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「わっ、瀬川君、もしかして降ってるの?」
服や髪に白い塊を付けて現れた僕を見て、荒木さんはそう声を上げた。隣の店長は「リッ君おはよう」と普段と変わらない挨拶をする。僕は二人がテレビゲームをプレイしているという珍しい状況に、いささか面食らっていた。
「ついさっき降り始めて。もしかしたら積もるかもしれない」
「ほんとに!?それっ、は、や、ば、い━━!あーもう!また負けた!」
荒木さんはコントローラーを投げ出す。おそらく店長が操作していたと思われるキャラクターが、「WIN」の文字と共にテレビ画面を独占していた。
「それより、何をしているんですか?店長」
僕は体中についた雪の塊を払い落としながら尋ねる。連敗してふて腐れる荒木さんを見習って、店長もコントローラーをテーブルに置いた。
「これ昨日の夜陸男が持って来たんだ。せっかくだからやろうかなって。リッ君もどう?」
「僕はいいです。アクションゲーム苦手なんで」
僕が断ったためか、荒木さんが再びコントローラーを握る。
「店長、もう一勝負しましょう!次は勝ちます!」
「雅美ちゃんそれ十回目だよ」
ゴングが鳴った。息巻く荒木さんと苦笑する店長を残して、僕はそっと自室へ向かった。




