真田行家 お見合い 毬栗 家夢
「こんばんは、遅れてごめんね」
「いえいえ家夢」
は?
「え?」
悪びれることなく放った言葉に唖然とする照代。
「ふむ」
落ち着いて照代を観察している?
「おや? 家夢君がそんなことを言うとは、意外でござる」
「リラックスさせようと思ったんです。緊張をほぐすためにね」
「突然のことでびっくりしちゃった」
「成程でござる。照代、最後まで逃げずに来たみたいでござるな。もう慣れた顔をしているでござるよ。では本日最後のお見合いと行こうか。では、若い者同士で」
「ええ」
毬栗も両親はいないようだ。
「待ちましたよ照代さん。ここまで来てくれたと言うことは、先にお見合いした3人は気に入らなかったと言うことで良いんですよね?」
確かにそういう風に取ることも出来る。しかし照代は未だに決めかねていた。
「いえ。それは分からないの。全員聞くまでは……ね。それに3人の内誰か気に入ったからってあなただけ放置したら最悪でしょ」
「そうなんですか。確かにそうですよね……残念です。でも僕は必ずあなたを手に入れる!!」
すさまじい情熱をぶつける家夢。
「ドキッ。え? 家夢さん??」
心の中だけでいえば良いドキッいう擬音を口にしてしまう。そして頬は見る見る赤くなる。
「女の顔になってるー」
アリサは、両親が出て行った後なのでかぶっていた猫を脱ぎ捨て、からかう。
「……」
しかし照代は反論すら出来ず恥ずかしいのかずっと俯いている。
「おや? 君は出て行かないのかい?」
「あら? こんなことを言い出すの? これに対して気にしたの今まで見てきたけどあんただけよ? こんなことにこだわっちゃうなんて……これが器の大きさの差なのね……」
嘘はいかんな。だがこの行動、家夢を試しているということか?
「姉さん!」
「別に構わないよ。でもずっとここに居たら、恥ずかしくなって君から出て行ってしまうかもしれないよ?」
やけに自信満々の家夢。
「いいえ。私は自分の仕事を全うするわ」
「姉さん……ぐすっ」
その言葉を聞き、少し安心の表情になる照代。
「照代さん。僕は照蔵さんに貴女の高校時代のアルバムを見せてもらった。それを見て恋に落ちた。今でも変わらぬ美しさ。いえ、今まさに絶頂期を迎えようとしている……僕にはその美しさが必要なんだ」
家夢が教師になったのは照代が新聞記者として働いている時で実際面識は無いが、写真だけで恋に落ちたのか。
「そうなの? なんか嬉しい、私も傾いてきちゃったかも」
少し目が潤んでいる。
「嬉しい返事だ。そして、君の家の財産も同じくらいに欲しい。この言葉、聞こえが悪いことは十分承知している。でも、君が欲しいと言うだけでは嘘になる。貴女にだけは嘘は付きたくない」
「それでもいいかも……」
この表情、頬を赤らめ家夢の目線を一切逸らさない。前の三人には一度も見せたことがない表情。
「聞いたか? あいつ財産目当てだってよ? 切った方が良いわね」
すると。
「君は聞こえなかったのかい? 僕は
『照代さんと家の財産』
同時に欲しいと言ったんだ。財産だけでも照代さんだけでも片方では絶対に駄目ということ」
「聞いているよ!」
「いいや、この表情は聞いていないと言っているようなものさ。君は今、財産目当てとはっきり言った気がするけど? その誤解は正さないとね」
「そうね。言葉が足りなかったわ」
「うん。残念だがそれのどちらかが欠けてもいけない。この言葉の真の意味が理解出来ないようなら幼稚園からやり直すべきだ」
確かにそう言う家夢の目は、小悪党のそれではなかった。何か大きな目的を秘めた挑戦者の目。
「あんたは私を幼稚園児とは間違えないのね」
「君は、小学校に通う年齢だろうね。恐らく5年生? それくらいだと思う。だけど精神年齢は恐ろしく高そうだ。今時古臭い表現方法ではあるけどIQで言うなら210は超えていると思うよ。でも、まだ若い。その能力を操り切れてはいないと見える。その証拠に、
『他の家の財産を自分の物にする=汚い』
と言うイメージに取り付かれている気がするんだよ。実際そうではないか? ドラマとかで冴えない男が令嬢とくっつき、その金を遊びやギャンブルに使い、借金を抱え内部から崩壊していくというような陳腐な内容の話をさ。君の頭で物語を勝手に空想して、僕の言葉をそこに当てはめた。違うかい? 君はその作り話の冴えない男と僕が同じ過ちをするように見えるのか? だとしたらがっかりだ」
ほほう、アリサの実年齢を聞かずに的中させたのはこの男が初である。
「ぐ」
言葉を返せない。カ行の真ん中の文字に、濁点を付けて発音するのが精いっぱいである。……皆さん、今の私の活躍、ご覧頂けたか? アリサがたった一文字、わずか数ビットのデータ量しか持たぬ言葉を発したことに対し、私はこれほどの文字数を費やして補足を完遂したのだ! 師匠のカタリナは
『文字数を簡潔にし、物語の圧迫を防ぐのですよ』
などと寝言を抜かすが、そんな思想は断固拒否する! ゴミと言える! 奴の言う圧迫など、どこにも存在しない。これこそが真の小説。そう、文字数の多さこそが正義であり、良質な物語の証なのだ!
「僕は照代さんが毒を受けて倒れたのを聞いた時、悔しかった。犯人の八郎とやらを名前通り八つ裂きにしたいくらい憎かった。二の腕を十六の腕に、大腿四頭筋を大腿三十二頭筋に、そして十二指腸をえーと……12×8でしょ? えーと、うーんと、あーと……2×8+10×8で2×8で繰り上がって16だよね……で、あとは……」
それまでの流麗な弁舌が、
『8×12』
という計算の前で失速した。八郎の名にちなんで人体の各部位を8倍にしてやろうという、凄惨な復讐プラン報告。だが、家夢の脳内演算回路は、高い壁の前に沈黙した。
「一生懸命紙に書いて計算してるw可愛いww」
「ええい、沢山の指腸にしてやるんだって考えていたのさ」
最後が締まらない家夢。
「あんたはこう言いたかったんでしょ?
『12×8は96』
だから九十六指腸に切り裂いてやるんだってねw」
家夢が言いたかったことを瞬時に察知し、暗算で答えてしまうアリサ。
「うぐっ、そ、そうだね。君、やるじゃないか計算速いね……」
悔しがる家夢。
「推理クラブの副部長だから当然よ」
推理クラブ万能説。
「家夢さん。そんな風に思ってくれるのは嬉しいけどグロいわよ。私も八郎君は嫌いだけど、そんなことでは喜ばないわ」
「照代さん、分かっているさ、でもそんなことは実際にするつもりはないよ。僕の崇拝する松谷修造が泣いてしまう様なことだけはしないのさ」
ほう?
「えっ? あんた修ちゃんのファンなの? 私もだよ、何か嬉しいな♪あなたの好きなセリフってなあに?」
「せーので言わないか?」
「いいよ、じゃあせーのっ」
「お米食べなさい!!!」
「お米食べなさい!!!!」
「何だ違うかー」
「うん……そうみたいだね」
「え? お二人さん、何を言っているの? 今の同じでしょ? 息ぴったり!!」
照代が突っ込みを入れる。
「素人はすっこんでろ」
怒鳴るアリサ。
「アリサちゃん、今のは素人には分かりづらいよ」
「ええ? どういうこと?」
「あのね、響きは同じだったけどエクスクラメーションマークの量が全く違うんだよ。だから今の二人の言ったセリフは完全に別物なんだよね」
家夢が素人にも分かるように丁寧に説明する。
「そんな違いが……全く判らなかったわ」
「ケッ仕方ねえ、違いを教えてやるよ」
ガラの悪いアリサ。
「私が言ったお米食べなさい!!! は、お米嫌いの少年に力強くも優しく、お米の素晴らしさを訴えかけ、23時間説得の末についにお米を食べさせることに成功した時、すなわち一人に対し説得する際に放ったセリフなのよ。だからエクスクラメーションマークの数も三つどまり。そして、家夢さんの言ったお米食べなさい!!!! は公式の応援メッセージで、視聴者全員に与える熱言の一つであるボルケイノバーニングテラフレアメッセージの一つよ。響きは同じでも使われたシチュエーションや意図が全く違うからこれら二つのセリフは別物なのよ」
「そう。だからアリサちゃんと僕の言った言葉は違うと言うことだよ」
「でも同じファンということには変わらないわ。私も家夢さんに対する見る目が変わったかもしれないわ」
「おや? 意外なことが起こったよ? まさかアリサちゃんに気に入られてしまうなんてね。でも僕の狙いは照代さんだからね。じゃあ続きを話そうか。そんなことで照代さんに喜んで貰うのはおかしいと考えたのさ。復讐は復讐を生む。色々なドラマでそれは教わったさ。だから僕は八郎さんに復讐するつもりは最初っから無いのさ。でも思うのは自由、彼を八つ裂きにすると言う妄想を強く思うことで解決した、それだけさ。何度も何度も思うと自然の内に何故だか許せてしまう。不思議なものだよね。その怒りの力を、復讐ではなく別の力に変換するのさ」
「どういうこと?」
「ドラゴンキューブっていうアニメは知っているかい? 八つのブロックを集めると神ドラゴン部長先生会長が現れ、願いを8つ聞いてくれるって言うアニメさ。
初期の頃はそれを探し、奪い奪われ、紆余曲折。ついに8つ集めし時には人々の役に立つ願いを、時には悪役が手にし、世界征服など陳腐な願いを叶える為にそれを奪い合うドラマがあった。最近では宇宙まで話は広がりバトルがメインのお話になっちゃったけどね」
「それくらい知ってるよ。でも、私が生まれた時にはもう終わっていて再放送で見たわ」
「え? もうそんなに古いアニメなのかい? 僕も年を取る訳だ……」
家夢が落ち込む。
「私の約3倍の年齢のおじいさんだもんね」
「くう! と、とにかく、そのお話で孫ゴウハエという主人公がフリー座と言う異星人に、目の前でクソリンと言う友人が殺されてしまうんだ。
それが引き金となりゴウハエの怒りが頂点に達し、スウパアイサヤ人になり、フリー座を倒した。
あの時もしスウパアイサヤ人にならなければゴウハエは彼を倒せなかっただろうね。その舞台のメナック星にも平和は訪れなかっただろう。怒りにより限界を超えたっていうことさ。その話も当然見たんだよね? アリサちゃんはその時どう思ったんだい?」
「その話は燃えたわ。アイスを食べながら見ていたんだけど見終わる頃には私の燃えるレフトハンドの暴走で全部溶けちゃって、ベタベタになった覚えがあるもん」
「そうだよね夢中になっちゃうよね。怒りは人を変える働きがある。極限まで怒り、心を燃やし、自身の最大値を超えた物を生み出せる。
筋トレだって出来る回数を決めてやっても強くならない。限界までやった末、そこからもう一回上げる。一回でもいい。でもその一回がなければ現状維持のまま。成長は無いんだよ。僕も、照代さんが毒を盛られた悲劇を怒りに変え、取り組んでいる物があるのさ」
「どんなことなのかしら? 私知りたい!」
久しぶりに照代が口を開く。
「さっき話したと思うけど、僕は冥王笑止千万流を全国規模に広め、自衛隊に匹敵する実力を持った忍者軍団を各地に配備し、その地域を守らせたいんだ」
「へえ。凄い目標じゃない! しかし冥王何たら流って誰も入る気にならない名前よね。改名しないの?」
「ふふふ。この名前にした理由は3つあるんだ」
「え? 敢えてこの名前にしたって言うの?」
「一つ目はインパクトが凄いだろ? 一回聞いただけで忘れない。そんな印象深い名前にした。
そして2つ目は、目一杯馬鹿にして貰うように中二病満載の痛い名前にした。馬鹿じゃないの? こんな流派流行らねえよって敢えて思って貰うようにした。
そして3つめ、そのふざけた名前で死ぬ気で頑張る。
の三つさ。現にアリサちゃんはこの名前を初めて聞いた時、呆れた顔をしたよね? でもそれを確認した僕は心の中でガッツポーズをとったよ。思い通りになったからさ」
「まさか!」
「流石に図星だね?」
「な、なんでそんな面倒くさいことをするのよ?」
「おや? 分かったと見せかけてフェイントかい? 面倒くさい? 意外だね。ふざけた名前にしただけじゃないか。それのどこが面倒なんだ?」
「そ、それは」
「でもそのふざけた名前でもしっかり仕事をしていれば、しっかりした名前の流派よりも早い段階で一目置かれ易いってことなんだよ。あれ? こんなふざけた名前の流派なのにしっかりしている? ちょっと入ってみようかな? ってね。いつもイキリ散らしているヤンキーがちょっと優しくしただけで普段まじめにやっている奴よりも高評価を受ける場合がある。それに似たようなものだね。僕はもう31歳だ。勢いはまだある方だとは思うけど、20代に比べると少し減速気味なんだ。これから更に年を重ね40、50になった時、今のモチベーションを保てるか分からない。だからこの勢いのある内に、今この瞬間を燃やす。でもただ燃やすだけでは意味が無い。
この家の莫大な財産と僕が名付けた流派のインパクトを有効に使って燃やすんだ。
僕はこれから美しい照代さんと、真田行家の財産を手に入れる。
でも、安心して欲しい。悪いことなんかには決して使わない。これから日本は良くなる。必ずね」
「言っていることは一理あるわ。確かこれゲイン・ロス効果よね?」
「ゲインロス効果あ?」
あきれ顔の照代。
「人は、最初に与えられたマイナスの印象が大きければ大きいほど、その後に見せるプラスの行動に対して、通常以上の強い好印象や感動を抱くという心理効果よ。悔しいけどいつもならすぐに出てくるつっこみが全く出てこないもの。でもあなたも良い所のお坊ちゃんでしょ? お金なら腐る程ある筈じゃないの?」
「詳しいね。いや、そうなんだけどね……今はちょっとね……ところで、僕の好きな言葉にカルぺ・ディエムという言葉がある。君には意味はわかるかい?」
はぐらかす家夢。
「今この瞬間を生きる的な意味じゃなかったかしら?」
博識なアリサ。
「驚いた。そんな感じの意味だよ。今この瞬間にも動き、前を見ている人達こそ尊い存在なんだ。僕もそうありたいと思って生きているんだ。
でもね、頑張って動いていても全く時間が足りないんだよ。一生懸命やればやるほど時間って言うものはあっという間に過ぎて行く。
でもお金さえあれば、時間でカバーできない所を埋めることだってできる。例えばその地域で働ける筈なのに、未だに無職の人間をピックアップし優先して仕事を紹介し、働けない人々に感謝される。そういうことが出来る。大抵悪事を働く奴ってのは仕事が無い。無いから悪いことを考え始めるのさ。
だからそういう人に優先して仕事を与え、忙しい毎日を送っている内に悪の心は消えていくって言う寸法だ。そしてその労働者から紹介料という形で少しずつ頂く」
「でも、それじゃ真面目に勉強して大学とかまで卒業しても、仕事が無い人達が可愛そうじゃないの? 不公平よ。それに金を取ったらなんかダメな気がしない? そこは無料でやらなきゃ流派の宣伝には繋がらないよ?」
「もちろんそう言う人もいるだろう」
「だったら」
「君は辛いのに助けも何もない。誰も差し伸べてくれない。そんな寂しさ、切なさを感じたことはないのかい?」
「まあそうね」
「彼らはどんなに叫んでも助けてくれないことを知っている。だから空き缶を拾ったりしてそれを売って何とか生きている」
「だから?」
「僕の声を聞き信じてくれさえすれば強固な絆を結べる。少しの紹介料なんて払わせてくれと言われるだろうさ。ここは払わせてくれという人だけから受け取る予定さ。だから厳密には取るんじゃない。お礼金という形だ」
「ぬうう」
「そして大卒の人達にはその人たちに相応しい管理職的な立ち位置、その労働者のメンタルケア的な職を提供する予定さ。ただ適当に仕事を紹介したところですぐに逃げられてしまうのは困る。長く続けるには個人個人と長く向き合い、適正を見て、職を紹介する必要があるから人が沢山必要なんだよ。そうすれば確実に犯罪は少なくなる! ただその人達をバラバラにしていてはメンタルケアなんてまずできない。彼らをひとまとめにするための宿泊施設とかを用意するにはまとまった金が必要なんだ」
「なるほど、それはお金がいくらあっても足りないわね。でも仕事をしながらでも悪いことを考える奴はいくらでもいるんじゃない? 八郎さんは学生でアルバイトしていたわ。仕事があっても悪いことを考える人はいるのよ」
「当然全ての人の心を掌握することは出来ない。今やっていることだって単なる偽善かもしれない。ただの自己満足かもしれない。でも、やらない善よりやる偽善。止まるつもりは無いよ」
「でも結婚してもブヒュヒュヒュ野郎がいるのよ? お金は自由に使えないんじゃない?」
「照代さんには悪いけどお兄さんのことは眼中に無いと思っている。彼は空中を漂っているタンポポの綿毛のような存在。
コミュニケーション能力皆無でこちらに介入はしてこない。出された餌を取りに来ては消えていくだけの存在。そう認識しているよ」
「酷い言い様ね。確かにそうだけど……なんか可哀想になってきたわ」
照代も少し表情が暗くなる。
「これに関してはすまないと思っている。ただ、このお見合いで嘘は付けない。照代さん。僕の汚い部分も全部含めて受け入れてほしい」
「相当の覚悟ね。さっきのことなのに他の3人が何を言っていたかもう忘れちゃったわ。家夢さん物凄く熱く語るから……」
「そこは覚えときなよ……まあその辺はアリサがしっかり覚えてあるから安心してね」
「やっぱり姉さんは頼りになるでござるね」
「僕は政治にも介入したいと思っている。総理を目指しているんだ。今の政治家は根本的に足りない物があるんだ。それを根底から正す」
「足りない物ってなあに?」
「国民は一体誰が正しいのか分らずにいる。その政治家のホームページで確認してもどっちつかず聞こえのいいことばかり言っていて、本当にしたいことがよく分らない。自分の政治家生命存続のことしか考えていない。
選挙の一週間前位に車で公約を言いまわっても同じ様なことを言うから判断出来ない。だから、政治家と名乗る全ての人間に真夏と真冬の1ヶ月ずつ一般企業でアルバイトとして働いてもらう。当然賃金は他のアルバイトと全く同じでね。その働きぶりを直接共に働いて見た人が、
『この政治家は本当にやる奴』
かどうかを見極める。そしてSNSでシェアして伝えてもらう。
政治家にとっても貴重な体験になり、低賃金で、暑い中、寒い中を働いている人達の気持ちを身をもって知り、具体的な政策が生み出せると思うんだ」
「色々考えているのねえ」
「家夢さん、もうわかったから取り合えず今日はこれでおわりにしてほしいでござる」
一気に沢山の情報が入ってきてしまいパンク寸前の照代。
「うん、僕も少し疲れたかもしれないね。熱く語りすぎたかな?」
外へ出てアリサが照代に話す。
「4回のお見合い、お疲れ。どう? 誰かに絞れた?」
「え? うーん難しい問題ね。一晩考えないと分からないわね」
「人生かかってるもんね……っていい加減に決めなさいよ!」
「分かってるよ。じゃあ明日ね、お休み。しっかり鍵かけてね」
逃げるように自室に走る照代。




