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聞き込み調査

羊羹をよう噛んでMPを完全回復させ、もう一度葉隠を視るために秘匿の寝床の間を目指すアリサと照代。もし奴の言うことが本当なら状態異常の項目が毒に変わっているはずだ。


ーーーーーーーーーー秘匿の寝床の間ーーーーーーーーーー


「路募山先生! 葉隠先生は?」

シーン


「あれ? 誰もいない?」


「せんせーい?」

だが、どこを探してもいない。


「路募山が居ないのはいいとして、葉隠が居ないのはおかしいわ。毒で動けないのに……あいつやっぱり……」


「流石に怪しいわね」


「私は倒れた瞬間に気付いたよ? 因みに学校で言う保健室みたいな部屋はこの屋敷にはあるの?」


「多分ないと思うわ。でも、誘拐された訳じゃないよね……」


「何でそうなるのよ。この屋敷に誘拐犯が現れる訳がない。門番で止まるわ。奴自身の意思で普通に起き上がってどこかに行ったのよ」


「そうよね……」


「ほぼ芝居と確定したね」


「そうか……じゃあさっきの予感が的中したってこと? 何のために」


「とにかく早く探そう」


「探すと言ってもこの屋敷広いわよ?」


「屋敷自慢ネキ再発してるよ! あの時とおんなじやり取りする気?」 


「もういいです……」


「よし! とりあえず奴の教室から! ハ組だっけ?」


「そうね」


ーーーーーーーーハ組ーーーーーーーーー


「はあはあ……走ることないのに……膝が痛いのに……」


「葉隠はいる?」


「先生? それどころじゃないよ。こいつら手強くって……うりゃああああ」

見えない何かと格闘している。


「あんたねえ……まだそんなこと言ってるの? 覚醒したと思ってたのにがっかりよ……あ、でもこの子達、お腹減ってるのに何も食べずに戦っているのね?」


「羊羹しかなかったからね……」


「もうすぐエネルギー切れ起こすでしょ……」


「うおおおおお! どりゃあああ」


「ダメね。無駄に体力が有り余ってるわね……しょうがない、路募山先生のとこに行こう」


「そうね」


ーーーーーーーロ組ーーーーーーーー


「路募山ー?」


「ヌ? ドウシタ?」


「あ、いたあ! 葉隠が消えたのよ。どこに行ったか知らない? あ、もうカタカナに戻ってる……いくつも食っていく内にのど飴の効果が短くなっちゃうのかしら? じゃあこれどうぞ」


「オオ、オレハオマエトシャベルタビニコノアメヲモラエル……ウレシイ」

ボリボリ


「もう少なくなってきちゃったなあ」


「で? 葉隠先生が消えたというのか? 俺は知らないぞ? 寝入ったと思ったからここに戻ったのだ」


「そうなの……わかった。じゃあこっちで探してみる……あ、照男さんが倒れた時何をしていたの?」


「その時間か? 俺は既におすすめメニューを食べ終え自室で休んでいた」


「ロボットなんだけど肉を食うんだね?」


「ああ、見合いの時にも言ったかもだが、やけどで顔面の皮膚が焼けただれて、焼け落ちた柱につぶされて両足を失っただけだ。メカの部分は義足と顔面の表面だけだ。胃や腸は生身だ」


「そういやそうだったね。じゃあ子作りは出来るんだ!」


「なんだ?」


「何でもないよ。だけど機械だから目からレーザーは出せるんだよね? すごいカラフルな」


「ああ、照蔵さんが俺に力を与えてくれた。まあ人を殺傷する力はないが、軽めの火傷くらいにはできる。だが消費が著しく、撃ったあとは充電が必要になるが」


「照蔵さん優しいよね。でもメカだと疲れにくくなるとかあるの?」


「充電と食事で人間の時よりは万全になる。だが、充電、食事どちらかが欠けると調子が出ない」


「半ドロイドも大変なんだね。この家しか充電施設ないもんね」


「なんだ? 半ドロイドとは?」


「アンドロイドの半分バージョンよ」


「ああ、そういうことか。だが足の機械のお陰で今座っている俺専用の椅子で1時間で充電できる。一応外出時にも耳の穴にタイプAの充電ケーブルで充電可能だがフル充電まで10時間はかかる」


「ひえ、せめてタイプCにしてよ」


「その当時はタイプAが最新版だったのだ。今Cに変えてくれとお願いしている最中だ」


「確かに。やけどしたのは3年前だったね」


「ああ、目を閉じればあの光景が蘇る……恐怖しかない。今まで暮らせていた家が無くなるという恐怖。お前には分かるか?」


「ねえ、姉さん……もういいんじゃない?」


「うーんそうね。ねえ、葉隠の居場所どこかわかる?」


「さっぱりだ。俺も心配だ。ロ組の生徒にも探させよう。俺も充電を終えたら探しに行く」


「そういえばロ組の生徒さんはおとなしいね」


「ああ、幽霊など非科学的だと口をそろえて言っている」


「実物を見たのに先生次第で性との考えも変わるんだね。じゃあ手が空いてるっぽいね。ハ組は大忙しで誰も手伝ってくれそうにないからお願いね。じゃあ次、忍神のところに行こうか?」


「そんな所に居るかしら?」


「じゃあどこか予想しなさいよ!」


「どこに行くか分からないもんなあ」


「そうよ! だからとにかく行くしかない。じゃあニ組に行きましょう」


「ええ……」(だんだん面倒になってきたわ……)

廊下に出ると少し焦った感じで辺りを見回している人物がいた。


「あれ? 膳さんだ。どうしたの?」


「いえ……その……おかしいですねえ……まだボケるには早いというのに……クッ」

完全に青ざめている。よほど大切な物をなくしてしまったのか?


「何か探し物? 手伝うよ。今色々な所に聞き込みしている途中なんで、ついででよければだけどね。何を探してるんですか?」


「いいえ、そんな大切な時間に余計なことはさせる訳には……! 今はこの事件の真相解明を第一にして下さい。私の件は本当に大したことではございませんので……あ、くれぐれも瘴影丸にはお気をつけくだされ!」


「そうですか。じゃあ失礼します!」(膳さんも幽霊肯定派なんだ……まあ自分が疑われているから、幽霊の仕業であってほしいって思うよね。信じてはいないけど信じざるを得ないって感じか……)


ーーーーーーーーニ組ーーーーーーーー


「忍神いる?」


「なんだ? あ、お師匠さま!」

忍神は普通に刀の素振りをしていた。


「なにしてるの?」


「この辺に瘴影丸の気配がしたので。この斬霊刀で攻撃していたのでござる」


「生徒と同じことやってるの? で、手ごたえは?」


「うぬ、もう3匹は倒したでござる!」


「いやいやwそんなにいないでしょwwてか幽霊の数え方って匹なのね?」


「あんなの獣と同じ数え方でいいのでござる! 眠る暇すらない……奴らは寝たら一斉に襲ってくる……恐ろしいでござるよ」


「いないんだよなあ」


「いるでござる! 拙者、何より自分自身が大切でござる。折角死ぬほど頑張って鍛えたのに毒で死んだらもったいないでござるよ」


「あんたも幽霊を信じている派なのね?」


「それはそうでござるよ」


「ところであんたは照男さんが倒れた時何してたの?」


「拙者は何もしてないでござるぞ?」


「じゃあ証明して? 何してたか言うだけでいいんで。誰かと一緒にいたならアリバイ成立かもよ」


「一人でおすすめメニューを食べていたでござるな」


「誰かと話していないの?」


「残念ながら一人でござった」


「分かったわ。行きましょ」


「早いのね」


「直感よ」


「次は毬栗先生ね?」


「うん」(私の考えが正しければ……)


ーーーーーーーーイ組ーーーーーーーーー


「こんにちは、家夢さん。またお会いしたわね。今回は、殺人未遂事件のアリバイ調査よ」


「……照代さんの兄さんを未遂とはいえ苦しめた……犯人は32つ裂きにしてやりたいが、心を静めなくちゃね。

聞きたいことは何でも答えよう、アリサちゃん」


「ありがとう。単刀直入に聞くわ。照男さんが倒れた時、あなたはどこで何をしていたの? アリバイを教えて」


「僕は、ちょうどその頃、自分の研究室にいた。


『冥王笑止千万流』


の新しい技の科学的根拠を証明するための実験を行っていたのさ。この技はすごいんだ。幻術で相手の……」


「アリバイに関係ない話は控えて。じゃあずっとそこにいたの? その少し前に誰かとは会ったとかある?」


「ああ、そういえば食堂ですごい生徒がいて、それをおすすめメニューを食べながら照蔵さんと照乃さんに報告したよ。その直後に自室に行ったんだ。実験室での目撃者は残念ながらいない。僕の研究は、機密保持が命だからね。誰にも見せていない」


「でも今秘密を暴露しようとしていなかった?」


「う……ついうっかり……まあどうせすぐ忘れると思ったからさ……だが、アリサちゃん。君は僕を信じられないと言うのだろう?」


「ええ。身内の証言と同じくらい、


『誰にも見られていないアリバイ』


は信用できないわ。特に、あなたは毒について詳しいはず」


「待ってくれ。自室で研究前に会った照蔵さんとの話はアリバイにならないと?」


「でもあんたこの屋敷の資産を狙っていたじゃん」


「フフッ。流石の記憶力……でも毒に関しては言いがかりじゃないかい? 僕はそんな話は一度もしていない。

でも当たっているから教えてあげよう。僕は毒物学に精通している。確かにある程度は詳しい。だが、膳さんほど専門性はないよ。忍びとして必要最小限の知識としてさ、能動的に誰かを毒で攻撃する為ではないよ。君の疑念は、短絡的な空想に過ぎない」


「短絡的? なら、説明してよ。照男さんが倒れたのを目撃した直後、誰よりも早く


『毒だ』


と叫んでいたわ。間違いなくあなたの声だったよ。この屋敷でみんなが知っている瘴影丸の伝説なら、普通は


『幽霊が出た』


って騒ぐはずよね? なのにあんたは、幽霊の仕業だなんて曖昧な話じゃなくて、いきなり


『毒』


っていう、原因そのものを言い当てた。ただ倒れている状態を見ただけでは毒だとは断定しずらいと思うのよ。なぜかしら?」


「そ、それだけのことで毒に詳しいと感じたというのか?」


「探偵としての基礎スキルよ」


「でも声は本当に僕だったのか? 言いがかりかも知れないよ? だってこんな声どこにでもいる声だろ?」


「いいえ? テラ子安って感じの声だったからすぐに分かったわ」


「い、いや!  違う。そんな大物声優が僕の声を当ててくれる筈はないよ」


「私がお願いする!! 何が何でも!! 最悪VOICEVOXの青山龍星で妥協する」

ふむ、頼もしい限りである。だが妥協先が一気にグレードダウンしてしまう気がするが大丈夫か? 


「それは嬉しいなあああああ! で、でも僕は照代さんが毒に冒されたという情報が脳内にこびりついていて。だからついうっかり」


「動揺しすぎよ」


「アリサちゃん。そんな卑劣な誘導尋問するのか……そんな様を見たら松谷修造が泣いてしまうぞ? 僕は彼を排除しようとは微塵も思っていない。ただ、お見合いでも話たろ? 眼中にないってさ!」


「本当かしら? 私の考えでは毒を何かしらの方法で照男さんに与えて結婚してもずっと家にいる邪魔者を除外しようと考えた。そう考えているわ。全て吐いてもらうわよ」


「……クッ、言うことなんか何もないさ……アリバイだってあるだろ? どうしても犯人にしたいようだけど」


「一応ね。でもすぐに自分の部屋にこもっていたんでしょ?」


「君は厄介だねえ。僕の論理の完璧さが、君の短絡的な直感に邪魔をされるとは……! 九十六指腸が、三十二指腸に縮んでしまう!」


「十二指腸でしょ!」


「とにかく僕はやっていない! 信じておくれよ。動揺して『毒だ』と思い込んでしまっただけなんだ。それに照男さんは死んでいないんだろう? なぜそこまで執拗に犯人を捜そうとするんだい? そこまでの義理がある関係なのか?」


「刑事の娘だからねえ。悪いことを見過ごせないのよ。これはもう性(さが)みたいなものね」


「冗談じゃないよ。そんな動物の習性みたいなものに巻き込まないでくれ。殺人未遂の容疑者なんて噂が立つだけでも、僕の完璧なキャリアに傷が付いてしまう!」


「完璧ならうっかり


『毒だ』


なんて言わなければよかったのよ。自称完璧さん。でも徳川家の子孫というなら完璧よねえ」


「そうさ、徳川慶喜の肉声をレコードで録音していて、それを聞いたこともあるんだよ」

ぬう?


「え? レコードって何?」


「ん? レコードはレコードだよ……これも年齢差からくるギャップってやつか……年は取りたくないねえ……レコードって言うのは、音楽を再生するCDの昔版って感じのやつさ。エジソンが蓄音機を発明したのが1877年。で、そこから音声を録音・再生するレコードの技術が生まれたんだ。慶喜が1837から1913まで生きていたから、音声を残すことができたのさ」


「そうなんだ。でもどんな音声?」


「明治36年(1903年)に犬の話を3分ほど語っている音声を聞いたんだよ。


『自分の犬は西洋のポインターって犬で、賢くて猟などで活躍したりその上姿は愛くるしい』


などという内容を3分くらい語っていた。綱吉も犬が好きだったらしいけど彼も相当の犬好きだよ。落ち着いた語り口で、まるで僕が喋っているみたいだった。僕の生き写しだったよね」


「すごい博識じゃない! そのうえ有名武将の血を引きついで……声も似ているなんて……すごいね」


「フフフ。僕のすごさが分ったかい?」


「あ、そうだわ! 毒って言ってたけどあんたはどっちだと思ったの?」 


「え? どっちって?」


「家夢さんは照男さんがどっちの毒で倒れたと思ったの? 鑑識の検査? の様子では何か異物があったみたいだけど、あまり良くは分からなかった。でも皿とかおすすめメニューの中に入っていた毒なのかな? それか幽霊の放った毒! ほら、この屋敷で伝わる幽霊。そいつの毒だったと思った? どっちかしら? 毒だって断定していたんだからどっちかでしょ?」


「だ、断定はしていないよ……でも僕は幽霊だと思う」

先程までの有頂天な顔が、みるみる青ざめていく。有名な人物の子孫だと誇ってはいても、うっかり


「毒だ」


と口滑らせてしまう脇の甘さだ。大声で叫んだせいで疑われている現実に、ようやく気づいたのだろう。


「大体わかったわ。他にも行く所あるからこの辺で行くわね」


「やっといなくなってくれる……」


「あら? こんな美しくて妖精王の私が居なくなることに安堵している? 本当に可哀想な男ね。じゃあ行きましょう」


「よし、お父さんの部屋に行ってみよう」


「まさか父さんが兄さんを?」


「この辺は平等に調査しないと。万が一よ万が一」


「そうであって欲しいわ……」


「え? 何か含みのある言い方ね」


「実は父さんと兄さんはあまり仲が良くないのよ」


「え? どうして?」


「兄さん的には自由に屋敷を回っていたいと言う感じだけど、父さんは早く家を継いで欲しい。で平行線だったの。もしかしたら内心憎んでいるかも……いうこと聞かない奴なんか死んでしまえって」


「あの優しそうなおじさんが……?」 


「うん、母さんとそんな話してたなあなんて」


「腹の奥でそんなこと考えているとは思いたくないわ。でもあの兄は面倒ごとは苦手そうだもんねえ。家の見周りと修行で一日終えていそう」


「ええ……ちょっと怖いけどその辺を聞きましょう……父さんは一階の自室にいると思うわ。案内するね」


――――――――――真田行照蔵の部屋―――――――――――


「失礼します」


「おや? 照代に……確かアリサちゃんか? どうしたのでござるか?」


「お兄さんが倒れた時間、何をしていたか聞きたくて」


「ほう、アリバイ調査というやつでござるか……」

少し悲しげな表情。


「形式上全員にやるので」


「わかっとるわかっとる。わしは疑われても仕方ないでござるゆえ」


「いえいえ形式上です。疑ってはいません」


「そうか? じゃ、そういうことにしておくでござる。そうでござるな……あの時わしはオススメメニューを食べていたぞ。ゆっくりと味わっておった。かなりの辛さであったからでござる。その後、生徒の悲鳴が聞こえて外に出たら庭で照男は倒れていた。久しぶりに姿を見たがあの装束は間違いなく照男の物でござった」


「それは証明できますか?」


「妻と隣で並んで食べていたというのはどうでござる?」


「他にいますか?」


「一人いれば十分じゃないのでござるか?」


「ええ……身内ですと信ぴょう性が薄いんです。身内以外の誰かの証明も欲しいです。互いにかばい合い逃れようとすると考えられますし」


「なるほど、では……正面には毬栗先生がいたよ。まだ八月なのに卒業見込みの生徒がいると話していたな」


「そうですか……わかりました」(あーあ……あいつの言うことも一応嘘ではなかったのね……)


「妻にも聞きに行くのでござるか?」


「はい」


「そうであろうな。わしが嘘をついている可能性もあるでござるしな」


「そう悲観なさらないで下さい。では失礼します」

スー パタン


「ああー、なんか気が重いなあ」


「見てて思ったわ」


「これなら本当に幽霊が犯人の方がいいって思うくらいよ。だってもしこの家の人が犯人だったら兄を殺さないといけないって人がいるってことでしょ? 会話した限りいいやつだったのに」


「いい人よ。小さい頃の話だけど、小学校で大女って小さい男の子たちにいじめられてた時助けてくれたもの」


「小学校の時に大女だったの?」


「小4で160位あったわ」


「巨人じゃん。うちのママは高1で175だったらしいから大巨人だけど」


「結構嫌なのよね。何も悪くないのよ? なのにいじめるのよ」


「悪いと思うけどね。男は特に異性が自分より大きいとイラつくと思うわ」


「何でそんなことでいじめるかなあ」


「過去のことをいつまでも言わない! 次行きましょう」


「母さんのところにも行くの?」


「そうね。みんな各々の部屋に戻ってるのかな?」


「多分そうかも。案内するわ」


ーーーーーーーーー照乃の部屋ーーーーーーーーーー


「お邪魔します」


「あら照代? それにアリサちゃん? なあに?」


「ええと……」


「何か言いにくいことなの?」


「いえ、その、照男さんが倒れた時間、あなたは何をされていましたか?」


「え? それは……照蔵さんと食事していたかしら? で、私の席の前には毬栗先生が居て、何かを熱く語っていたわ。生徒さんに関する話だったと思うわ。オススメメニューそっちのけで」


「よかった」


「え?」


「照蔵さんと同じことを言っていたから安心したのね? まあ親が息子を手にかけるなんてあってほしくない気持ちはわかるわ」


「まあ、もしかして私がやったと疑われていたの?」


「え? 今気づいたんですか?」


「世間話に来ただけかと思っていたわ」


「違います」


「あらあら」


「け、結構天然なのね」


「そうみたいね」


「じゃあこれで失礼します」


「何かあったらまた来てね。若い子とお話するのは楽しいわ」


「はい。では失礼します」

スー パタン


「行きましょう」

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