2章 50話 「サトリの防御方法はオタク考察って話」
すいません! 遅れました!
どうもこんにちは、キアーラ・カサッツァです。
温故知新という言葉があります。古きを温めて新しきを知るという四文字熟語です。
これは既に知っていることや、昔のことを調べ直す事で新しい知識や見解を導けるよという意味です。普通の人間がやることですからね。一度調べたとしても見落としや勘違い、単純な物忘れとかありますから有用だと思います。
つまり、ファーストを見直すことで閃光をより楽しめるということですね。
でも何もかも記憶しておける人間がいたら、古いものを見直しても新しい発見や喜びはないんでしょうね。常に古きを温めた状態なわけですから。
「とりあえず……すいませんでしたぁ!」
兎にも角にも元日本人として心からでた誠の謝罪行為、土下座を敢行し謝意を表明する所存。絨毯に頭突きを見舞って誠意をあらわにする俺。
よく考えてみればマダムが、俺たちの不利になることはしないと結論づけたばかりだし、何より俺たちを売ってなんの利益があるというのか。
「いえ、私も冷静ではなかったわ。ごめんなさい」
俺が土下座から五体投地に移行していると謝罪のお言葉をいただく。
いやいや、マダムは割と正当な反論しかしていないし悪いのは俺で……。
そう言うとマダムもいやいやと謝辞を重ね、いやいや、いやいやとジャパニーズサラリーマンみたくなった。
「うんうん♪ 二人ともちゃんと謝れてえらいわぁ♪」
しばらくそれを繰り返していたら、後方腕組み勢になっていたトントンさんがあらあらと嬉しそうに褒めてくれる。完全にお子ちゃま扱いだ。ついでに床に寝そべり状態だった俺を軽々と持ち上げて肩に乗せる。
だがまぁ、その対応になるのも宜なるかな。今日の俺は稚拙にして幼稚に過ぎた。
だから俺はここぞとばかりに頭を撫でてくるトントンさんを受け入れるばかりなのだが、マダムはお気に召せなかったらしい。
「また子供扱いして……」
不服そうに遺憾の意を表すが、ほんのりと頬を膨らませて抗議する姿からは説得力が失われている。
「子供扱いなんてしてないわよ♪ 手のかかる子だとは思ってるけど♪」
それを見てトントンさんは、ますます笑みを深めて嬉しそうにする。
「それを子供扱いというのよ」
何を言っても無駄と思ったのか、マダムはため息を一つ吐く。
トントンさんの肩に乗っているのでマダムを見下ろす感じになって新鮮だ。
「ふふふふ♪」
その姿すら楽しそうに見るトントンさんをみてふと思った。
……この二人の関係はどう言ったものなんだろうな?
少し考えてみたが、まぁ、いくら考えても正解に辿り着けないだろうという結論に至った。それこそ俺の想像の埒外だ。
俺は彼女を前世で父親にあたる人物と同じタイプの人間だと思っている。
全ての因果を理として認識し、例外や混沌すらも予測可能な事象として落とし込む。
それはつまり、あまねく全てをデータや数字で認識しているのに等しい。
それを利用し結果を確実に演算予測、確定出来る存在を前世の地球ではニュータイプと呼んでいたな。
『いや、ニュータイプはそんな便利な存在じゃないね? と言うか本当に地球にニュータイプがいたかの様な物言いだけどいないからね?』
ルナが俺の意見を否定してくる。
なるほど、つまりお前は地球の引力に魂をひかれたままの人類には可能性はないと言いたいわけだな? スペースノイド至上主義め……。
『なぜそうなるんだい……? そもそも彼女はニュータイプと言うよりは知識と経験則をもとに泥臭く予測を立てる戦争屋タイプだよ?』
なん……だと……? マダムはマスタイプじゃなくてラルタイプなのか……。
だけど、ランバさんはバイクで言うところのカブとも言えるザ○の良さを一切合切捨て去ったグ○とか言う不良品に乗り込んでいたにわか軍人だったはず。イメージが合わないぞ?いや、彼だからこそ、あの不良品で白いのを追い詰められたと考えれば辻褄は合うのか?
『そうだね。彼以外があの機体に乗っていたら瞬殺だったんじゃないかな? あの軍はいい人材が揃っているよ。パッカードとかアナベルとか。ただ統率された忠誠心あふれる軍人を擁立していたのに、兵器の設計のセンスが皆無だったから負けたんだと僕は思うよ?』
おいおい、ふざけんなよ。
ザムが量産できてれば勝ってたろうが!
コンセプトは間違ってないんだよ!
『いやいや、ちゃんとゲームやってるかい? あれちゃんと量産されたんだよ?』
あ、ゲームはやらないんで分からないです。
あと正史以外で語るのやめてもらえます? 認めてないんで。
ルナが派生作品の知識でマウントを取ってこようとするので話を打ち切る。
ブラック企業に勤めていた俺にはシュミレーションゲームに時間を費やすことは許されなかったのだ。
そしてルナと今世では絶対に通じない会話を繰り広げる事で、俺の考えを見抜かれない様にしてマダムを観察したところ、やはりトントンさんの前では血の通う人間に見える。
日頃は機械かAIの化身であるかの様に冷酷にして冷静にして冷徹であるが、トントンさんと会話をする彼女は安心して気を抜いているような印象を受ける。
最近は俺の前でもその様に振る舞うこともあるが、やはりそこには打算が先立つのだ。
彼女は俺がそれに気づいていることにも気づいているし、俺もそれを良しとしている。
そんな交友関係があってもいいと思っている。というよりも大人になってからの友人なんて少なからずそんなものだろうけどな。
そう思っていたらマダムからジト目を向けられた。
む。機動した戦士の話を打ち切ったので失礼なことを考えていたのがバレたか。
慌てて愛想笑いをしたけど時既に時間切れだったようで、ますます顔を顰められてしまった。
仕方ないので再度土下座形態に移行しようとしたところでマダムが真剣な顔をして告げてきた。
「情報を交換しましょう」
どうやら、お互いに心を落ち着ける為のリラックスタイムは有効活用できたようだ。
俺は気合いを入れるために肩を回しソファに座り直す。
さて。今度こそ答え合わせと行こうか。
お読みいただきまして有難うございます。
私はこの作品を書くときは必ず徹夜しているんですけど、その分休日に寝ちゃってるんですよね。
なので土曜日が休日の時は寝ちゃってるんですよ。
つまり何が言いたいかというと、予約投稿を忘れてすいませんでした!!!




