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「あー、眠い……」

店長はあくびをひとつかますとそう呟いた。僕は彼の方を見もせずに尋ねる。

「寝てないんですか」

「一応寝たけどさ。無理に二時間だけ寝たのが逆に眠いんだよね」

「昨日何かしてたんですか?」

「急に深夜が来てさぁ。もう寝ようとしてたとこだったのに」

少しだけ不満そうに言う店長に、僕は「ああ……」とだけ返した。しかし数分後に僕はまた口を開く。

「もしかして表の自販機の凹み、寿等華さんですか」

「え、何それ。気付かなかった」

「自販機の側面凹んでますよ。ちょうど誰かが蹴ったみたいに」

「来た時点でかなり酔ってたから有り得るかもね」

店長は立ち上がると、面倒臭そうに引き戸の方へ向かった。僕はパソコンの画面隅で現在の時刻を確認する。まだ朝の十時だ。おそらく店長は朝起きてからまだ一歩も外に出ていないのだろう。

引き戸がピシャリと閉まる音がして、来客用のソファーに店長が戻って来た。彼はどっかり腰を下ろすと言った。

「あれは確実に深夜だね」

「やっぱりそうですか」

「あんな深い凹み、犯人は深夜か花音くらいのものだよ」

「その辺のチンピラにしてはいい仕事するなと思ってたんです」

僕はキーボードを叩きながら考えた。自販機の修理はどこに申請すればいいのだろう。これ以上外観が寂れると一般客が逃げてしまう。




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