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俺は平和に嫌われている。  作者: ササミ


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4月 ルーティン

3話。

アラームの音が鳴る数分前に目が覚めた。毎日鳴らしているアラーム(実際に鳴ったことはない)を止め、顔を洗いにいく。顔を洗うと眠くなるらしいが、眠くなる前に気合いで起きれるというのが俺の父の持論だ。

服を着替え、少しボロボロになったが、毎日履き慣れている運動靴を履く。そろそろ替え時かもな。そんなことを考えていると、ドアが1人でに開いた。


鈴木父「おうっ、龍か。今日もランニングか?えらいな。俺だったら3日も持たない自信がある!」


俺の父さんが帰ってきた。父さんは釣りが趣味で両親の反対を振り切って漁師になった人間だ。よく船に乗って釣りに出掛けている。いつだったかはマグロを釣って、その一部が家庭に回ったことがある。あれは美味しかった。どうやら、父は交友が広いらしく、寿司職人に友人がいて、その人に捌いてもらった。それ以外の部位はある程度安くした上で買ってもらい、その金で少しいい船を買ったんだてさ。母さんには内緒と言っているが、母さんは気づいた上で許している。月はこういうところが父さんに似ていると思うところだ。


龍之介「それ、母さんも同じようなこと言ってた。」


俺の家の両親は側から見ても仲が良い。こうして趣味嗜好も結構似通っている。さすがに母さんは釣りが趣味というわけではないが、理解してくれるので、心が広いのだろう。月の交友関係の広さは父さんから来ているのだろうな。


龍之介「じゃあいってきます。」

数秒の思考をした後に外に出る。背中に帰ってくる父の「いってらっしゃい」に軽く頷いた。


この時期は春とは言え、多少肌寒い季節だ。体調管理はとても大切だ。生憎俺は病気にかかったこともないからあまり大切さを感じないが、移してしまうのはあまり良くないと思うので、常日頃から体調に意識をむけている。ランニングも体調管理の一つだ。なるべく車通りの少ない道を選び、走る。目的地は、、、知り合いの、、、少し説明が難しいが、知り合いの仕事場のような場所だと思ってくれ。ランニングだと往復2時間でちょうどいいんだ。


道中猫がいたため、少し立ち止まり、にゃあと言ってみたが、いつもの通りというべきか、猫は逃げてしまった。


1時間後、目的地に到着した。目的地は、一見すると建物自体が圧を放っているかのような雰囲気がある建物で、人通りの少ない、大通りにあった。


忠志「ボス!お疲れ様っス!今日もランニングっスか?」


こいつは忠志。ただしと読む。俺の年上なんだが、小さい頃からなんか行動に惚れたとかでボスと呼んでくれる変なやつだ。ただ、ボスと呼ばれるのはあまりいいもんじゃない。


龍之介「ボスはやめてくれ。ここが6時に終わるのにちょうどいい場所なんだ。」

忠志「じゃあなんて呼べばいいっスか?」

龍之介「鈴木でも龍でも龍之介でもそんなふうに呼んでくれれば特段問題にはしない。」

忠志「じゃあ龍の兄貴!すごいっスね。ぶっ続けで走り続けたんスね!?誰でもできることじゃないっスよ!」


兄貴呼びもあんまり良くない。なんせ、

龍之介「お前のが年上なんだから兄貴はやめろ。龍でいいよ龍で。」


少しぶっきらぼうに答える。忠志は愛称呼びに感動して目をキラキラさせてこちらをみてくる。そうして建物の中に入ると、ここを仕事場とするほとんどの人が起きていた。


一同「「「「「おはようございます龍」龍之介」龍ちゃん」兄貴!」ボス!」

龍之介「全員起きているなんて珍しいな。特にいつもは寝てることが多いお前がこんな時間に起きてるなんて。」

そう言って視線を向けた先にいるのは凛太郎(りんたろう)。ズボラなやつで、昼に起きるなんてこともザラな大学生。さすがに単位の問題もあるため、講義のある日は起きてるが、今日は休日のはずだ。


凛太郎「俺が受けている教科の教授土曜と水曜にしか来ないんだよ、、、。あと、土曜日くらい龍を迎えてあげようってみんなが。」

龍之介「そうなのか?」

凛太郎「その教授がさー?そのくせ滑舌悪いし講義わかりにくいし、性格悪い。聞いている意味がない。自分でやっている方が有意義。」

ずいぶんひどい言いようだ。でも実際いたら困るのが問題だ。その状態で教師という立場だとさらに最悪だ。凛太郎は天才肌だ。教科書見ただけで高校の頃1位2位を争えるレベルだったので、余計に無意味に感じるのだろう。


龍之介「世知辛いな」

軽く呟いた。凛太郎は頷いていた。

龍之介「じゃあ少し顔も見れたし俺は帰るぜ。風邪とか引くなよ。あと、色々言いたいことはあるが、出迎えありがとよ。」

龍之介は感謝をした。凛太郎は微笑んで

凛太郎「それぐらいなら毎日でも、」

龍之介「それはいい。お前らただでさえ仕事に学業にと忙しいのに、何にもない時に俺に合わせようとしたらスケジュールギチギチだろ?たまに顔出すくらいでいいんだ。」

忠志「それ龍の兄貴が言うんすか?」

龍之介「別にいいだろ。じゃあな。」


龍之介はシャワーを浴びに家に帰った。


帰り道も見知った道を走る。道中で今度は散歩している犬がいた。少し足を止めて、飼い主に触ってもいいか聞いたら快くいいよと言ってくれたから、撫でる。犬は俺の顔を舐めたり、手とかを舐めたりしていたが、俺に撫でられるのがよぼど気に入ったのか、お腹をみせて撫でさせてくれた。犬はいい。懐いている犬はこうして撫でさせてくれるから。別に猫が嫌いってわけじゃねえぞ?ただ、俺はなんかあまり猫に好かれていないようで、近づくと毛を逆立てて威嚇される。月が昔飼っていた猫も俺にだけは懐かなかったなと、感傷に耽って、少し惜しい気持ちもあったのだが、流石にこれ以上止まっていると、クールダウンしすぎてしまうので、このくらいで別れた。ここら辺のおばちゃんはとても頼もしく、小さい頃を知っている顔見知りも多いから、俺を知っている人は龍ちゃんと言ってよく話しかけてくれる。これは俺の社交性というよりかは、両親の社交性の高さからきたもので、俺にはそんな才能はないと自覚させられる。俺に誇れるような才能はない。誇れないものなら、或いは……


走っている間とはいえ、あまり考えすぎるのもよくない。気持ちを切り替えた。


筋肉には二種類あって、赤身の筋肉と白身の筋肉がある。それぞれ長所があって、赤身は瞬発力に優れる。瞬発力が優れていると、なにがいいかというと、やはり短時間にエネルギーを使用することができるというところだ。又聞きだから確定した情報ではないのだが、筋トレをすると、細胞内のミトコンドリア……細胞に酸素を行き渡らせるのに重要な役割をしているものが増えるのだそうだ。このミトコンドリアが多ければ多いほど動いてすぐに息切れするということがなくなるのだそうだ。だから、運動したいからといって、いきなり長距離を走るというのは逆効果で、運動していなかった人が運動するためにはまず、筋トレをしてみるのがいいかもしれない。瞬発力が上がるということは跳躍力も上がるから、いずれはトムみたいに……いや、あれは無理だ。無理するものじゃないが、身体の使い方次第では1メートルぐらいなら軽く飛び越せるくらいになるかもしれない。継続は力なり。という言葉の通りで、継続しなければあまり意味がないのだが。

逆に、白身の筋肉は持久力に優れる。継続的に力を発揮するのに向いている。それこそ、今俺が走り続けられているようにな。とはいえ、俺のはあくまでもルーティンであって、体を動かしたいから動いているだけだ。慣れているからこれくらい走れるのであって、真似するのはやめておくことだな。


少しすると、家に着いた。

なんかこいつの話毎度毎度重くなるのなんでだろ?鈴木、、、しっかりしてくれよ。

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