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マリンとノアの成長1

 マリンとノア相手に2面で将棋やオセロを指しているが、気を抜くと負けそうなくらいに強くなっている。


 まあ、お留守番の時は何もすることがないから、暇つぶしに将棋やオセロ三昧なんだろうが、これは抜かされるのも時間の問題だな。俺も成長しているはずなんだけど…。


 将棋とオセロに夢中になっているうちに、窓から朝日が差し込んできた。


 ベッドからモゾモゾとした音が聞こえてくる。目を擦りながらマシロが起きてきて、「おはよー」と挨拶を終えた後、朝食の準備を始めた。


 リンとラピス、レイはまだ起きてこない。


 リンはまだスヤスヤと寝息を立てながら寝返りをうっている。寝相が悪いのか掛け布団がはだけ、お腹が見えている。普通ならお腹を冷やして体調を崩しそうだが、リンなら問題あるまい。開けた布団が蠢いているのが見えるが、中にはみーにゃが寝ているに違いない。


 ラピスと話をしたいのだが、お酒の影響がまだ残ってるのか、なかなか起きてこない。


 結局、マシロが朝食の準備を終える頃に、ラピスとレイが欠伸をしながら起きてきた。欠伸が伝染したのか、マシロも釣られて欠伸をしている。まだ皆眠たそうだ。


 マシロがリンの元に駆け寄り、優しく肩を揺さぶりながら「リンお姉ちゃん、朝食だよ~、起きて~」と起こしてあげている。


 リンは目を見開いたと思ったら勢いよく飛び起きて、背伸びをしつつ「あ~、良く寝た~。ありがとうマシロ、お腹ペコペコだよ~」とベッドを降りて、テーブルにある朝食に手を伸ばそうとする。


 流石に行儀が悪いと思ったのか、ラピスがその伸びた手を叩き落として注意する。


「朝食は逃げないんだから、ちゃんと椅子に座ってから食べなさいよね!」


「いいじゃん、別に~」


 と文句を言いながら、椅子に腰かけ、朝食を食べ始めた。


 俺はそんな光景を見ながら、こんな生活が長く続けばいいな~と、思いにふけっていた。


 皆の朝食が終わる所を見計らって、ラピスに相談を持ち掛ける。


「ラピス。精霊や妖精って思考を送ることで知識を蓄積していけるんだよな?それで思ったんだけど、マリンとノアに俺の知識を教えることで、戦力にならないかなって思ったんだけど、試してもいいかな?」


「は?ダメに決まってるでしょ!絶対何かやらかす未来しか見えないわ。あたしは嫌だからね!」


 頭を横に振って絶対嫌と拒否られてしまった。でもそれを聞き逃さなかったリンが面白がってラピスに駄々を捏ね出す。


「面白そうじゃない!ラピス、やってみようよ~。どうせ村に行っても私、飛行機とか作れないし、暇なんだもん!」


 最近のリンと言えば、飛行機を飛ばすためにペダルを漕ぐくらいしかしてないからな。飛行船を作ることになっても作るのはドワーフの職人達だ。リンも手伝えることがあればいいんだが、現状、リンに手伝えることはない。


「ねぇねぇ。マリンとノアはどう?ソラから色々教わりたいと思わない?」


 それを聞いたマリンとノアは飛び跳ねながら「面白そうー、パパに教わってみたいー」と追い打ちをかけてくる。


 ラピスは渋々折れたが、エンデに「何かあったら連絡よろしく。それと責任はリンとソラに取らせて。あたしは反対したからね!」とやらかし前提で話を締めくくる。


 これで今日の予定は、マリンとノアに俺の知識を教えるとどの様に成長、変化するのか試してみることになった。


 魔法の練習場となっている空地に向かうのは俺とリン、ラピスにマリンとノアになった。マシロ達は家でお留守番だ。


 空地に着くと、昨日の雨の影響で所々に水溜りがあり、地面が抜かるんでいた。マリンとノアにとっては良い状況かも知れない。水と土の精霊だからね。


 まずは、マリンとノアが今どんな魔法を使えるのか確認することにした。


 先にマリンから確認してみる。


 マリンは地面から水を吸い上げて体を徐々に大きくしていく。大きくなるにつれラピスの形は保てなくなるみたいで最終的にプリンの様な形になった。


 そして、適当に置いてある岩に向かって、体から水の塊をピュピュッと撃ち出し、岩に命中させる。


 岩が濡れるだけで、大した威力にはなっていない。



 次に自身を中心に水溜りを作り、水溜りから無数の突起物を隆起させる。すかさずリンが、水の突起物をモグラ叩きみたいに次々に叩き潰していく。魔力が足りていないのだろう、全然固くないみたいだ。


 刺さったらどうするつもりだよ…。リンは危機感なさすぎる。


「パパー、これくらいしか今できないよー」


 プルプル体を揺らしながらマリンがこちらに近付いて来る。つい触りたくなって両手でマリンを揉みしだく。心地よい温度と水風船の様な張りのある弾力がある。釣られてリンとラピスも顔を綻ばせながらマリンを揉んでいく。


 ふぅ、少し癒されたところで、次はノアの魔法を確認する。


 マリンと同様に地面から土や砂を吸い上げ、最終的にプリンの様な形になった。


 そして、体から土の塊をザザッと撃ち出して、岩に土の塊が当たると霧散した。やっぱりこっちも威力は低い。


 次に地面から土の突起物を無数に隆起させていく。水と土は似ているせいか、魔法も似たようなのが使えるみたいだ。


 リンが同様に突起物を叩き潰しているのを横目に見ながら、大きくなったノアを両手で揉んでいく。


 おおぅ、こっちは粘土質で粘りがあるせいかもちもちした手触りになっている。そんな俺を見てリンとラピスもノアを揉んでいく。


「あー、こっちも気持ちいいわ~。マリンとノア、やっぱりこの形のままのがいいんじゃない?あたしとレイの姿なんか真似しても飛べないし」


「うんうん!こっちの方が断然いいと思う。この上に座ったら絶対気持ちいいもん!」


 マリンとノアはソファーじゃないんだが…。まあ、プリンの様な流動体の形をした方が何かと便利なので、マリンとノアに今後はプリンの様な形で過ごしてほしいとお願いしておく。


「パパー、わかったー」


 これで、マリンとノアがどれくらいの魔法が使えるのかが分かった。


 これからマリンとノアに俺の思考を送って、出来そうな知識を与えていくのだが、危ないかも知れないので、リンとラピスには離れる様に指示を出す。特にリンは危なっかしいのでラピスに抑えておく様にお願いする。


「やっぱり、危ないんじゃない!リン、離れるわよ。ソラ、リンが離れるまで絶対にマリンとノアに教えちゃ駄目よ!」


「えー、近くで見たいのに~、ぷぅ~」


 リンはラピスに引っ張られながら文句を言いつつ離れていく。十分離れたのを確認して、俺はマリンとノアに片手ずつで触れて思考を送る。


「パパー、すごいいっぱいながれてくるー」


 と言いながら体を身震いさせている。


 これで送れたかな?俺は手を離して、マリンに岩に向かって水圧カッターと指示を出す。


 マリンが水をドンドン圧縮し、一点に集中させバシュンっと糸の様な水の線が岩に向かって放たれる。


 水の線に沿ってスパッと岩が切れ、ズズズと岩の崩れる音が聞こえてくる。


 上手く行った。遠くで見ていたリンとラピスは目をパチクリと瞬かせている。想像以上の威力だったのだろう。


 次はノアに、サンドブラストと指示を出す。


 ノアが地面から砂を集めて、岩に向かって勢いよくブォオオオっと吐き出す。砂が当たった岩が削れていくのが見て取れる。砂を吐き出し終える頃には岩が無くなっていた。


 見た感じ、どちらも射程距離が五メートルくらいまでありそうだ。時間は少しかかるが、近、中距離の攻撃としては有能だろう。慣れればもっと早く撃てると思う。


 徐々に近づこうとしているリンを抑えているラピスが「それってどれくらい危ないの?」と問いかけてくる。


「たぶん、リンの腕に当たったら、腕が切り落ちると思うよ。だから危ないから離れてろって言ったんだ」


「そんなに威力が高いの!そんなのマリンとノアに教えるなんて何考えてるのよ!」


 それを聞いてもリンは興味があるみたいで「指なら大丈夫?触ってみたい!」と言い出す。


 即座に却下する。腕が切れるって言ってるのに、指何て尚更ダメに決まっている。リンでも流石に指が無くなると思う。


「まあ、これはマリンとノアにそれぞれの攻撃方法を教えただけだからな。今度は合体して鞭とか作ってみようか」


 ラピスはキョトンとした顔で「何言ってるの?そんなこと出来るわけないでしょ」と精霊について知っていることを教えてくれる。


 他の属性の精霊が混ざり合おうとすると、相性の悪い精霊が取り込まれ、吸収されてしまうらしい。


 つまり、水と土だと水は土に吸収されるので、ノアがマリンを吸収してしまうんだそうだ。


 俺の場合は、火との相性が悪いので火の精霊には近づかない様に注意された。


 なんだ出来ないのか…と思ってマリンとノアに視線を向けると、既に合体して泥の様な状態になっていた…。

合体!!

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