↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】無自覚転生令嬢の物理魔法  作者: 深谷 汎
第6章 古代魔道具 と 代替品開発

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
93/143

第90話 国家機密と代替魔道具

※毎日 朝5時に予約投稿で更新中

王太子は、積み上げられた木箱から視線を外すと、表情を改めた。


「ひとまず視察報告についてはここまでだ。ここからは、重大な話になる」


カイルとレオナルドも姿勢を正す。


王太子は、執務机の引き出しから別の書類を取り出した。


「私が一足先に王宮へ戻った後、陛下をはじめ、宰相、王立研究所長、王宮魔道具管理局長、宮廷図書館長、騎士団長を集めて会議を行った」


「洞窟の古代魔道具についてですか?」


「ああ。調査で判明した事実は、全て報告した」


王太子は、洞窟で確認された内容を改めて説明していく。


洞窟最深部に築かれていた祭壇。


地下深くから流れ込む、莫大なエネルギー。


そのエネルギーから、火の魔石を生成する仕組み。


そして、古代魔道具が今も稼働を続けることで、ベレニケ領の火山活動が抑えられている可能性。


どれも、事実が広まれば領民だけでなく、王国全体へ大きな不安を与えかねない内容だった。


「陛下の命により、本件は国家機密となった。全容を知る者は、必要最小限にとどめる」


「承知しました」


「各部署には、それぞれの役目を果たすために必要な情報だけを伝える。研究員には調査と解析、司書には文献の収集、騎士には古代魔道具と関連施設の警備だ」


王太子は机の上へ一枚の書類を広げた。


そこには、既に決定された各部署の役割が記されている。


「王立研究所は、解析班と代替魔道具開発班の二班へ再編した。解析班は、洞窟で得られた調査記録と、王宮の宝物庫に保管されている古代魔道具を調べる」


「宝物庫の古代魔道具もですか?」


「ああ。王宮魔道具管理局へ命じ、古代文明のものと思われる魔道具を選別させている。安全に移動できるものから、順次、研究所へ搬入する予定だ」


「宮廷図書館では、古代文明に関する文献の調査が始まっているのですね」


レオナルドが尋ねる。


「既に始まっている。年代や内容を問わず、関係する可能性のある文献は全て集めさせている。各地の貴族や修道院が保管している記録についても、今後調査する予定だ」


王太子は別の書類を示した。


そこには、王立研究所内に用意された区画と、配置される研究員や職人の人数が記されていた。


「代替魔道具の開発に必要な場所、人員、予算も確保した。研究所内に専用の開発室を設け、魔石、金属、耐熱材など、現時点で必要と思われる材料も集めさせている」


「随分と早いですね」


「いつまで古代魔道具が動き続けるのか、誰にも分からないからな」


王太子の声が低くなる。


「今も正常に動いているように見えるからといって、明日も同じとは限らない。故障してから代わりを作り始めたのでは遅い」


カイルとレオナルドは、何も言わずに頷いた。


ベレニケ領の地下に蓄えられる、莫大なエネルギー。


それを処理している古代魔道具が停止すれば、何が起こるのか正確には分かっていない。


だが、決して小さな被害では済まないことだけは明らかだった。


「ただし、現存する古代魔道具には、可能な限り手を加えない」


王太子は続けた。


「構造を調べるために分解し、元へ戻せなくなれば本末転倒だ。まずは調査記録や他の古代魔道具、文献を用いて仕組みを推定する」


「その上で、現在の古代魔道具を止めずに、別の装置を作るということですね」


「ああ。完全に同じものを再現する必要はない。最優先すべきは、地下から流れ込むエネルギーを受け止め、安全な形へ変換することだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。