真田行家 お見合い 葉隠 陣
怒りが頂点に達したアリサ、地獄で進化した特技を炸裂させてしまいます。
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ハ組に入ると葉隠の両親と葉隠が待っていた。葉隠はいつものTシャツ姿ではなく忍びの正装である、黒装束を纏い、鉢金を装備している。一応忍び。この屋敷における正装はスーツに七三分けではなく忍びの一式なのだ。奴も時と場合をわきまえることは出来るのだろう。
「遅れてすまぬでござる」
両親が数分遅れては教室に入る。
「きた! 見合いが始まるぞえ」
「何言ってんの姉さん!」
「おめえこそ何言ってんだ? この可愛い姿のどこに姉さん要素があるねん。孫ほど差があるやろ」
「そんなに離れてないよ!」
「喧嘩は止めるでござる。それにしてももう終わったのか。仮眠していた」
すぐに来てくれた両親だが、足取りに疲労の色が見える。照蔵は腰を押さえている。
「照代? ちゃんと話せたの? 無理はしていない? まだいける?」
照乃も娘が心配なようだな。
「ま、まあね。でもよくここってわかったね」
「いや、イ組とロ組を回った末に来たでござる」
「総当たり!」
「ではお見合いを始めましょう」
照蔵が開始の挨拶をする。
「本日同時に4件ある内の2回目でござる。緊張しているだろうが普段通りでやるでござる。ではあとは若い人達だけで……」
「ええ? ちょっと!」
両親たちは去っていった。あっさりしている。まあ照代の両親に関しては4回も同じことをやらなくてはいけない。それを考えると司会進行を何度もやるのも飽きてしまったのだろうか?
「逃げるように……」
「もうお役所仕事ね……事務的であり淡泊……あら?」
アリサは気付いてしまったようだな。そう、葉隠の両親は登場したのに何も言わなかった。今まで登場した人物は何かしら喋っていたのだが、葉隠の両親は何一つ喋っていない。それどころか彼らの容姿に関する記述すらなかった。何も紹介されぬまま退場していったのだ。そう、彼らはもう二度と登場することがないことが確約されている。この瞬間しかチャンスはないのだ。なのに何も足跡を残さなかった二人。この愚行はこの小説始まって以来の出来事かもしれない。
「あれ? もう居なくなってしまった。お見合いってこんなドライなものでしたっけ?」
唖然とする葉隠。
「葉隠さんもそうだと思うけど、私もお見合いなんて今日が初めてだし、事前に情報を収集もしていないのよ? それに親達も久しぶりでよく覚えいないと思う」
「そうですよね……しかしいつも会ってますが、改まって二人で話すと緊張しますね……ん?」
葉隠は軽くため息をすると、ふいに照代の隣に鎮座する
『異物』
に気付く。
「じー」
アリサは握った両掌をあごの下あたりに置きつつ、じーと言う擬音を発し、葉隠を凝視している。初めて会った時もその後に酷い評価を下していたな。特にこいつは照代をだましかねない悪人なのではないか? 油断してはいけない。注視すべき危険因子という気持ちを止めることすらできなかったのだろう。
「ん? あれ? ミニお嬢さんも同席かい? じーって何だよ……実はセミの一種だった? セミアピールは分かったからもうセミリタイアしなよ! しっしっ」
まるで犬や虫を追い払うような手つきでこの場からアリサを追い払おうとする。
しかしセミリタイアの意味はそれで合ってるのか?
「じー」
忍神のお見合いの時と同様に、アリサは出て行かず
『じー』
を繰り返す。
「あ、これはね、いい人生勉強になるから見てみたいって聞かなくってね。邪魔にならないようにするから」
「照代さんの言う通りよ。空気と思ってくれていいからね。あっ、でもミニは絶対に余計だよ? 訂正して泣いて鼻水をみじめに垂れ流しながら詫びて?」
ほう、意外にも大人の対応をして見せるアリサ。
「ガハハ、ごめんごめん。心も体も大きい女の子だよ! でもやっぱりちょっと気になるなあ。ま、まあそこまで目立つほど大きな存在でも無い訳だし、空気と思って始めましょう。では、何から聞こうかな? うーんうーんえーとあれかな? いや、これかも?」
もたもた
優柔不断な葉隠にイラつくアリサ。しかしその出来事を瞬時に理解し、何かを閃く。そして照代に小声で囁く。
「じゃあおばさん、先制攻撃よ。休日どこ行っているか聞いてみなさい」
「おお! 私も真っ白だったから助かるわwwwwええ、じゃあ、葉隠さん、休みはどう過ごされているんですか?」
「え? ああ、先週の日曜は仁美とショッピン、い、いや人見知りが激しいので家で冬に備えてこたつの準備していましたよ。ガ、ガハハハハ」
必要以上に頭を掻きながら笑う。しかし何か嫌な感じがしたのは私だけだろうか?
「え? 今、仁美って言わなかった? 女子の名前よね? あとショッピンだって? うーんと……あ。ショッピングか? お前まさか仁美って子と先週の日曜日に買い物に行ったのか? で? 何を買ったんだ?」
葉隠れのおかしな言動をつっこむアリサ。しかしそのつっこみはどうなんだ?
「ち、違う違う。こたつを買って貰っただけだ……違う! こたつは買って貰っていない。人見知りって言い直したでしょ? ショッピンじゃなくってちょっぴり。そう、ちょっぴり人見知りが激しいって言おうとしたんだよ、緊張でうまく言えなかったけどね」
成程そう言うことか。照代は相当な美人だ。そんな女性を前にすれば緊張し、うっかり言い間違えるのも仕方ないだろう。
「そうなの? 緊張しているのは私だけじゃなかったんだ」
「そうですそうです」
「ちょっぴりなのか激しいのかどっちなのよ? 怪しいわね。お前さ、忍者学校の教師の癖に人見知りとか終わってるわね。そうだわ! お前などもう受精卵から出直して来ればいいのよ!」
「あ、アリサちゃん! その受精卵攻撃は既に2回目でござるよ。忍びは同じ攻撃は通じないのでござる。うぬこそ受精卵からやり直してこいでござる!!!」
ほほう、葉隠が生意気にも反撃に出たぞ。
「ぎゃあああああああ」
首を両手で苦しそうに押さえるアリサ。
「姉さん? どうしたの?」
「くそう、受精卵返しとはやるなお主! しかしまだまだこれからよ!」
この短いやり取りの間に4回も言う二人。それはこんな短いスパンで放たれる言葉じゃないんだよなあ。
「い、いやそのーアリサちゃん? 大袈裟だよ。でもさ、若い人達だけでって言われてアリサちゃん残っちゃうんだもの。確かに年齢的には僕らよりも若いけどさあ。関係ない自分は出て行こうって空気読めないのかなあ?」
「さっきも言ったわよ? 私は空気そのものよ。空気自体が空気を読むことは出来ないのね? お前は分からないだろう……空気は空気を読めない。是即ち空空読也ぃ」
彼結気を思い出すな……
「屁理屈言うねえ。それにしては、その空気が今日はバシバシ突っ込んでくるなあ。こんなのスルー出来ないって。何もしないで放置していたら無残に切り刻まれるよ。お前は空気と言ってもかまいたちみたいに攻撃してくる悪くて小さい空気なんだからね」
そんな生ぬるいものではない。ハリケーンやタイフーンと言った方が妥当である。
「お前と小さいは余計。まあ、このお話ではかまいたちじゃなくって言刃なんだけどね」
「ことば?」
「言論統制の言に自滅の刃の刃で言刃ね。形はないけれど触れると人体を切り裂く高速の刃で、このお話でしか使用不可能な専門用語ね。
私の口からマッハ4で飛び出すわ。でもまだ若くも美しい仏……いいえ。私程度の出す言刃などまだ子供騙し。こんな程度の空気の攻撃に耐えられないようならお前にはまだ見合いなど早かったってことになるでござるよ」
確かに仏と私は漢字にすると酷似している。だからと言って自分を仏と言い間違えるのはわざとらしいと思うよ。
「照代さん。なんでこんな子供を連れて来たのでござるか? 一々攻撃して来て嫌なのでござるが……」
「やっぱり邪魔かしら? でも我慢してね? ちょっと心細くって……それにしても、今は夏よ? まだこたつには早い気がするわね。でも、用意周到よね。そういうところ、いいね!」
「あ、あの、こたつの話は忘れてくれでござる」
「でも、いつもこたつの準備をしているって訳ではないでしょ? 他には? 趣味とかも知りたいな」
照代は全く葉隠を疑う様子は無い。
「じゃあ、確か先々週は……里美と……いけね! えっと……さ、里見知りが激しいので家でパソコンで忍術書のネットサーフィンをしていましたよ」
さとみしりが激しいらしいな。え? どゆこと?
「ん?」
アリサの眉間に皺が寄る。
「どうしたの姉さん?」
「葉隠ー? この、言葉の超絶天才アリサ様でも里見知りってワードは初耳よ? しかもその前にはっきりと里美って女子の名前言っていたし。いけねって、言ったよね? 言ったんだよね? お前もしかして、女の子と付き合っているな? 現在進行形で、しかも数人と最低でも二人。名前は恐らく仁美と里美な」
アリサの悪を見抜く邪悪な里美……おっと……仁美……いけねっ! 瞳が、ギラリと光る。
「そ、そんなことは……人見知りと言い間違えたんだ。それにアリサちゃん、目上の者に対して伸ばした感じで偉そうに呼び捨てしたり、お前と言うのだけは間違っていると思うよ」
「それでいいんだ」
お、この言い回し……彼に影響を受けているな? ぬ? 彼とは誰であるかだと? 今言うことはではない……それでいいんだ……
「いやいや、良くないよwそれを決めるの僕の方だよ! なんかね緊張してしまったのかもしれないよ。そうなると舌が回らなくなるんだね。これは九割九分九厘、アリサちゃんううん、くそアリサのせいだからね?」
「そうよ! 葉隠さんって呼んであげなきゃね?」
「うるせえ。誰の為に言ってると思ってる!」
「ひい」
「あとよ葉隠ェ? 今呼び捨てしたよな? 枕詞にくそなんか付けちゃって。枕詞にする単語ってその人が毎日食べてるものを使いやすいって古文書に書いてあったからそう言うことなんだろうね」
「食べてないでござる」
「何回嘘つくんだこいつ……信じられねえ……でよ? 葉隠。お前は、お見合いで自分が人見知りであることを強調している。誇らしげにな。そんな姿って滅多に見ないわ。相手に印象悪いと思わないの?」
「くっ、だけどそれを隠してて後でばれる位なら、ここで今の内にしっかりと言っておいた方がいいんだよ。
相手のことを知り、そして自分のいいところだけでなく弱点もしっかり伝えるのがお見合いなんだよ。まだ子供であるアリサには分からないだろうがね!」
正論なのだがそれを認めることが出来ずに、後先考えずなんと二回もアリサを呼び捨てにしてしまう。これは何かが起こりそうである。
「あら? 勇敢な子ねえ……でもそれってちょっとおかしくない? 目上の者に対するセリフじゃあないわね」
うう……この口癖……ブル……直美姉さんが伝染ってしまっているな……悍ましい……ブル。
「ひえっ?」
「ちょw目上に対してとか勇敢な子ってww止めてよアリサ!! なんか空気がギスギスして来たわね……じゃあ特技とかはあるの?」
「ああ特技ですね? そういえば一月前、明美と卓球……あわわわっ……今のカットで。いや、明見知りが激しくて家でパソコンで絵を描いたりしていますよ」
あけみしりが激しいそうだ。ならば仕方の無いのかもしれない? そんな訳はないな……
「ふーん。絵が得意なのね? 私はやっぱり面白い画像や共感出来る画像をツイートしてみんなにいいねを沢山貰うことね」
「あれ? おばさん? 今4つは突っ込めるところあったよね?」
明見知りには一切触れずに会話する照代に驚くアリサ。この女、ピュアというか疑うことを全く知らないのであろうか?
「4つも? どれ?」
「まずは仁美に続いて里美、明美という女性の名前らしき言葉。そしてそれを言った直後にあわわと動揺。で、その部分をリアルタイムで起こしたのにカットと懇願。そして里美と明美と言った後に響く謎のワードのさとみしりとあけみしり」
「そうなの? 全く気付かなかったわ……一つたりともね。でもやっぱり姉さんがいて良かったわ」
「何で? これで怒らないの?」
「いえいえ全て気のせいでござる! 次行きましょう!」
「そうね」
「ええ?」
「もう一つ聞いていい? 好きな料理はなあに? 私、料理苦手だけど頑張って覚えるならまずは旦那さんの好きな物から覚えたいの」
「料理ですか? うーんとそうだなあ 琴美が作ってくれたオムライスかなあ」
何故か付き合っている女性の名前を口走らずにはいられない男。
「えっ? 琴美?」
さすがに照代も反応する程の決定的なミスを犯す葉隠。
「やべえ、違います違います。コトコト煮込んだオムライスが好きだって言いました。はい! 間違いありません!」
新感覚のオムライスである。だし汁で煮込めば卵にも味がしみこみ美味いかもしれぬ。
「あらコトコト煮込むオムライスなんて珍しいわね? そんな料理法もあるのねー、頑張って覚えなきゃ」
「えっ?」(嘘……やば……)
アリサはこの時、路募山の時と言い、11歳の自分なんかよりも遥かにピュアな女なのではないかと感じた。
今までの流れを受けても疑いの目で見ることなく、曇り一つないキラキラした瞳で葉隠の話を聞いているではないか! そして、このまま放って置いたら確実に悪い奴に騙されて捨てられてしまうのではないか? だから一回り以上離れている年齢を凌駕し、それを唯一知っている私が絶対に守らなくてはいけない子なんだ、と言う謎の使命感を芽生えさせてしまう。
そして、彼女の特長であるツイッターで色々報告するという癖も、フォロワーに
『良く気づいたね!』
『偉いね!』
『照代さんのつぶやきは本当に楽しい』
等と褒められたいと言う純粋な心から続けているのではないか? とも同時に気付いてしまった。年は30であるが、まだ生まれたての雛鳥の様な純粋なまごうことなき乙女、それが真田行照代なのだろう。照代に呼ばれて嫌々来ただけの筈なのだが、これは運命ではないのか? と、感じてしまうアリサなのであった。
「あら? また言い間違い? ちょっと熱があるのかしら? 心配ね。ちょっとおでこ触らせて?」
その優しい言葉とは裏腹に、するどい目つきで葉隠を見る。
「え? そ、そうなのかもしれないね」
その鋭い目に萎縮する。そして素直におでこを差し出す葉隠。
アリサは、明見知りや、琴美からのコトコト煮込んだオムライスには敢えて突っ込まずに、万物調査を使うことにした。するとアリサは思い出したかのようにこう一言。
「あっ、別にもうこれしなくてもいいんだw」
「え? どうして? 熱を見るんじゃなかったの?」
「もうその必要が無かったんだwすっかり忘れてたwww」
「そうなのかい? 急になんだよ……君がやることなすこといちいち怖いんだけど」
あっ、しまった! 皆さん……ここでいい知らせと悪い知らせをしなくてはならなくなってしまった……どちらから聞きたいか? そうか……悪い知らせからか……うむ……で、では言うぞ? 悪い知らせ……そう、悲報は、アリサはもう能力を視たい時に、対象のおでこを触れる必要無く視ることが出来ちゃうのだ! 地獄でジン゛ジア゛を倒した直後にこんなメッセージが出たことを覚えているだろうか?
『標的に手をかざせばそれだけで視れるようになった』
だ。これはね? 地獄の中でも最悪の地獄、煉獄じみた表記なんです。だから、視たい相手に手をかざすだけで、対象の内部情報を視れてしまうのだ。ブル。
故に今までは背の高い男には頭を下げてもらい、直接触れねば視られなかったという弱点を克服。もうあのやり取りも不要となった。あれが楽しくてこの小説を見て頂いた方には更なる悲報かもしれぬ。
そして、ここからは怪談のような話になるが、手をかざしたら視られるというおぞましい事実を知る者はアリサ以外誰一人存在しないのだ。うひい……故にアリサが白状しなければ無断で一方的に視ることが出来てしまうのだ……そして彼女はそれを未来永劫言う筈も無いだろう。何故か? それは仮に、わざわざ視せて? と言って断られても、アリサが傷付くだけ。そんなこと、アリサが望んでする筈はないだろう。超が付く程のドS娘が自分を傷つく選択肢を選ぶわけがないんだ! 無言で手をかざすだけで問答無用で視れるのだからな……ならば言う必要はないということか……そして二話で何とか視ようとしたら上手く逃げられた白川もこの事実は知らない。故に彼女に出会ったが最後、
【必ず】
視られてしまうだろう。ふえぇ怖いよぉ……これはもはや災害だ。頭の良い彼女に、MP消費以外リスクが無く、弱点を見抜かれてしまう訳だからな……まあ、対象者は可哀想ではある。だが白川には逃げられた苦い思い出がある。その反動でアリサは躊躇わず視るだろうな。そして、葉隠はこの、
『遠距離万物調査』
の最初の餌食としては最高に相応しい男ではないかwそしていい知らせであるが、今までのおぞましい話を真剣に語っているうちに忘れてしまった。思い出したら報告しよう。
「ええと、こんな感じで奴のおでこに向けて手をかざせばいいのよね? こうかな?」
ブウン フヨフヨ
「え?」
手をかざすと蒼い光球が手から出現する。それがアリサの手から少しずつ葉隠に向かっている。だが、集中を切らすと落ちてしまう。恐らく意志の力で操作が必要。そして、その光の玉が見えているのはアリサだけ。何故なら突然光が表れたらそちらに目が向くはず。だが二人はおかしな動きをし始めたアリサしか見ていない。
「どうしたでござる?」
「うるせえ。今取り込み中……もう少し上か……思い通りいかねえなあ……」
「姉さん? 手を前に動かして何をしてるの?」
「おめえも黙ってろ」
口の悪くなるアリサ。
「何してるんですかこの子?」
「私もさっぱりよ」
「これ、思った方向に球が動くのね? でも遅いなあ、思ったより不便ねえ。これじゃ直接触れた方が……ブツブツ……この辺は練習で何とかなるよね? (相手のおでこを目掛けて……動けえええ)やああああ」
「なんだい? やああああなんて言って……バカみたいだね……フッ」
ブゥン
あ、ついに捕まっちゃったなあ……光球は葉隠のおでこを蒼く光らせる。
「よし!」
ハガクレ ジン LV30 忍者学校教師 ♂
力 281
素早さ 841
体力 112
賢さ 43
運 11
HP 225
MP 87
攻撃 511
防御 536
スキル
忍術マスター
ギャンブルマスター
口説きマスター
☆☆二枚舌
☆☆盗む 消費MP3
☆☆☆鍵開け 消費MP1
☆☆☆隠し通路発見 消費MP1
☆☆☆影分身 消費MP10
☆☆☆力限界突破
☆☆☆速さ限界突破
☆☆☆☆忍法竜巻 消費MP5
☆☆☆☆☆神速百連クナイ 消費MP60
☆☆☆☆☆影分身神速地獄千連クナイ 消費MP85
満腹値 98/100
状態異常 怯え 混乱 借金250万
E,上忍クナイ
上忍黒装束
好きなもの 女性 現金 ギャンブル
嫌いなもの 男性 借金取り アリサ
真田行忍術学校のハ組の教師。大の女好きで現在4名の女性と付き合っている。それは二枚舌を保有している故に騙して付き合っているのだろうか? それでもお見合いに参加する。4人は遊びで照代が本命ということか? 相当な女たらしである。手先は器用で、盗むの特技も持っていることから忍者と言うよりは盗賊である。因みに盗むは相手からこっそり盗む場合のみMPを消費する。しかし、盗賊とは思えないほどの力と素早さを備えておる。高速回転することで竜巻のように変化し移動する忍法竜巻や、影分身で自分の分身を作り、クナイを超高速で切りつける必殺技の
『神速百連クナイ』
で相手を翻弄するスピード系の忍びだ。神速百連クナイは受けし者に深刻なダメージを与えるが、消費MPが多すぎるので一回が限界。更に影分身と同時に無数のクナイを集中して投げまくる
『影分身神速地獄千連クナイ』
は最大値まで回復させておかなければ打つことは不可能。低い賢さのせいか一発屋となっている。だが賢さを上げる修業をすれば何回も出来るようになるのかもしれない。そんな賢さの低さは現実問題も悪影響がある。それは、うっかりとお見合い中であろうが自分の彼女の名前を漏らしてしまう。と言うこと。その弊害で、付き合っている女性に正しい名前を言うことが出来ないので、女性と一緒の時に名前を呼ばざるを得ない場合はマイハニーで統一している。
枠は、オレンジ色に光っている。
「……なるほどね」
色々思う所はあるが、敢えて口には出さないアリサ。
この『なるほど』には、沢山の意味が含まれている。
ギャンブルにより借金を250万抱えていて、それが状態異常として扱われていること。
二枚舌というパッシブスキルを持っていることから、生まれ持っての嘘つきである可能性が高いということ。
盗むと鍵開けというスキルを持っているところから手癖が悪いということ。
そして恐らくだが仁美、里美、明美と他にも女性と付き合っている可能性があるにもかかわらず照代と結婚しようとしていること。
そして彼の好きなもの嫌いなもの合わせて女と金に関することで埋め尽くされていること。人に物を教える者としてどうなのか。
枠に関してもオレンジ色に光ることから、今まで数名を視てきた経験から、アリサに良い感情は抱いていないということも含まれている。まあ枠の色に関してはアリサは詳しくはわからない。だが今まで調べた人物の中で赤や黒は明らかに敵対意識をむき出しにしている相手が多い傾向があった。その点から推測し、葉隠も自分に良い印象を持っていないことがそこはかとなく分かっているという感じである。内心怒りで震えているが、芝居で隠し通す。
「どうしたんだい? ずっとこっちに掌を向けて……」
「大丈夫。もう終わったから。そして……もう掴んだ」
葉隠は、明見知りの件に触れられず少しほっとしながら聞く。
「終わった? 掴んだ? な、何が?」
恐らく新機能を搭載した万物調査のコツだろう。
「お前には関係ない」
本当はかなり関係ある。
「またお前って……もういいや。あ、そろそろ僕も質問しないとね。お嬢さんは今、新聞記者ですよね? 休みの日も取材とか行っちゃってる程熱心な人なんですよね」
「そうなのよ。でもつい最近までの話ね……当時は家でゴロゴロってのが出来ないの。一週間家に帰らないで色々回っていることもあったわね。
ホテルの取材も休日に行っていたのよ。今は、毒を受けて無職だし、なんか表に出るのも億劫なのよね。毒を飲んでから弱気になっちゃった」
「まだ万全ではないんじゃないですか? 余りで歩くのは我慢して下さい。後取りを残す大事な体なんですから」
「後取りかー、受精卵関連のあれよねー。やだなあ」
照代の顔が曇る。
「生々しいよ! その辺は濁しておこうね」
「姉さんが受精卵受精卵言うから伝染っちゃっただけよ」
「そうだね。でも思い出して? あれはこいつ自身に戻れって言った訳よ」
「うん」
「そう、既に出来上がっている物に戻れって言っただけだから。でもおばさんはこれから葉隠と頑張って作るものを言ってしまった」
おいおい……
「あ!」
「理解した? 同じ受精卵でも全く意味が違うのよ」
アリサ! もう止めろぉ!
「アリサちゃん! 生々しいよ」
「そうね、でもよく考えたら兄さんもいるし、私がまだ急ぐ必要は無いわね」
当然兄が照蔵の次の後継者になる。毒を受け、搬送された病院が照蔵も通っていて、話の末実家に戻ることとなったのだが、後継者問題は照代には関係ないと思っていた。
「正直お兄さんは、結婚とかはなさらずに、修羅の道を突き進む男だと思われます。だから、後取りは照代さんしか産めないと言うことになりそうです」
「重いわね。そういうの嫌だから逃げてきたってのにがっつり関わりそうで嫌だわ。
あのアホ兄! あー、なんか嫌な気分になってきちゃったわ。そろそろ終わりにしてもいいかしら?」
「ええっ? まだ休みの話しかしていませんし……」
「葉隠さんはこれで終わりだからいいけど、私まだ2件も残っているのよ。この辺で切り上げないと体力持たないわ。悪いけどここまでよ。普通じゃないのよこのシステム。全員私が好きってことでしょ? それも考えられない。何でこんなやり方にしたの? 誰か教えて!」
「そうですね……では行ってらっしゃい」
強引に見合いを終了させた照代。次のロ組へと向かう。




