表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲームのヒロインに転生したようですが、私は変身ヒロインになります。メンヘラ男子はお呼びじゃありません。  作者: シャチ
1.幼少期編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/31

13.二人目の残念イケメンはここにいたのかぁー

更生上おかしなところがあったので修正しました

翌朝、ノエール様と朝ご飯を食べたら、光の戦士の衣装に着替えて、公爵家の訓練場へ向かう。

そこのには、カナン様ともう一人、絶世の美男子がいた。

水色の髪のイケメン。

こんなところで残念イケメンの一人、フリート伯爵家の一人息子、ルードヴィヒ・フリート伯爵令息と会うことになるとは思わなかった。

「おはよう、二人とも。コイツはフリート伯爵家のルードヴィヒ。彼と手合わせできないだろうか?」

カナン様は申し訳なさそうにルードヴィヒ様を紹介してくれた。

「初めまして、フローレンス男爵の一人娘、エリーカと申します。今は光の戦士エリカですので、エリーカとは呼ばないでください」

「…なんなんだ、このめんどくさい女は」

「ルードヴィヒ様、私のことも光の戦士ノエルですので、ノエールとは呼ばないでくださいましね」

「え、どうしたのノエール…」

私に向かって明らかに面倒くさいというような顔をしていたルードヴィヒ様は、ノエール様の一言で固まっている。

根がまじめだからなぁコイツ。

こういうお遊びについていけないんだよな。

だからメンタルがやられちまうんだよ。


ルードヴィヒ・フリート。

父親が第一騎士団長で、将来は騎士団長に、と言う夢を持つ少年だ。

問題は、先にも述べた通り真面目過ぎたこと。

こやつ、カナン様の次に物理攻撃が強い男なのだが、メンタルがカナン様以下の豆腐なのだ。

不正が許せない性格なのだが、現状騎士団でも市民との間の賄賂など当たり前の世界。

しかも騎士団は結局、貴族社会。

派閥もあれば、コネもあるし、不正もある。

そういったことをパワーで打ち破れれば良いのだが、「力だけがすべてではない」とまっとうな考えを持っているルードヴィヒは、正義と不正の現実をみて、騎士とは何かと考えだし、ゲーム開始時には剣が握れない状態になっているのだ。

で、主人公たる私との交流を経て、最終的には剣を取り共に戦う。

自分の気持ちに正直に生きる主人公を見て、ルードヴィヒも自らの信念を突き通し、騎士団を改革するために、主人公と共に、騎士団入りをする。

というところでゲームは終わるんだけど、まぁメンタルが豆腐すぎる。

清濁併せ呑むことができないやつが、貴族なんてできるわけがないのだ。

綺麗ごとだけで世の中回るほど、みんなが仏様じゃない。

ましてや、この世界での騎士への賄賂なんかは、チップみたいなもんだ。

町を守ってくれてありがとう、なんかあって貴族が絡んできたら助けてねってやつだ。

騎士も基本は貴族なので、よほど格上じゃない限りは対処ができる。

仮に格上でも、騎士は騎士特権を持っているので、爵位が上だからとあまり傍若無人を働くと、切られても文句が言えない法律があるのだ。

そういう意味では、戦争でもない限り、知りもしない市民を守ろうと思ってくれない騎士が多いので、こういうのがまかり通っているというところがある。


さて、見たところ彼は、剣を握っているので、まだ騎士団の影の部分には触れていないようだ。

いっそこの場で、社会の厳しさを体に叩き込んでやって、いい年こいて清濁併せ呑めない馬鹿になる前に、更生したほうがいいかもしれない。

「しかし、最強の戦士と手合わせできるといわれたから来てみたが、女に手を挙げるのは…」

「ルードヴィヒ様が、カナン様より強いなら、そのお言葉も理解できます」

くだらないことを言い始めそうなので、私からジャブを撃つ。

彼は、間違いなくカナン様より弱い。

不意打ちでの戦いではないから秒殺とまではいかないだろうが、そこらのオークをミンチにする私を前に、そんな心配無用である。

「な、男爵令嬢の分際で」

「カナン様、無礼な言葉遣いをお許しください。公爵令息すら勝てない貴方が、私に勝てるとでも?御覚悟はよろしくて?」

すっと私は構えを取る。

身体強化や障壁は展開済み、一歩踏み込めば、その手に持っている剣を地面にたたき落とし、こいつを壁にめり込ませる自信がある。

「エリカ、まちなさい。せめてちゃんと試合形式にしてあげなさいよ」

ノエルが声をかけてきた。

それもそうか。

正々堂々が、彼の本位だからちょっとは譲歩してやろう。

まぁその考えすら甘いのだが。

「わかりました。ルードヴィヒ様、どちらへ行けば?」

「ふん、こっちへ来い。その自信が本物か見てやる」

お前のその強気も何処からくるんだか。

カナン様が私とルードヴィヒ様の間に立ち、試合開始の合図をしてくれるようだ。

「では!はじめ!!」

言われた瞬間、私はルードヴィヒに駆け寄り、左蹴りで剣を吹き飛ばし、その勢いのまま右足で踵落としを食らわせる。

目の前には、倒れた状態で、地面に半分めり込んだルードヴィヒだけが残される。

蹴り飛ばした剣は、場外の壁に刺さっている。半分ほど

「し、試合終了」

カナン様の声が震えているが、知ったこっちゃない。

あんた、この前見たでしょうが。

「ルードヴィヒ様~生きてますか~」

一応彼に回復魔法をかけながら、腕を引っ張って起こしてみる。

ヒッと男の子が出しちゃいけない、小さな悲鳴が聞こえた。

「お、おまえ…戦う前から魔法準備してやがったな?」

「あたりまえでしょう、戦うのが分かっているんですから、準備できるときに最大限バフかけましたよ」

「バフ?と、ともかく試合前に卑怯じゃないか!」

「戦争や魔物との戦いに、卑怯もくそもないですよ?いつの時代ですか、互いに名乗りをあげてから戦うとか」

「なっ」

「本来、いつ不意打ちにあっても対処するのが騎士でしょう?私はお父様にそう教わりました」

やっと足元がしっかりしたようなので、ルードヴィヒ様から手を離してあげる。

「不意打ちが卑怯なら、戦争に出る騎士はみんな卑怯者です。女の子が夢見るような、清廉潔白な騎士なんて、まがい物ですよ」

「…」

ルードヴィヒ様さまが黙ってしまった。

うーん、まぁ憧れている存在を否定しているからなぁ。

「ところで、カナン様。ついでに私と手合わせします?」

「いや、やめておくよ。今日の目的は、君にルードヴィヒ様の甘さを叩き直してもらおうと思ってたからなんだ」

「そうですか」

「どちらかと言えば、ノエールの実力を見たいかな」

「あら、お兄様と手合わせですか?いいですよ」

「やっちまいなノエル!」

「エリカ、それでは悪役みたいですよ」


私が仕切りをした、カナン様とノエール様の戦いは、結局秒で終わった。

パンチで模擬刀を叩き折り、顔面にパンチを寸止めして試合終了。

私との戦い方の違いを見せつけながらも、身体強化と速度増加魔法の強さを明確に示せた。

おかげで、魔物討伐に行くという件について、ブロッサム公爵家内では誰も心配しなくなった。

ルードヴィヒ様はしばらくお部屋にこもった後、突然剣の素振りを始めたらしい。

ちょっとは、目が覚めてくれたかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ