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「終わったー!」
両手を勢い良く上げて嬉しそうに叫んだ荒木さんを、僕は横目で見てからスマートフォンで時刻を確認した。夜の七時であった。
「さすがに十日間は長かったね~」
「そうだね」
僕は店長に任務完了のメッセージを送り、スマホをポケットに片付けた。僕達は特定の人物を尾行する依頼をたった今終えたところだ。十日間もの間を依頼されていたので、僕も荒木さんも嬉しくない顔をしていたのだった。
「早く店に帰ろう!私お腹すいちゃったよ」
「竹中さん、今日は昼食を摂らなかったからね」
「本当に、こっちのことも考えてほしいよ」
荒木さんが冗談交じりに無理難題を言う。ちなみに竹中さんとは尾行対象の名前だ。
「帰りにコンビニ寄って帰ろっ。私朝もヨーグルトしか食べてこなかったからさ、本当にお腹ペコペコ」
荒木さんはくるりと踵を返すと、意気揚々と歩き出した。僕が再びスマホを見ると、【何でもいいから夕飯買ってきて】という店長からのメッセージが来ていた。




