第49話 ベクトルが違うのに成立する会話
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バァーンッ!!
再び勢いよく演習場の扉が開かれ、マクシミリアンとリリィが乗り込んできた。
二人の目に飛び込んできたのは、部屋の隅で肩を落とし項垂れいるアリスと、その側で、輝く魔法陣(魔改造された新理論)を見せつけているセドリックの姿だった。
「ああっ……私の三日間の計算式が、たった一瞬でこんな……」
「アリス嬢! あなたの理論から、こんな素晴らしい魔法が出来上がりました!」
アリスは死んだ魚のような目で虚空を見つめ、セドリックは「さあ、褒めて!」と言わんばかりに目を輝かせている。
その光景を見たマクシミリアンは、勝ち誇ったように笑った。
「見ろ、リリィ! あの悪魔が、セドリック様によって完全に制圧されているぞ!」
「ア、アリス様……! なんて酷い……!」
リリィは悲鳴を上げ、ポロポロと涙をこぼした。
(あの気高いアリス様が、あんな無慈悲な方法で痛めつけられているなんて!)
「セドリック様! 離れてください! アリス様が苦しんでおられます!!」
涙ながらに訴えるリリィ。その言葉を聞いたセドリックは、心外だとばかりに目を丸くした。
「苦しんでいる!? 誤解しないでいただきたい。私は彼女に、この数式の素晴らしさを見てほしいだけです! なのに彼女は、目を背けて見てくれないんです……」
「数式の素晴らしさ……そうですね……私なんてただの踏み台……」
アリスは、今日もまた、セドリックの言葉に心を折られブツブツつぶやいた。
そんなアリスの状態を見たマクシミリアンが声高々に
「さすがはセドリック様だ! 己の圧倒的な力を見せつけ、アリスに自身の無力さ(現実)を分からせ、完全に心を折ろうというのですね!」
「……は? いや、私はただ褒めてほしくて――」
今度はリリィが、セドリックをキッと睨みつけ
「圧倒的な力でねじ伏せ、心を折るだなんて……! アリス様、どうかそんな男に屈してはなりません!」
見事に全員のベクトルが明後日の方向へ向かっている。
会話は成立しているように見えるが、その意味するところは完全に乖離していた。
「……お前ら、ちょっと待て」
見かねたカイル殿下が、頭を抱えながら歩み寄ってきた。
(この状況を収束できるのは、真実を理解している自分しかいない。いや、先日の二の舞になる前になんとしても収束させなければ……)
「マクシミリアン、リリィ嬢。お前たちは勘違いをしている。セドリックはアリス嬢を攻撃しているのではなく、ただ彼女にいい所を見せようとアピールしているだけ。で、彼女は、そのセドリックのチート頭脳に自信を粉砕されて拗ねているだけだ。理解できたかい?」
的確かつ簡潔な説明。
これで全員の誤解が解けるはず――そう確信していたカイル殿下だったが。
(マクシミリアン)
「なるほど! いい所を見せるふりをして、アリスを油断させ、精神的に追い詰めるという高度な心理戦ですね! セドリック様、さすがです!」
(リリィ)
「いい所を見せるふりをして油断させるなんて……どこまで狡猾なの! アリス様、私が必ずお救いしてみせますわ!」
(セドリック)
「狡猾!? 殿下、どういうつもりですか!貴方のせいで、私の好感度がさらに下がっている気がするのですが……!」
(アリス)
「もうなんでもいいです……帰りたい……誰か私を帰して……」
(カイル殿下)
「…………」
カイル殿下は、そっと胃の辺りを押さえた。
何を言っても、彼らには「新たな勘違いの燃料」にしかならないのだ。
(ダメだ、こいつら……もう誰の言葉も届かない……)
「キャラクター紹介動画(AI動画)」をYouTubeにアップしました!
AI生成歴約2ヵ月の未熟者がつくった動画のため、不自然、お見苦しい所も多々あるかと思いますが、小説の合間の息抜きに、映像の方でも世界観を楽しんでいただけると幸いです!
(※一部キャラクターの瞳の色などが小説の設定と異なった仕上がりになっている部分があります。未熟者のAI生成ということでご容赦ください。)
▼YouTubeリンクはこちら
https://youtu.be/ikbtPCBunl8




