺れて
小説が書けなくなったらどうしよう




