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神への詳細と訪問者

 は?唐突な神になれ宣言で口をパクパクしていると、ゴードンは詳細を語り始めた。


「正確に言うと人工的に作られた創造神だな。前回の異精霊化した精霊を創造神にした際には、事象の改変で人間の住む地域の地脈を移動させてもらい、人間の弱体化に成功した。しかし、最近になって地脈を動かした一帯で地震が頻発し、地殻変動の兆候が見え始めたのだ」


 あぁ、フェリーゼが地震が増えてるって言ってたし、岩の妖精のゴレイユは地脈が騒がしいと言っていた気がする。原因は地脈の移動だったのか。


「それに創造神の状態は一時的なもので、その後は体が消滅し、神精石なる魔石になってしまうのだ。ただ、詳しい理由は分からんが、形見として魔剣に装着させたら親しい装備者との会話が出来るようになったらしい。なので消滅はしないようなのでそこは安心するように」


 どうやら神精石なる状態になっても意思の疎通は出来るらしいが、安心なんて出来るか!もっと詳しい情報プリーズ!


「なぜソラにお願いするかというと、一度異精霊化した精霊は理から外れ、他の属性の精魔石を取り込むことが可能になるのだ。全属性の品質の近い精魔石を集め、吸収することで創造神へと神化する。我々の願いは地脈を元の位置に戻してほしいことと、人類の滅亡だ」


 ん?地脈を戻して理由は分かる。そこでなぜ人類の滅亡が入ってくるのだろうか?


「なぜ人類の滅亡を望んでいるのですか?」


「お主なら分かるだろう?人間の技術力が何れどこまで高みへ至るか。人外大戦のこともある。我々は大きな芽になる前に摘んでおきたいのだ。別に今すぐにとは言わん。強制もしない。ただ検討してほしいのだ。お主の住んでおった森をまた攻められたくはなかろう?」


 確かに、魔法のなかった俺のいた世界では宇宙へ進出するまでの技術力があった。それにここは魔法のある世界だ。物理学で阻まれていた障害もここなら魔法で何とかしてしまうかもしれない。


 それに仲間達の危機は見過ごせない。長命種のエルフやドワーフ、それに精霊の俺なら森に過ごしている間に何回も襲われる可能性がある。一人で決めたくないな…。


「悪いけど、戻って色々な人の意見を聞いて考えてから決めたいな」


「それが良かろう。お主は時間が出来たら南に住んでいる魔族の元へ赴くと良い。魔族の長が持っている魔剣が以前、創精神となった精霊だ。名をエリーゼ。お主と同じく風の精霊でもあった」


 エリーゼ…か。まずは森へ戻って皆の意見を聞いてその後南の魔族に会いに行く感じかな。


「あぁ、それとまだ森へは戻らないでここに留まっていてくれ。北の魔族もお主と会いたがっていた。お主の異精霊化が解ければ使いを出すと言っておったな」


 なんか俺色んなところで引っ張りだこだな。悪い気はしないが、なぜだろうか。嫌な予感がする。


「他に何か聞きたいことはあるか?」


 腕を組みながら少し考える。そういえば、魔力の操作や感知は出来るようになったが、体を変形させるのが難しくなっている気がする。というか前の姿を維持するのに意識を集中していないといけないのだ。こののっぺらぼうな顔と六本の腕は化け物じみていてリンやマシロ達に嫌がられそうだ。


 ゴードンなら何か知ってるかもしれない、聞いてみるか。


「姿形を変えるのが難しくなってるんですけど、どうしたらいいと思いますか?」


「あぁ、そんなことか。エリーゼも姿形を変えれるのが難しくなっておったな。だが、結局は異精霊の形で過ごしていた。以前の姿を保てるように努力してみたらしいが、どうしても気を緩めると戻ってしまうため、諦めていた」


 つまり、このままの姿で生活しろということか…。エリーゼが努力してダメだったなら俺がやっても同じことだろう。前例があるおかげで無駄な努力をしなくて済む安心感と、どうしようもないやるせなさが同時に押し寄せてくる。


 この姿でもリンとマシロ達が変わらないことを祈るしかないのか…。


「先ほど、北の魔族に使いを出したから直に迎えが来るだろう。それまでは我らと将棋とオセロを指そうではないか」


 尻尾がバシンバシンと地面を叩いている。余程将棋とオセロが気に入ったようだ。そういえば、ゴードンとはまだ一回も指していない。俺と同じく動かないで相手をする側だったからだ。


「じゃあ、迎えが来る前に相手をしてないゴードンやハレルヤ、アレルヤと対戦でもしようか」


「望むところだ!」


 こうして、迎えが来るまでゴードンとハレルヤ、アレルヤと対戦をしたのだが、一度も勝てなかった…。上位精霊は魔力だけじゃなくて知能も高いようだ。自分の弱さにガッカリである。


「ソラ、お主、考え事をしながら指しておるな?雑念が感じられる。それでは勝てないのは当然だろう」


 将棋とオセロを始めたばかりの初心者に諭される始末である。事実、前の世界では考え事をしながら並行して作業をすることが多く、その癖が抜けないのだ。


 スマホやPCを操作しながら、音楽を垂れ流し、漫画やアニメを見ていたせいだろう。現代人の殆どは並行して作業していることが多いから俺だけじゃないと思う。ながらスマホは流石に危なくてしなかったけどね。


「また、考え事をしておるな。ほら、お主に迎えが来たようだぞ。あれが北の魔族の使いだろう」


 ゴードンが指を指している方へ視線を向けると、額に一本角を生やし、全身褐色で世紀末風の服装を身に纏っている魔族がこちらに向かって歩いて来るのが見えた。

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