〈8−1〉敵
「それって今目の前にいる巨大うさぎのことか?」
「いるぅ!?」
――――――――――――――――――――――
「なんで?こんなとこに……」
そもそもボスってゲームで言うラスボス的な立場でいるからって先生言ってなかったっけ?!
あのウサギ少なくとも20メートルはあるんだけど?!
{※20メートルはだいたい電柱2つ分くらいの長さです。}
「多分この広場こいつのエリアだったんじゃねぇか?」
「エリア?」
「ゲームとかであるじゃんよく、ボスがいるエリアって」
「勝手に入ってきたから怒ってるのかな……」
僕とうりむくんは、巨大うさぎに睨まれながら、物陰に隠れた。
「とりあえず、やみくもに攻撃はしてこないみたいだな」
うりむくんの言っていた通り、あのうさぎは睨んで、いかにも怖いオーラを放ってはいるが、攻撃を仕掛けてくるどころか、僕たちが存在に気付いてから一歩も動いていない。
「じゃあ早く逃げようよ。こんな怪物かなうわけない、」
「え?戦わないの?」
僕の言葉にうりむくんはびっくりしたような表情だった。
「だって、戦ったことないし、怖いし……」
「あれ、コインになるんだよな」
「うん そうだけど……」
うりむくんは巨大うさぎのほうを見て言った。そして、少し口角が上がった、そんな気がした。
「ならこっちのほうが手っ取り早いじゃねぇか。」
うりむくんはこちらに手を差し出してきた。
「一緒にやらない?」
僕はその手を躊躇した。だって戦ったこともないのに、しかも僕がそんなこと……。
「コイン1つでも、別のやつ倒しに行けばいいし、席同じになったよしみで仲よくしない?」
僕はうりむくんの言葉がうれしかった。少しだけ、心が揺らいだ。
「わっ かった、弱いけど、、やってみたい。」
「よかった。サポートはするから」
「ありがとう。うりむくん」
あまねの胸がほんの少し温かくなったのか?そんな片鱗が見えた。あまねは生まれてこの方、友と呼べる人ができたことがない、友達になろうとも言われたことがない。
あまねにとっては人生初めての経験ばかりだった。
「作戦会議といこうか、まずお互いの異能共有しておきたい。俺は射撃、銃をメインに使う。メインは、スナイパーと二丁拳銃も使える。」
うりむくんは自分の異能を説明してくれた。実際に目の前にスナイパーも生み出してくれ、実物をみせてくれた。
「すっすごいね。」
「あまねは?自己紹介で空飛ぶのが好きって言ってと思うけど浮遊系統?」
「う、うん 僕は浮遊で、空飛んだり、ものを浮かせたりできるよ。 だけど僕、あんまり異能使いこなせなくて、ものを浮かせるのは、人ひとりが限界だし、浮かせても数十センチが限界……」
うりむくんは何か考えているのか、出した銃を横に置き、手を顎にあてている。
「ごめんね。戦力になれなくて……。」
うりむくんしか火力担当がいない。しかもうりむくんのメインはスナイパー、あの巨大うさぎだって攻撃を受けたらさすがに攻撃を仕掛けてくる。睨んでるだけとはいえ、モチーフは、インヴィクタの本来の敵、魔物だ。本来倒さなきゃいけない相手なのに。
「あぁ!ごめん作戦考えてた。火力担当の異能はいないけど勝算はあるぞ?」
「でも、」
「火力がないなら前に出なければいい。 俺とあまねもどっちかというとサポートがメインの異能だけど、前になるべく出ずに倒す方法はたくさんある。」
「ほんとうに!? うりむくんそういうの得意なの?」
「得意ではないが、魔物狩りは何回か経験があってな」
経験、すごいな。大体は専門の学校に入ってから習うものなのに。




