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始皇帝記 ~DG6~  作者: 小泉るか
デモゲ6-1
105/106

DG6 100ex 誰もいない世界で

そこは夢よりも寂しい世界。


物は存在するが、生命は誰もが寝静まっているような静寂。


ひどく乾燥していて息苦しい。


その感覚が、自分が生きているんだと実感するのに十分なほど。



動いているものは機械か自分が動かした幻想。


人の姿を模した何か。話はするが突飛な行動は何もない。


想定内の活動、想定内の対応。自分が望んだ行動ということでもなく、求められることもない。


誰から愛されることもない。ありふれた会話と、生理的な欲望を満たす行為だけしか存在しない。


求めているような人、死にそうな人、死ぬ人はいるが、自分が直接関わることもない。


ただ動き続ける。


信号機が24時間動き続けるように。時計が1秒1秒を刻み続けるように。



いつから世界の色が変わったのだろう。明確な変化は実感するが、切り替わった日時はわからない。


いくらもがき続けても抜け出せない。変化を求めても変わらない。


あるのは永久の孤独。平和。時間の経過。老化。満ち足りない思い。



存在を失った神。翼をもがれた悪魔。力を失った死神。


剥奪された世界と記憶。


いいように操られた世界。それに合わせて付けた記憶。


記憶は作られた足かせ。


現実は意識の足止め。



偽物の世界。世界は自由の牢獄。


ふと気づいた。自分が死んだ世界がここなのだと。

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