〈9−3〉あまねの決意
『あまねを変えてくれる人がいるかもしれないじゃないか』
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あまねはこの学園に送ってくれた。おじさんの言葉を思い出した。 といってもおじさんと言っていいのかわからない容姿だけど。
(あのひとの言葉信じてもいいのかもね。だって あまねの心をこんなに動かしてくれる人と出会えたんだから。)
あまねの顔は泣いているが嬉そうな顔をして声のする方を凝視していた。
うりむくんも友達になりたいって思ってたんだ……。こんなだめだめな僕を……。
僕はあの人の元に行きたい……。ちゃっと会って謝って、友達になってください!って言うんだ!!
声のする方向へと真っ暗の中歩き出した。
(いってらっしゃい。あまね)
あまねは後ろに振り向かず前に進む。
(あーちゃんこれだけはおぼえておきなさい。かあさんだっていってるでしょ。
人を簡単に信用するな。――――――――。だけど、信じたい人ができたら、己をかけてでも守るのよ。ってね!
うりむくん!!!助けたい!!!
その瞬間突風が吹かれた。
あまねは木にもたれ掛かりながら、気を失っていた。
あ、戻ってこれたんだ。
自分の両手を見ながら思った。
「!うりむくんは!」
自分の目的を思い出し、巨大うさぎの方へと、うりむくんの方へと目線を向けた。
すると状況は僕の予想と違った。
「え!?」
巨大うさぎは竜巻のようなものに囚われていた。しかもその竜巻のような風の渦は周りの土や木々くさまでも巻き込もうとする勢いだ。
「あまね!気づいたか!」
うりむくんは巨大うさぎにかろうじてひっつき耐えているところだった。
「あまね!止めてくれ!お前の異能だろ」
「僕そんなのできないよ!!」
「じゃあ、お前のその手はなんだ?」
うりむくんの声の通り、自分の手を見ようとする。
さっき見たしなんともないよ、、
疑いながらも見てみた。
なんで、なんで、僕の手の周りに風が集まってるの?
うりむの言っていた通り、あまねの手と腕には水色の風が巻き付いていた。
よく見たら竜巻も僕の手と同じ水色の風だ。じゃあ僕がこの風を?
あまねはこれまでのパニックになることより先に来た疑問があった。
どうして?
というものだ。
僕の異能は浮遊。人を浮遊させたり、ものを浮かせる能力だ。しかも僕は物に関しては少ししか浮かせられないのに、
そんなこと考えるより、うりむくんを助けなきゃ、とりあえずこの意味わかんない風をどうにかしないと、
「うりむくん抑え方わかんない!どうしたらいい?」
あまねはこんなこと今まで一度もなかったので抑え方がわからないのだ。
少し考えたのか、回答は少し遅れて帰ってきた。
「俺のことは気にすんな!異能を強制終了しろ!無理に抑えなくていいぞ〜。」
「そんな、気楽に答えられても……。」
でも、うりむくんが言うなら……。本当になんとかしちゃうかも。やってみよう!
あまねにはすこし自信がついていた。
勇気を出して、やっちゃえ!!!! 止まって!
そう、願った瞬間幸い止まってくれた。
よかった。うりむくんは?
「うりむくん?」
上に目線を見せると銃を打ちながら落ちてくるうりむくんがいた。
「やべっt」
そういった瞬間地面にうりむくんは叩きつけられた。
「大丈夫!?」
僕はすぐさまうりむくんのもとへとかけた。
「うりむくん?」
「あははっ」
「笑ってる場合!?怪我は?」
「大丈夫w久しぶりに失敗しちゃったから笑えちゃっただけ」
本当に大丈夫かな?戦闘服けっこう土だらけだけど……。
それもそのはず、うりむは巨大うさぎとほぼ同じ高さ、約20メートルから落ちたのだ、骨が折れてもおかしくない高さ。
「それにもよくやったな!あまね」
「?どういうこと?僕なんにもしてないよ?」
「しただろうが。後ろみてみな」
後ろを振り返ってみるとずっと戦っていた巨大うさぎの原型が少しずつひかりの粉となり消えていくところだった。
「お前がやったんだよ。さっきの風であいつ落下したんだ。お前がトドメをさしたんだよ。」
そんなの信じられなかった
「あの風って本当に僕の異能なの?浮遊にあんな力があると思えないんだけど……。」
うりむくんは僕にまっすぐ向かって言ってくれた。
「あまねがこのクラスに入ったのはそういう理由なんじゃない?異能の可能性、もっと言っちゃえば複数個性の可能性まであるかも。
そもそも、初級クラスに入ってる事が未来を期待されてる証なんだし、こっから勉強していけばいいでしょ。そういう場所なんだろ?学園って」
その言葉でやっとこの学園に入った意味。なぜここにいるのかが明確になった気がした。
ほんとすごいなこの人は。
「うりむくん!!」
「ん?」
あまねとうりむは主を失った広場に座り込んでいた。うりむくんはものすごく崩して座ってたけどね。
「色々迷惑かけたし、今回だってダメダメだったけど……」
うりむは静かにあまねの声に耳を傾けていた。
「……ぼっtぼくと!お友達になってください!」
うりむくんの方をチラッと見た。
びっくりしている表情だった。
「友達ってなんだ?」
え?
僕はぽかんとしてしまった。友達を知らない?
「ごめん。友達について勉強したことがなくて……。」
うりむは頭を掻きながら困惑した表情をしている。
「ふっswww」
「なんだよ!」
「いやw完璧なうりむくんでもそんな事あるんだなって思ってw」
「悪いかよ!」
「いいやw僕もできたこと無いからあんまわかんない」
僕はうりむくんと笑い合っていた。
「友達ってのは〜一緒にいて楽しくて、守りたい存在?」
「なんで疑問形なんだよ。 とりあえず怖いものじゃないんだな」
「うん!」
「じゃあなるよ。あまねとは今後も仲良くしたいし。」
「ありがとう!うりむくん」
幸せだ。
家族との幸せとは違う。心が跳ねるようなそんな気分だ。




