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放課後、店の引き戸を開けて、僕は思わず無言になった。いや、もともと無言だったのだが。そんなことはどうでもよく、とにかく、目の前のカウンターで闇鴉さんが頬杖をついていたのだ。
彼女は入って来たのが僕だとわかると、ニヤッと口角を上げて笑った。
「いらっしゃいませ、ここは何でも屋朱雀店だ」
「寿等華さん何しに来たんですか」
その冗談をスルーして尋ねると、彼女は足元から一抱えの風呂敷を取り上げた。ドスンという音と共にカウンターに乗ったその風呂敷は、どうやらなかなか重たそうだ。
「お届けもんだ」
「何ですか、それ」
「あり?レンから聞いてねぇ?」
闇鴉さんは「おっかしいなー」と言いながらスマートフォンを取り出した。どうやら店長に指示を仰いでいるようだ。
僕が自室に荷物を置いて戻って来ると、闇鴉さんは引き戸の前に仁王立ちをして待っていた。風呂敷は変わらずカウンターの上にある。
「連絡するの忘れてたけど、とりあえず陸に渡しとけばいいってよ」
「そうなんですか。仕事関係ですか?」
「何か大事な部品らしいぜ」
僕は直感した。彼女に聞いてもたいしたことはわからないだろう。おそらく闇鴉さんは本当にただの配達係なのだ。
「んじゃ、アタシ帰るな。仕事に備えて一眠りしなきゃなんねーし」
闇鴉さんはひらひらと手を振ると店を出て行った。僕は見送りもせず、風呂敷を解きにかかる。風呂敷の中身は、先程の闇鴉さんの言葉は比喩でも何でもなかったとわかる、機械の部品だった。
「田井中さんか……」
僕は風呂敷を包み直すと、それを持ち上げた。もうすぐ荒木さんが来るだろう。
風呂敷を店の裏に運びながら思う。それにしても、何て重たい荷物なんだ。




