表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無自覚転生令嬢の物理魔法  作者: 深谷 汎
第2章 側近の秘密 と 王太子暗殺未遂事件

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/92

第14話 高スペックな側近

※第14話・第15話は同時投稿です。

セドリック様との秘密の講習が始まって、一ヶ月が経過した。 研究室の黒板に、私は「合格」を意味する大きな円を描いた。

「おめでとうございます、セドリック様。原理の理解はおおかた大丈夫ですね。次からは、いよいよ実技に入りましょう」

私の言葉に、セドリック様は僅かに安堵の息を漏らした。


正直なところ、私は驚愕していた。前世の大学生でも数ヶ月はかかるであろう物理学の基礎概念を、彼はわずか一ヶ月で、しかも「魔法」というバイアスを抱えた状態で咀嚼してみせたのだ。


(学園トップクラスの頭脳……いえ、彼の脳内における情報処理の『並列化』と『最適化』のレベルが違いすぎるわね。これほどの高スペックなCPU……知性を備えた人物と出会えたことは、私の研究にとっても大きな利益ベネフィットだわ)


物理と魔法の境界線を共に歩める「観測者」の存在。それは、孤独に慣れきっていた私の心に、未知の期待という名の熱量をもたらしていた。


***

「実技……。やっと、あの現象を自ら再現できるのか」

セドリックは、自分の指先をじっと見つめた。


この一ヶ月、彼のこれまでの常識は完膚なきまでに叩き壊された。 魔法は「祈り」でも「イメージ」でもなく、明確な数式と法則に基づいた「力の指向性」であるという概念。それを受け入れ、血肉とする作業は、これまでのどんな高難度魔法の習得よりも困難を極めた。


(アリス嬢が言っていた『慣性』や『作用反作用』……。既存の属性魔法という枠組みを一度捨て去らなければ、彼女の到達している領域には触れることすらできない)


最後の座学を終え、セドリックは生徒会室での執務に向かうべく立ち上がった。 次からは、実際に物質を動かす実技が始まる。その高揚感が、彼の冷徹な仮面の裏側で、静かに、だが確かに波打っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ